団結ひろば 投稿コーナー
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大村で収容中の外国人死亡
東京入管収容所を考える会 鎌田由子
6月25日、大村入国管理センター(長崎県大村市)に収容されていた40代のナイジェリア人男性が24日午後に亡くなったという衝撃的なニュースが流れた。
男性が倒れているのを見つけた「職員が消防に通報して救急車を呼ぶとともに、心臓マッサージをするなどしましたが、男性は、およそ1時間後に搬送先の病院で死亡が確認され」たというのだ。発見時には死んでいたのではないか!
この24日午後、東京では東京入管から仮放免となったクルド人男性Mさんの記者会見が行われていた。
Mさんは東京入管に収容中だった3月11日に体調不良となり、職員に診察を要求するが、ビデオカメラのある単独室に移され「容体観察」に。翌日面会した妻も重ねて診察を要求したが、午後も診察はなし。Mさんから電話を受けた家族と支援者が夜を徹し入管前で抗議し、救急車を2度呼ぶが、入管が追い返してしまった。
その夜、Mさんは激痛としびれで意識がもうろうとする中、インターホンで「痛い、死にそうだ。助けて」と訴えた。しかし、インターホンからは「カメラで見ている。まだ生きているじゃないか」との職員の声! Mさんが外部の病院に行ったのは翌13日。Mさんは動けず車イスだったが、その動けないMさんには手錠がかけられた。
カメラで監視し「まだ生きているじゃないか」とは! これが人間に対する扱いだろうか。
東日本入管センター(牛久入管)では14年3月、カメルーン人男性が「死にそうだ」と叫んで苦しんだ末に亡くなるという事件が起きた。収容が6カ月を超え2年、3年、5年など期限のない収容に絶望しての自殺・自殺未遂が後を絶たない。
これらは国家による殺人そのものだ。入管収容施設で何が起きているのか、ぜひ関心を寄せてほしい。
強制連行の歴史記憶する地
東京 佐々木舜
私が幼少期を過ごした北海道の町には、朱鞠内(しゅまりない)湖というとても美しい大きな湖があります。湖畔には白樺(しらかば)が茂り、冬には多くの人々がワカサギを釣りに訪れるこの湖が、水力発電のために造られた人造湖であることを知ったのは小学生のころでした。そして、父が魚釣りに行く沢に昔「タコ部屋」があったこと、「タコ」と呼ばれ死ぬまで働かせられていたのが労働者たちであったことも。
朱鞠内では15年戦争のさなか、多くの強制連行された朝鮮人労働者と日本人労働者が鉄道とダムの建設工事に従事させられました。冬には積雪が2、3㍍にもなり、気温はマイナス40度を下回ることもある過酷な環境下で約200人の労働者が命を落としたとされ、今も多くの遺骨が地中に埋まっています。「深夜に外を歩いていたら、誰もいない地下のトンネルの方からつるはしの音が聞こえた」という話は、単なる怪談にはない重みとリアリティをもって響いてきます。
その後、近くのお寺の本堂が犠牲者を追悼する展示館となり、日本と朝鮮半島、在日の青年たちがワークショップを開いて遺骨の発掘と遺族への返還を行っているそうです。
戦争は今も日常のすぐ近くに、権力者が言うようなきれいごとなど許さない生々しい姿で埋もれています。身近な土地が記憶する痛苦の歴史は、私の大切な原点のひとつです。
明快なアキヒト批判に感銘
東北 立川勇人
先日、映画館で軍隊慰安婦問題を扱った映画「主戦場」を見てきた。歴史修正主義者たちの放言を聞いて、このような人たちが今日もハルモニの尊厳を傷つけていることに暗澹(あんたん)たる思いがした。登場した歴史修正主義者たちは、映画上映中止を求めて裁判を行うという。本当に恥知らずな連中である。
映画の中で、彼らと闘う人たちのひとりとして、「女たちの戦争と平和資料館」事務局長・渡辺美奈さんが登場した。
私は、アキヒト退位の日にこの会のアピール「天皇制に終止符を」をたまたまホームページで目にした。
アピールは、「国事行為にはない『慰霊の旅』を続けながら、『昭和天皇は平和を愛していた』と繰り返し、『象徴天皇の務めが途切れることなく、安定的に続いていくこと』を目的に退位を表明した明仁を、安倍政権よりはマシであると評価することはできません」と、アキヒトを明確に批判した。本当に心強く思えた。
アキヒトの「お気持ち」表明(2016年)や先日の代替わりの中で、自分が紛れもない君主国に生きていることを思い知らされた。ヒロヒトからの代替わりで天皇制批判の急先鋒(きゅうせんぽう)だった人々がアキヒトの「平和主義的言葉」を称揚することが私の周りでは目につく。天皇制がリベラルの装いで接近してくると、こともあろうに天皇制が中立・公正な立場から現政権を叱責(しっせき)することを期待しているようだ。このようなアキヒトへの「期待」は非常に危ういと思う。
君主制と民主主義とを和解させるのではなく、君主のいない=天皇制のない社会を私は求めていきたい。