「放射線副読本」配布中止を NAZENヒロシマら 市教委に申し入れ

週刊『前進』04頁(3042号02面04)(2019/06/10)


「放射線副読本」配布中止を
 NAZENヒロシマら 市教委に申し入れ


 5月22日、文部科学省発行の「放射線副読本」の配布中止・回収を求める広島市教育委員会への申し入れを行いました(写真)。NAZENヒロシマ、婦人民主クラブ全国協議会広島支部、8・6ヒロシマ大行動実行委員会で、拡声器規制条例反対の申し入れ(記事3面)とともに取り組みました。
 NAZENヒロシマで今年の第7回総会で、放射線副読本に対する教育現場での取り組みの報告を受け、「ヒロシマ通信」でも取り上げました。滋賀県野洲(やす)市では「内容に課題がある」として教育委員会が回収したという報道もあり、放射線被害の当事者の広島市が、「安全・安心」キャンペーンを推進する副読本を子どもたちに配布することは認められないと話し合ってきました。
 今回の申し入れで、副読本は県や市の教育委員会を通さず文科省から直接郵送されていること、生徒数の報告で市もこれに協力していることがわかり、全校・全生徒・全児童に配布されていることも市教委は把握しているとの回答でした。以前、学校から「これを配布していいのか」という問い合わせもあったが、市教委として「やめて下さい」という立場ではないとの話もありました。
 申し入れ参加者からは、「小児甲状腺がんの多発の中、福島から保養に来られているお母さんたちの不安を聞いており、この副読本を子どもたちに配り読ませるのはさらに分断になる。副読本が学習する上での補助教材ならば、何を期待して配られるのか? 何の理解を深めるための副読本なのか? 『放射線』という学科があるわけではない。意図を聞きたい」と鋭い追及がありました。
 私たちは「福島へのいじめや差別をなくすための副読本と言われるが、広島では被爆者への差別に対して影響・被害をはっきりさせ、責任追及して補償を求める闘いをやってきた。多くの被爆者が、差別がある中でもやっぱり声を上げなければと闘ってきた。学校の中でこそ正しいことを伝える必要がある。副読本の中身はうそ。放射線被害はまだまだ解明されていないし、隠されている。広島から声を上げなければならない。広島市がバンバン配ってますよ、ではだめ。広島市の教育委員会の責任は重大」と申し入れました。広島市は後日文書での回答を約束しました。
 現場の教職員の方々とつながり、連帯して取り組んでいきたいと思います。
(NAZENヒロシマ・矢田三恵)

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