知る・考える 用語解説 JR東日本「変革2027」-鉄道の安全を破壊する経営計画
週刊『前進』02頁(3043号02面04)(2019/06/13)
知る・考える 用語解説
JR東日本「変革2027」-鉄道の安全を破壊する経営計画
2018年7月3日、JR東日本は「グループ経営ビジョン『変革2027』」と題する経営計画を打ち出した。鉄道会社であるJR東日本が、鉄道そのものを投げ出した内容となっている。
1ページ目で「『鉄道を起点としたサービスの提供』から『ヒトを起点とした価値・サービスの創造』に転換」する、とある。「生活サービス事業及びIT・Suica事業に経営資源を重点的に振り向け」とし、もうからないローカル線をはじめ鉄道業務は切り捨てるものとなっている。
さらに、鉄道に関する技術・知見は外部にあることを前提にし、JR東日本グループという言い方を徹底して、鉄道業務を数百の会社にバラバラに外注化し、労働者の出向・転籍を狙っている。
また、「変革2027」には経営計画として「自動運転の実用化」が初めて記載された。
この間、JR東日本は矢継ぎ早に攻撃をかけてきている。国鉄分割・民営化に協力した御用労組・JR東労組の解体に始まり、乗務員勤務制度改悪と3月ダイヤ改定、運転士と車掌を廃止する新たなジョブローテーションの提案も、「変革2027」を土台にして打ち出されている。
最大の狙いは、労働者の団結を破壊し、安倍政権の狙う「労働組合のない社会」をつくることだ。しかし、鉄道の安全を崩壊させるJR東日本の施策の強行に対し、現場労働者には怒りと不安が渦巻いている。労働者の闘いだけが安全を守ることができる。