革共同教育労働者委員会の訴え 100人声明に応え8・5―6広島へ 「働き方改革」粉砕し改憲阻止を

週刊『前進』04頁(3046号02面04)(2019/06/24)


革共同教育労働者委員会の訴え
 100人声明に応え8・5―6広島へ
 「働き方改革」粉砕し改憲阻止を

(写真 今年2月に開かれた広島教職員100人声明集会【広島市】)

 教育労働者が社会の根底的変革の闘いに立ち上がる時が来た。新自由主義「教育改革」は、学校と教育を破壊し、子どもたちの未来と教育労働者の生活・命を奪っている。学校現場では「もう我慢ならない!」と怒りが噴出し、教育労働運動の大流動情勢を迎えている。今こそ人生をかけて立ち上がろう!
 米中貿易戦争が世界戦争へと現実化し始める中で、安倍が「覚悟を決めて2020年に新憲法を施行する」と宣言した。これに真っ向から立ち向かう「改憲・戦争阻止!教え子を再び戦場に送らない!広島教職員100人声明」運動が始まった。「100人声明」が呼びかける8・5全国教職員ヒロシマ集会―8・6ヒロシマ大行動から11月労働者集会へ闘おう!

新自由主義が学校も教育も破壊した

 学校現場は、中曽根政権の「臨時教育審議会(臨教審)」攻撃(1984〜87年)以来の歴史的転換点に直面している。
 新自由主義「教育改革」の先駆けであった臨教審攻撃は、国鉄分割・民営化と一体でかけられた日教組解体攻撃であった。その内容は、民営化の呼び水である「教育の多様化」と、戦争教育のための「徳育教育」であったが、それは職場闘争で打ち破られてきた。
 しかし、日教組本部が文部省(現文部科学省)との「パートナー路線」(95年)に転落する中で、新自由主義「教育改革」は戦後教育と学校を根本から変質させた。教育基本法改悪(2006年)を強行した安倍は今日、改憲・戦争への突進と一体で「世界に伍していくべき学力の低下などが危惧される中、教育の再生は我が国の最重要課題」として、資本の利益と国家体制の転換を前面に掲げ、戦後教育と日教組の一掃へと踏み出している。
 だがそのすべてが矛盾と限界に達している。「国際競争に勝ち抜く人材育成」のための、学校選択制、小中一貫校、全国学力テストなどは、子どもたちを選別・分断し、一人一人の成長を育む教育を奪い、家庭崩壊とも相まって貧困、いじめ、不登校、自死、虐待などの現実を生み出している。また、学校統廃合は、地域社会を崩壊させている。さらに、教育費国庫負担の削減と規制緩和は、学校の民営化と非正規職化を促進させてきた。青年教育労働者は、雇用不安や過労死レベルの長時間労働、評価制度によるパワハラで生きるのも困難な現状だ。

是正指導から20年よみがえった団結

 こんな学校現場に青年が夢も情熱も抱けるはずもない。東京都の昨年度の教員採用選考受験倍率は小学校でたったの1・8倍だ。
 しかし労働者が労働者である限り、奪われたものを奪い返す反撃が始まる。広島の「100人声明」運動は、「日の丸・君が代」を強制する文部省による「是正指導」(98年)で組合運動の息の根も絶やされようとしていた20年間の閉塞(へいそく)を見事に打ち破った。職場や地域に団結があれば、労働者はどんな困難にも負けない。
 「100人声明」は全国の学校現場で衝撃と感動をもって受け止められている。地域の労働者・住民にも勇気を与えている。この声明への賛同を「改憲・戦争阻止!大行進運動」と一体で全国の学校現場に広げよう。何よりも「教え子を再び戦場に送らない」と闘ってきた無数の教育労働者一人一人と向き合い、結びつくことが大事だ。これは「ランク&ファイル(現場組合員)」運動で教組を再生させる闘いでもある。
 神奈川でも「大行進運動」の先陣に教育労働者が立っている。日教組奈良市の非正規職教員の解雇撤回の実力闘争、大阪での「学力テストで教員評価」に反対するデモなど、団結をよみがえらせる闘いが各地で始まっている。全国に改憲阻止の教育労働運動の旗を打ち立てよう。

「労組なき学校」に現場から反撃を!

 そのためにも、教育労働者を縛り付けている「多忙化」攻撃を職場の団結で打ち砕くことが必要だ。最大の攻防は、学校版「働き方改革」攻撃=中央教育審議会答申「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について」(以下、答申)との闘いである。これは「労組なき学校」をつくるための改憲攻撃だ。
 中学校教員の約6割、小学校教員の約3割が残業月80時間を超える「過労死ライン」で働かされている。その上、新学習指導要領で道徳の教科化、ICT(情報通信技術)教育、小学校での英語教育など、戦争教育と財界のための教育が導入された。だが答申は「長時間勤務の是正」をうたいながら、それを逆テコにして「より短い在校時間でその成果を上げた教師に高い評価を」と、教育労働者を分断し「生産性向上」運動に駆り立てている。
 特に、「一年単位の変形労働時間制」の導入は許せない。「一定期間の」制限のない超勤は過労死に追いやる。またこれは、労働時間の概念を変質させ、労基法と「8時間労働制」を解体する。現在、地方公務員には適用除外だが、「法制度上措置すべき」として、公務員全体に拡大しようとしていることは超重大だ。
 さらに答申の「業務の役割分担による負担軽減」なるものは、教育業務をバラバラにして、それを外部人材や企業に委託するという学校の民営化と非正規職化の促進である。団結と教組を解体する攻撃だ。都知事・小池が人材派遣バンクとして7月設立をたくらむ「一般財団法人 東京学校支援機構」もその一環だ。
 教育と学校、教育労働がここまでおとしめられた現場に怒りは渦巻いている。青年が闘いを求めている。新採教員が業績評価による解雇は不当だと裁判に立ち上がっている。働き続けるためにパワハラの労働相談から次々と組合に加入している。一人の仲間も見捨てない職場の団結、闘う組合が切実に求められている。
 教育労働者の持つ戦闘性を信頼し、全体を獲得する階級的普遍的闘いをつくり出そう。国鉄決戦を闘い、「大行進運動」を職場闘争と結びつけ、11月労働者集会の大結集をかちとろう!
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