拡声器規制条例を粉砕 8・6ヒロシマは改憲・戦争阻む

週刊『前進』04頁(3042号03面01)(2019/06/10)


拡声器規制条例を粉砕
 8・6ヒロシマは改憲・戦争阻む

(写真 申し入れ行動に先立って昼休みの市役所前で座り込み。被爆者青年同盟の壹貫田康博さんがマイクで訴えた【5月22日 広島市】)

 広島市は8月6日の平和記念式典の周辺でのデモ行進・拡声器使用を条例により規制しようと、昨年末から市民へのアンケートなどを行ってきました。しかし、4回の申し入れ行動、市役所前座り込み抗議行動、全国からの意見書の提出と、具体的な粘り強い取り組みにより、今年の条例制定を断念させることができました。
 申し入れ行動は毎回、中国新聞、朝日新聞に取り上げられ、社会問題化しました。
 なぜ今、デモ行進・拡声器規制なのでしょうか?
 これは、毎年8月6日の記念式典への安倍首相の出席・発言に対し、被爆者・被爆2世を先頭に、韓国・テグやアメリカからの参加など国際連帯の力と、全国の仲間で行っている「安倍を監獄へ!」「安倍たおせ!」と迫る8・6ヒロシマアピール行動が、どれだけ安倍首相を追い詰めてきたのかを示すものです。
 そして、改憲・戦争に向けて、「ヒロシマ」の闘いをつぶさなければ進めないという焦りからの攻撃です。そして広島市が安倍政権に追従し、改憲・戦争・核武装への道を推進することを表明したのです。
 5月22日には、前回までの申し入れの回答を求める8・6ヒロシマ大行動実行委員会と改憲・戦争阻止!大行進広島の申し入れ、NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)ヒロシマの第4回申入書提出行動を行いました。
 市の担当課長は「アンケートは集計しているが、議会に報告するので本日は回答できない」「対応策を練っている」とアンケート調査について全く回答できませんでした。NAZENヒロシマは、福島で「安全・安心・復興キャンペーン」の中、今も声を上げることができない状況があり、「今年の8月6日には福島とともに絶対声を上げる」と宣言しました。
 申し入れ2日後の24日、松井広島市長は定例記者会見で、「スケジュール的に今年の式典までの条例制定は困難」と発表しました。しかし「(今年は)条例によらない静謐(せいひつ)の確保策を検討する考え」とか「式典の騒がしい状況を表現の自由だからと納得するのか、式典のイメージ・価値を高め平和を発信することを重視するのかという議論を市議会でしていきたい」と述べています。アンケートの有効回答率は、半数にも満たない41%だったそうです。
 これを受けて、5月24日の8・6ヒロシマ大行動の第2回実行委員会では、広島市が行おうとしているのは「平和を祈念すると言いながら似て非なるもの」「祈りの日とすると言うが、『祈り』の中身は何か?」という意見が出され、この拡声器規制条例反対の取り組みを通して、8・6ヒロシマとは何かを大いに議論することができました。被爆者・市民・労働組合にこの議論を持ち込み、新しい参加者を拡大していきたいと思います。
(高陽第一診療所労働組合・矢田三恵)
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