弁護団が証拠保全申し立て 星野さんのがん放置の責任追及
週刊『前進』04頁(3048号04面01)(2019/07/01)
弁護団が証拠保全申し立て
星野さんのがん放置の責任追及
6月21日、星野文昭さんの妻・星野暁子さんと再審弁護団は、星野文昭さんを獄死に追いやった国家権力を徹底的に弾劾し、その責任を追及するため、東京地方裁判所立川支部に証拠保全を申し立てた。
星野さんを獄死させたのは徳島刑務所であり、東日本成人矯正医療センターであり、四国地方更生保護委員会だ。徳島刑務所は、星野さんが体調を崩しても、まともな治療も検査も行わなかった。それどころか、酷暑・厳寒の非人間的環境を強制し、食べられない芯のあるごはんを出し、苛酷(かこく)な労働を強制した。そうした中で結局、星野さんの肝臓がんは巨大になったのだ。
また、3月のエコー検査で肝臓がんが判明していながら、徳島刑務所はそのことを隠した。その時、四国地方更生保護委員会で星野さんの仮釈放審理が行われていた。
家族と弁護団、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議は、「星野さんは健康を害している。徹底的に健康状態を調査しろ」「星野さんの命を守るために、仮釈放しろ」と徹底的に迫り、四国地方更生保護委員会は追い詰められていた。徳島刑務所は、星野さんの仮釈放を許可させないために、巨大ながんを隠蔽(いんぺい)し続けたのだ。この徳島刑務所の殺人的行為の全てを断じて許さない。
その後の4月18日、星野さんは東日本成人矯正医療センターに移監された。家族、弁護団、支援の医師たちは星野さんの命を救うため、万全の体制で治療にあたるように、医療センターに対して徹底的に要請した。三多摩・星野文昭さんを救う会は昭島絵画展や駅での宣伝活動を行い、星野さんの命を守れと訴えた。
しかし星野さんは、手術の翌朝には重体に陥ってしまったのだ。医療センターは、極めて難しく重大な手術を行うための万全の体制をとったのか。手術後の状態を常時見続け、手厚い看護体制をとったのか。星野さんを死に至らしめた責任は、間違いなく医療センターにある。
弁護団は、徳島刑務所での全ての医療データ、カルテも画像写真も診療記録も、投薬状況、検査結果等々をも証拠として差し押さえることを求めている。さらに医療センターでの手術記録、看護記録、検査所見、病棟日誌、検査結果などの全てのデータの差し押さえを求めている。
沖縄闘争を闘い無実なのに獄中44年、国家権力の弾圧と不屈に闘い続け、労働者民衆の勝利を示し続けた星野さんを獄死に至らしめた国家権力を絶対に許さない。
暁子さんを先頭に私たちは証拠保全を申し立て、国家権力の責任を追及する大反撃に打って出た。東京地裁立川支部は星野さんに関する医療データが破棄・改ざんされることがないように、直ちに全ての証拠を保全するよう決定を出せ。
戦争・改憲への湧き上がる労働者民衆の怒りと一体となり、7・5法務省包囲デモに総決起し、国家権力を揺るがす大反撃に打って出よう。