団結ひろば 投稿コーナー

発行日:

週刊『前進』04頁(3042号04面05)(2019/06/10)


団結ひろば 投稿コーナー

一番改善されるべきは賃金
 内川康一

 昨年秋から今話題のZOZOで働いています。業務内容は非常に楽なのですが、時給が安くて週5日働いても月の手取りが12万円程度にしかなりません。
 そんな状態なので、繁忙期にアルバイトの人員を増やそうとしてもなかなか人が集まりません。友達紹介キャンペーン(アルバイトを紹介した人とされた人が5万円ずつもらえる)なんてのをやってみたりしても人が来ず、結局派遣で埋めることになっています。
 入れ替わりが激しく、会社としては経験の浅い派遣社員で埋めるより経験のある自社スタッフでやりたいというのが本音のようです。実際入ってもすぐにやめる人が多く、新しい人が入って教育してようやく慣れた頃にやめて、また新人を少し入れて......の繰り返しでした。これでは派遣と大差ありませんし、なにより人が育ちません。
 給料が安いから、より条件が良いところがあれば当然やめるでしょう。かくいう自分もやめようかなと考えていた矢先、「ZOZOが時給を3割アップ」という情報がもたらされました。
 以前から社内アンケートを活発に行っていて、「どうすれば長く勤めたいと思うか?」「時給どれくらいほしい?」という質問があったので、正直に「時給アップと1300〜1500円くらいほしい」と伝えました。どうせ上がらないだろうと軽い気持ちで言ったのですが、1カ月くらいして本当に上がり、さらに、新人が信じられないくらい入りました。
 結局一番改善されないといけないところは賃金だということを改めて認識させられました。

池田裁判と戦争反対は一つ
 東京 高村宏信

 5月22日、労働者兵士行動委員会会報「ライズ」読者の一員として、名古屋地裁で行われた池田自衛隊国家賠償裁判を傍聴した。傍聴席が満杯になる中で、原告の池田頼将元3等空曹本人の主尋問が行われた。私はかつてない衝撃を受けながら傍聴した。
 池田さんはイラク派兵時、人間として(労働者として)言語に絶する扱いを受けた体験を証言した。
 相手側証人の元同僚が、「池田さんは(首、肩、あごが痛み食事もままならないのに)『大丈夫』と言った。元気そうでした」と、あまりにもでたらめな証言をしたとき、池田さんが法廷で「疲れたので横にならせてほしい」と申し出た。これには息が詰まった。
 池田さんは、2006年7月に派兵先のクウェートで公務中、米軍の大型バスにはねられて重傷を負い、公務災害が適用されず、交代も許されず、任期満了で同年8月に帰国後ようやく公務災害の認定を受けるも、適切な治療は受けられず、パワハラ退職強要で11年に退職。名古屋地裁に国賠を求めて提訴した。
 この日の裁判で池田さんは、帰国後、小牧市民病院で脳外科、整形外科、口腔外科、精神科の診療を受け、うつ病も発症、「うつ病はたいしたことない」と断定され、他の症状固定で公務災害療法給付の打ち切りを受け、一人だけ草むしりの仕事を強制されたことを証言した。私自身うつ病の治療・療養の体験を持つ者として、とても許せない気持ちと共に、池田さんの証言の勇気とふんばりに心から感動した。
 労働者が生きられない。同じことが自衛隊の中でも起こっている。戦争に駆り立てていく、そういう社会に変えてしまうための改憲攻撃。池田自衛隊裁判と戦争絶対反対は一つ。池田自衛隊裁判は、戦争を拒否する全労働者と兵士の共通の闘い!と強く感じた。

神話に基づく天皇制打倒を
 北海道 雪村麻琴

 4月末から5月1日の報道は改元と新天皇即位一色だった。特にNHKは皇室報道に終始し、街行く人々の声は新元号と「天皇」礼賛ばかり。「天皇なんかに興味は無い」などと言ったら放映されないのだろう。世論操作・世論誘導はこうやって進むと実感する。
 天皇は憲法に明記されているのだから問題はない、反対しにくいという意見があるが、戦前までの天皇と現憲法で規定された象徴天皇とは根本的に異なる。元首とされた天皇制は廃止され、象徴天皇制になった。同じ人間が象徴天皇となり元号も継承されたため、天皇制が根本から変わったという認識が消され、伝統とか日本古来の、などという論法がまかり通っている。
 「象徴天皇は全く新たな制度と地位」との認識があれば、代替わり行事に宗教行事など入り込む余地がないはずだ。ところがそれが国家行事、あるいは「公的性格がある」と労働者が納めた税金で行われている。
 1990年の大嘗祭(だいじょうさい)では宮廷費約22億円が使われた。日帝・安倍は儀式に宗教的性格があると認めつつ、「極めて重要な伝統的皇位継承儀式で公的性格がある」として宮廷費を支出することを決めた。大嘗宮の儀(11月14〜15日)のために皇居に大嘗宮が新設され、儀式後に解体撤去される。九州大の横田耕一名誉教授は「大嘗祭は宗教儀式。公金を使うことは政教分離を定めた憲法に照らし許されない」と指摘している。
 だいたいなぜ誰も見たことがない三種の神器なるものを受け取ることが即位の証明になるのか。まさに神話の世界だ。天皇制は打倒しかない。日本共産党のナルヒト即位、祝意のコメントには正直驚いた。共産党のここ数年の右ウイングで疑問を抱く党員が増えていると思う。彼らを革共同に獲得しなければならない。

このエントリーをはてなブックマークに追加