福島の医師と考える原発と核 7・21東京反核集会に結集を

週刊『前進』04頁(3050号03面02)(2019/07/08)


福島の医師と考える原発と核
 7・21東京反核集会に結集を


 「被爆74周年 7・21東京反核集会」がNAZEN東京から呼びかけられています。講師は福島の渡辺瑞也(みずや)医師です。職場・地域で組織し集まろう。8・6広島―8・9長崎を闘い、9・22水戸の常磐線全線開通反対・東海第二原発再稼働反対集会・デモに突き進もう。(編集局)
■福島の健康被害を隠すな
 6月3日、福島の「県民健康調査」検討委員会甲状腺検査評価部会は、多発する小児甲状腺がんについて「被曝との関連はない」との報告を出した。しかし、根拠にしたデータは、すでに大きな誤りが指摘されている。本来「甲状腺疑いあり」は「1」、「疑いなし」は「0」と入力すべきところを「2〜4」を入力している。健康被害を隠すために捏造(ねつぞう)しているのだ。
 安倍政権は、健康被害を隠して甲状腺検査の縮小を狙い、被曝と帰還を強制してきた。とくに2017年末の「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」以降、避難・保養・医療をめぐって激しい攻防が続いてきた。
 文科省の「放射線副読本」の狙いも被曝と健康被害の抹殺にある。内部被曝による放射線量の測定で、「検査を受けた全員が健康に影響が及ぶ数値ではなかった」と書いている。その根拠として、ホールボディカウンターによる内部被曝の線量計測を挙げているが、ホールボディカウンターでは内部被曝線量を正確に測れない。
 職場・地域から「放射線副読本」配布反対・回収の運動を起こそう。配布を中止させた広島の教育労働者の闘いに続こう。
■常磐線全線開通を許すな
 安倍政権とJRは、常磐線の20年全線開通で富岡駅〜浪江駅の帰還困難区域に電車を走らせ、帰還を一層強制しようとしている。JR東日本本社は5月の動労水戸との団交で「必要な除染を行っており、敷地内は年間50㍉シーベルト以上となる認識はない」と居直った。一般人の年間追加被曝線量1㍉シーベルトの50倍までOKというのだ。JR職員も乗客・住民も被曝させられる。
 国家の強権と暴力で核惨事などなかったかのような虚構を作り、オリンピックともからめて改憲に向けてフクシマを圧殺しようというのだ。動労水戸の被曝労働拒否の奮闘に応えよう。
■被曝からいのちを守れ
 被曝と健康被害をめぐる攻防には人民の命がかかっている。原発再稼働と改憲・戦争―核戦争で核惨事がくり返されようとしている。フクシマをくり返すな、被曝から命守れ、再稼働も核戦争も止めよう!
 日本共産党は今や、アリバイ的な再稼働反対からも逃げている。福島での被曝と健康被害という事実を完全否定し、政府と一緒になって避難や保養を中傷している。〈フクシマと共に〉という原点を抜きに、再稼働反対闘争もできない。
 核戦争を許さないという場合も、フクシマの核惨事を繰り返さないという立場を鮮明にさせよう。ヒロシマ・ナガサキで隠されてきた内部被曝の問題をフクシマでこそ暴かなければならない。日本共産党の「原子力の平和利用」論は核の問題を核爆弾による殺戮(さつりく)だけに歪めており、核と原発を一体で批判する思想と実践が求められている。全国の力で8月広島・長崎闘争を闘おう。
■止めよう東海第二再稼働
 経団連は4月8日に、原発の再稼働、新増設、60年超への運転延長などを提言した。原子力規制委は、原発設備の検査制度を改悪して企業の「自主的」な安全確認に丸投げし、「不具合」への対処もやめ「不具合の影響を評価する」だけにしようとしている。さらに東京電力は「特定技能」の外国人労働者を福島第一原発などに就労させ、被曝労働と下請け搾取の歯止めを外すことを狙っている。
 東海第二原発再稼働の問題点は浮き彫りになりつつある。東海第二と再処理施設との複合事故の危険、避難の困難さと首都圏総被曝の恐れ、核武装のための東海村核施設とプルトニウムの護持、東電からの資金援助に依存した原電の安全対策費調達などである。
 原電は5月16日の住民説明会で、「福島第一原発事故以降、放射線による健康被害は確認されていない。『甲状腺』については原発事故によるものとの評価ではない」と言い放った。原発事故で被曝と健康被害がないのなら、避難も必要ないとなるではないか。
 何よりも茨城と東京を先頭に労働組合が立ち上がることが、東海第二再稼働を止める道である。動労水戸と共に労働組合の決起をかちとろう。9・22水戸集会・デモに決起しよう。
(沢田真言)

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被爆74周年 7・21東京反核集会
福島の医師と考える原発と核
 お話 渡辺瑞也医師(福島県南相馬・小高赤坂病院院長)
 7月21日(日)午後2時開始
 セシオン杉並・視聴覚室(東京都杉並区梅里1―22―32)
 主催 NAZEN東京

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