大阪 G20で厳戒態勢 交通規制、全学校が休校に
週刊『前進』04頁(3048号03面04)(2019/07/01)
大阪 G20で厳戒態勢
交通規制、全学校が休校に
安倍政権は大阪市で6月28、29日に開催された主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の成功のためと称して、3万2千人という史上空前の規模の警察権力を全国から大阪に動員し、住民生活を徹底的に踏みにじる戒厳令的な治安弾圧態勢を敷いた。
住民生活を破壊
いったい、何が行われたのか。会場となる人工島の咲洲(さきしま)には2万7千人の住民が暮らす。そこに約3万人の各国の政府代表団、警備関係者らが乗り込んだ。島は、首脳らの入国が始まる27日から4日間にわたる交通規制、検問、警備のため事実上、外と分断された。島を縦断する阪神高速は早朝から深夜まで通行止めとなり、島に出入りできる海底トンネルも全車両が検問にかかり、深刻な大渋滞となった。「期間中は必ず職務質問をされると思ってほしい」。咲洲の住民向けに開かれた説明会で、大阪府警はこのように述べた。現に、住民は外を出歩けば必ず職務質問され、荷物検査を受けさせられた。
普通に生きることすらままならない状況となった。島外から来るヘルパーを必要とするお年寄りや重度の障害者は困難を強いられた。島にある大阪メトロ南港ポートタウン線中ふ頭駅は27〜29日、利用禁止にされた。通学・通勤で駅を利用する学生や労働者は、隣駅まで歩くしかない。医療機関も一部臨時休診となり、医療も受けられない。島外から生鮮食料品を仕入れるスーパーなどは仕入れもできない。労働者住民の生活はどこまで踏みにじっても構わないというのか。
生活破壊は大阪全域に及んだ。阪神高速は環状線など10路線で早朝から深夜まで全面通行止めとなり、一般道も首脳らが宿泊するホテル周辺などで頻繁に通行止めになった。吉村洋文大阪府知事・松井一郎大阪市長のもとで、全府立高校と支援学校の約200校は27、28日の平日2日間休校、市立の幼稚園、小中高校も全て休園、休校となった。子どもがいる家庭に重大な影響が及んだ。さらに大阪市は資源ごみなどの収集を3日間休止した。
関生弾圧許すな
これほどの厳戒態勢が敷かれたのはなぜか。G20サミット自体が、全世界の労働者人民を搾取と戦争で苦しめ、資本主義体制の延命を図るために行われた極悪の強盗会議だからである。世界中で決起する労働者階級人民の闘いを憎悪し、米帝のイラン侵略戦争を始めとした資本のための戦争、民営化による労働組合圧殺で労働者の現在も未来も奪おうとする連中が集まったからだ。安倍はこの不正義な会議に労働者人民の怒りが巻き起こることを恐れ、徹底的な治安弾圧体制を敷く以外になくなった。その最も鋭い攻撃が、労働組合の存在を抹殺することを狙った国家権力による治安弾圧攻撃である。全日建運輸連帯労働組合関西地区生コン支部に対する6月18、19日の滋賀県警、京都府警の新たな大弾圧は全労働者階級への攻撃だ。共に反撃に立とう。
G20サミットを振りかざした攻撃は、2020年東京オリンピック、さらに今夏参院選から一気に進もうとしている安倍政権の改憲・戦争攻撃と完全に一体のものだ。人びとが生きることをとことん踏みにじって行われたG20サミット弾劾の6・28デモに続き、労働組合の決起で今こそ安倍政権を打倒しよう。