香港 歴史動かす200万人デモ 労働組合はストで決起
週刊『前進』02頁(3047号01面04)(2019/06/27)
香港
歴史動かす200万人デモ
労働組合はストで決起
(写真 「出稼ぎ労働者は中国送還に反対する」と大書した横断幕を掲げるデモ隊【6月17日 香港】)
香港で、刑事事件の容疑者を中国本土に引き渡すことを可能にする「逃亡犯条例」の改定案に対して、撤回を求める巨大な実力闘争が巻き起こった。
6月16日には人口約750万人のうち200万人超がデモに立ち、1997年に中国に主権が返還されて以降最大規模の行動となった。先頭には、授業をボイコットして闘う学生をはじめ青年が立っている。労働者・学生は催涙弾などによる権力の激しい弾圧にも屈せず、幹線道路を占拠して実力で闘い続けた。
これは、中国スターリン主義に対する根底的な怒りの爆発だ。「言いたいことも言えなくなる」「二度とデモすらできなくなるかもしれない」——こうした強烈な危機感が人々を突き動かし、初めてデモに参加する人も多くいた。
これまでも、本土のみならず香港での活動家らの拘束が相次ぎ、習近平政権に批判的な書籍を扱っていた書店の店長が中国当局に拘束される事件が起こっていた。条例改定によって中国送還が明文化されれば、香港の労働者民衆も完全に中国本土と同じ政治状況に置かれることになる。それが意味するのは、中国の現体制に反対する民主活動家・労働運動活動家をはじめとする政治犯が中国本土に送還されるということだ。
歴史的決起に追い詰められた林鄭月娥(りんていげつが)・行政長官はとうとう21日、「改正作業は完全に停止した」と述べたが、完全撤回を求めて闘いは継続されている。
闘いを根底で支えているのが労働組合の決起だ。「香港職工会連盟」は6月17日の全香港ストライキ(労働者のスト、商店の同盟休業、学生の授業ボイコット)を呼びかけ、「香港社会全体の未来のために、ストで集会に参加しよう」「行動を広げ、職場や同業の仲間とともに参加しよう」と訴えた。さらに、「スト参加を理由に不当な扱いや差別を受けたら労組に援助を求めてほしい。労働者が団結して立ち上がりさえすれば、不合理な権利侵害行為に制裁を加えることができる」とし、最後に未組織労働者に向けて「できる限り早く労組に加入しよう」「自らの労組を立ち上げよう」と結んでいる。
6月17日当日に行われた集会では、「ストで中国送還に反対する」という黒い横断幕が掲げられ、労働者が次々と発言に立った。参加者は集会後に、「条例完全撤回」「学生・負傷者を釈放しろ」「林鄭は辞任しろ」と叫んでデモに出た。
香港職工会連盟は、2014年にペテン的な「普通選挙」導入に反対して闘われた「雨傘革命」の際にも全香港ストに立ち、学生・市民とともに闘った。今回の闘いは必ずや、全土で新たな決起を開始している本土の労働者階級の闘いと結びつき、スターリン主義を打倒する力を生み出すものとなる。連帯して闘おう。