知る・考える 用語解説 日本の難民政策-収容と追放で難民を踏みにじる
週刊『前進』02頁(3047号02面03)(2019/06/27)
知る・考える 用語解説
日本の難民政策-収容と追放で難民を踏みにじる
難民とは、人種、宗教、国籍、特定の社会的集団への帰属や政治的意見を理由に自国を離れざるを得ない人々をさす。2度の世界大戦をはじめ絶えざる戦争や内戦、弾圧により膨大な人数の難民が生み出され続け、現在、全世界で第2次世界大戦後最多の約7千万人に上るとされる。その元凶は帝国主義であり、難民問題は帝国主義打倒の世界革命によってのみ解決できる。
国際連合は1951年に「難民の地位に関する条約」を採択し、難民問題の解決を各国に促した。これを受けて日本政府は1981年に同条約を批准。82年には「出入国管理・難民認定法」を施行した。しかしこの法律は難民を保護し受け入れるためのものではなく、むしろ法務省と入管のもとで治安管理の対象とし、日本から追放するためのものだ。
安倍政権は昨年1万人も空港などで上陸拒否するなど、難民を犯罪者扱いしている。難民認定率は0.4%で、事実上受け入れゼロに等しい。
申請を却下された難民は東日本入国管理センター(牛久入管)をはじめとする収容施設への長期収容を強制され、出身国への退去を求められる。「仮放免者」として出所できたとしても就労など生きるすべを奪われ、いつ再収容されるかわからないきわめて不安定な立場におかれる。
しかし労働者階級は、民族・国籍・国境を打ち破って団結できる存在だ。難民を支え団結し、日本労働者階級自身の闘いとして入管体制を打ち破る闘いが不可欠だ。