広島市は怒りの声封じるな 拡声器規制条例を阻んだ

週刊『前進』04頁(3048号03面02)(2019/07/01)


広島市は怒りの声封じるな
 拡声器規制条例を阻んだ

(写真 4月3日に広島市役所前で条例制定に反対して座り込み)

(写真 条例に反対するリーフレット )


 広島市は、8月6日の平和祈念式典に参加している安倍首相への抗議の声を封殺するため、「8月6日式典周辺での拡声器使用を規制する条例」をつくろうとしています。私たちはこれに強く反対してきました。
 5月24日、松井一實・広島市長は記者会見で「今年の式典までの条例制定は困難」と表明しました。条例をつくって8月6日広島の反戦反核デモをつぶそうという狙いは、ひとまず頓挫しました!
 昨年9月の市議会で突如この問題が焦点化して以降、私たちはこれを反戦運動への重大な攻撃ととらえ、被爆者・2世・3世を先頭に反対行動に立ち続けてきました。広島・長崎の祈念式典でも、沖縄・慰霊の日の式典でも、参加者から安倍首相に怒りの声が上がり続けています。
 それを産経新聞などは「式典を政治利用する勢力がいる」「祈りの日にふさわしくない」とあおり、行政的につぶそうとしています。ヒロシマ・ナガサキ・オキナワ・フクシマといった反戦反核運動の拠点つぶしが、改憲に向かって始まっているということです。
 私たちは「改憲をして戦争ができる国にしようとする安倍首相に被爆地から抗議するのは当然。デモは首相に声を届ける正当な行為だ」(8・6ヒロシマ大行動実行委員会共同代表・大江照己さん、動労西日本委員長)と真っ向から訴えてきました。その訴えは、マスコミ労働者や市民の心を打ち、街宣や市役所への申し入れ行動が繰り返し報じられました。七つある広島の被爆者団体もほとんどが「反対」を表明しました。全国紙でも取り上げられ、いつの間にか、いち地域ではなく全国的な関心事になりました。こうした社会的注目が、拙速な条例制定を阻んだのだと思います。大勝利です!
 しかし松井市長は、「被爆75周年にあたる来年の式典では、条例の制定も視野に入れつつ、実効性のある方策を検討したい」(6月19日市議会にて)と言っており、弾圧をあきらめていません。条例による規制が2020年新憲法施行・オリンピックに向けた攻撃であることがますますはっきりしてきました。
 広島市は条例制定のために「拡声器がうるさいかどうか」といった超誘導的なアンケートを実施しましたが、今年の8・6でもまたなんらかのアンケートを実施すると言っています。8月6日当日が大きな勝負どころです。広島中そして全国―全世界から集まり、改憲・戦争阻止―安倍打倒の声を大きく響かせましょう!
(広島 K)

このエントリーをはてなブックマークに追加