焦点 日帝が韓国への経済制裁を発動 新たな朝鮮侵略狙う安倍
焦点
日帝が韓国への経済制裁を発動
新たな朝鮮侵略狙う安倍
安倍政権は20カ国・地域首脳会議(G20サミット)閉幕直後の7月1日、韓国に対する重大な経済制裁を発表した。韓国紙はこれを「経済戦争の銃声が鳴った」と報じた。
7月4日から直ちに発動されたこの制裁は、政府関係者が「韓国企業にダメージを与えやすいものを選んだ」とあけすけに語るとおり、韓国の主要な輸出品である電化製品や半導体の製造を狙い撃ちした攻撃だ。スマートフォンやテレビに用いられる半導体やディスプレーの製造材料のうち、日本の世界シェアが70〜90%に達する3品目について、韓国への輸出規制が抜本的に強化される。
これは単なる貿易上の措置ではない。改憲と戦争国家化に突き進む日帝による新たな朝鮮侵略戦争と直結する攻撃であり、絶対に許すことができない。制裁の理由について安倍は、徴用工訴訟をめぐり「韓国が約束を守っていないため」と繰り返し、経済産業省も「日韓の信頼関係が著しく損なわれたため」と説明しているが、信頼関係を破壊してきたのは安倍だ。
●侵略と戦争の歴史居直る
韓国ではこの間、日本による朝鮮の植民地化と侵略戦争の過程で徴用工として日帝資本のもとで強制労働を強いられた人々が損害賠償を求めて裁判闘争に立ち上がってきた。
昨年10月に韓国・大法院(最高裁)が日本製鉄(判決当時は新日鉄住金)に被害者への賠償を命じたのを皮切りに、現在三つの戦犯企業に賠償命令が下され、差し押さえられた韓国内の資産売却も迫っている。
しかし安倍政権はこの判決に対して、日本軍軍隊慰安婦問題についてと同様に「1965年の日韓条約―日韓請求権協定ですべて解決済み」というペテンを繰り返し、侵略と植民地支配の歴史を居直って誠意のかけらもない対応に終始してきた。そして、損害賠償に関する韓国側の提案を一蹴した上で、6月末のG20大阪サミットでも安倍はムンジェイン大統領との首脳会談を拒否。そしてG20サミットが閉会するや否や「韓国側が有効な対応策を示さなかった」と主張して規制強化に踏み切ったのだ。
●事実上の「敵国宣言」
今年5月、米帝トランプが打ち出した中国・華為技術(ファーウェイ)への経済制裁は米中対立と戦争情勢を激化させた。安倍による今回の制裁はこうした経済ブロック化の流れをいっそう加速させ、世界戦争の突破口を開くものだ。
規制対象3品目の韓国への輸出は今後、これまでとは全く異なり、個別に長期間の審査が必要になる上、日本政府は基本的に輸出を許可しない方針だという。事実上の禁輸だ。
加えて安倍は「安全保障上の理由」を挙げて、韓国を、輸出手続きの簡略化を認めていた「ホワイト国」(友好国)の対象から除外。韓国を事実上の敵国とみなすと宣言したに等しい。さらに経産省は対象品目の拡大も示唆している。
「禁輸」とは戦争の言葉であり、日帝が新たな朝鮮侵略戦争に踏み込んだことを意味する。北朝鮮のみならず韓国も対等な国家として認めず、体制転覆の対象とするということだ。
●日帝経済の危機深める
しかし一方で、これ自体が日帝経済を崩壊的危機に追い込む。サムスンをはじめとする韓国企業が製造する部品は圧倒的シェアを占め、その供給が断たれれば日帝の製造業は成り立たない。しかし、安倍はそれを百も承知の上で経済戦争に突っ込まざるを得ないほど追い詰められている。サミット直後の米朝会談をめぐり、完全にかやの外におかれたことも背景にある。
何より安倍は、今も継続する韓国労働者民衆の「ろうそく革命」、そしてこれと連帯し、改憲・戦争阻止へ立ち上がる日本の労働者民衆の闘いへの激しい恐怖に突き動かされ、これらの闘いを圧殺するためにこそ韓国の体制転覆へと絶望的に突き進んでいるのだ。
侵略と植民地支配の歴史を居直る安倍を日韓労働者の連帯した闘いで今こそ倒し、新たな朝鮮侵略戦争を絶対に阻止しよう。