共謀罪の先取り許さない 関西生コン支部弾圧粉砕へ学習会
共謀罪の先取り許さない
関西生コン支部弾圧粉砕へ学習会
「関西生コン支部への弾圧許すな!6・5学習会」が6月5日、東京・港勤労福祉会館で行われた。「現代の治安維持法と闘う会」が主催し、労働者、学生、弁護士が集まった。
始めに、5月30日に逝去した無実の星野文昭さんに黙禱(もくとう)を捧げた。司会は西村正治弁護士が務めた。
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部は、生コン産業の産業別労働組合としてセメント大資本やゼネコンによる労働者、中小企業の搾取・収奪に団結を武器に立ち向かっている。この関生労働運動の壊滅を狙った安倍政権・国家権力の総力を挙げた大弾圧は「労働組合のない社会」をつくり、改憲・戦争に向かう最先端の攻撃だ。
昨年7月に滋賀から始まった弾圧で組合員の逮捕者はのべ58人、捜索箇所は百数十に上る。逮捕された組合員には家族への脅しや切り崩し、露骨な組合脱退強要が行われた。まさに国家による不当労働行為だ。組合役員には再逮捕、勾留が繰り返され接見禁止が続いている。組合つぶしのために巨額の保釈金が請求される。しかし、現場組合員を先頭に関生支部は怒りを爆発させ、警察署抗議行動、裁判傍聴闘争などを不屈に闘い、広範な反撃の陣形をつくり出している。
違法性ない行為を「共謀」で立件
学習会では関西生コン弾圧弁護団の中井雅人弁護士が「労働組合つぶしを許すな~関西生コン支部弾圧の現場から」と題して講演した。中井弁護士は、滋賀県警組織犯罪対策課が前面に出てきた湖東生コン協組事件、大津生コン協組事件について、「本来は何の違法性もないコンプライアンス活動(建設現場の法令順守や労働安全衛生をチェックする活動)やビラまきを『恐喝目的の共謀』『威力業務妨害目的の共謀』などと『目的の共謀』でつなげて立件している」と明らかにした。そして「共謀」を立証するためとして、組合員間のコミュニケーションの全てを国家権力が収集する捜査手法が特徴であると述べた。
また、大阪では17年12月に関生支部が行ったストライキでセメント運搬車・生コンミキサー車の前に立ちはだかったことを「威力業務妨害」としており、「これまでは刑事弾圧にならなかったことが弾圧されている」と指摘した。
そして弾圧の目的は「中小企業の協同組合運動への弾圧」「大阪サミットを前にした先行弾圧」「関生支部の産業別労働運動への弾圧」とした上で、「共謀罪の先取り」「一切の社会運動の圧殺につながる弾圧だ」と強調した。
弾圧はね返して学生運動も前進
講演を受け活発な質疑応答が行われ、関生支部への支援カンパが集められた。
続いて山本志都弁護士が「組合に対する『民事弾圧』~民事執行法改悪など」と題して報告した。山本弁護士は「労働基本権の肝である民事免責・刑事免責が原則でなくなっている」「裁判所が労働組合を反社会的勢力扱いしている状況のもとでの民事執行法改悪は組合への損害賠償請求などの取り立て強化をもたらす」と問題提起した。
全学連の高原恭平委員長が、昨年以来、京都大、東洋大、広島大で学生運動つぶしの弾圧が続いているが、「弾圧に負けず粘り強く運動を継続している」とアピールし、全学連国賠への意気込みを示した。
森川文人弁護士が「国家による星野さんの虐殺は最たる弾圧だ」「『共謀』は労働者にとっての団結。関西生コン支部への弾圧、学生運動への弾圧は、労働運動・学生運動に可能性と展望があることを逆に示している。それをますます暴露して闘っていこう」とまとめた。