命奪った権力許さない 星野再審・国賠請求へ闘う 家族、再審弁護団が記者会見

週刊『前進』04頁(3042号01面01)(2019/06/10)


命奪った権力許さない
 星野再審・国賠請求へ闘う
 家族、再審弁護団が記者会見

(写真 左から金山克巳さん、狩野満男さん、星野誉夫さん、星野暁子さん、岩井信弁護士、和久田修弁護士、戸村裕実さん、鎌田雅志さん。暁子さんの前には文昭さんが徳島刑務所で作ったカバンが置かれた【6月3日 東京】)


 5月30日に星野文昭さんが急逝された。そのことを受けて6月3日、星野文昭さんの家族、再審弁護団、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議の共同代表、革共同が東京・日比谷公園内の松本楼で記者会見を行った。傷心と怒りと決意が混ざり合いながら、家族と再審弁護団を先頭に星野さんを死に追いやった国家権力を許さず、星野さんの再審・無罪をかちとるために闘う立場を鮮明にし、新たな戦闘宣言を発した。
 記者会見には、新聞社やテレビ局などから20人以上集まり、社会的関心の大きさを示した。
 司会は全国再審連絡会議事務局の金山克巳さんが務め、最初に星野再審弁護団主任弁護人の岩井信弁護士が経過を報告した。

「巨大」になるまで肝臓の腫瘍を放置

 星野さんは5月28日に東日本成人矯正医療センター(東京都昭島市)で手術を受け、翌日から容態が急変し30日に息を引き取った。
 昨年8月の酷暑の中、星野さんが倒れた時、徳島刑務所は1日休養させただけで家族が要求した精密検査を行わず、胃カメラ検査だけで、エコー検査も血液検査もしなかった。今年3月4日にようやくエコー検査を実施した後も星野さんに結果を伝えず、さらに「肝臓のがんは大きく肥大している。最悪、なんらかの衝撃で破裂する可能性もある」(医療センターの主治医)にもかかわらず、手錠・腰縄をつけて10時間かけて、揺れる車で徳島刑務所から東京の医療センターまで星野さんを移送した。
 岩井弁護士は「仮釈放の審理では心身の状況、健康状態が調査事項であり、重大な変更があれば徳島刑務所長には四国地方更生保護委員会への報告義務がある。また、肝臓の腫瘍を『巨大』になるまで放置した責任が問われなければならない」と語気を強めた。
 再審闘争をつれあいの星野暁子さんが継承すること、文昭さんの死について国家賠償請求訴訟を通じて事態を明らかにさせ責任を追及することを宣言した。

星野同志の無念をはらし日帝打倒へ

 続いて、星野暁子さんが「文昭の闘いを私が継承し、再審・無罪に向けて新たな闘いを開始していきます」と決意を語った(要旨別掲)。いとこの星野誉夫さんは、「裁判記録を確かめたが、その内容は非常に脆弱(ぜいじゃく)。物証はまったくなく、文昭は実行行為に一切関係がない」と訴えた。全国再審連絡会議の戸村裕実共同代表が「星野文昭さんが獄中にあって、健康管理と適切な診療が無視されてきたことに本当に怒りを覚えます」と徳島刑務所を弾劾した。
 質疑応答では和久田修弁護士が3月の星野さんとの面会で、体調が悪くなっていたことを報告した。
 全国再審連絡会議の狩野満男共同代表がこれからの行動方針を提起し、革共同の鎌田雅志同志が「絶対に星野同志の無念をはらし、日帝国家権力を打倒する闘いの前進を切り開く」と表明した。最後に、星野暁子さんが新たな闘いを開始することを宣言し、記者会見を締めくくった。

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文昭の闘い私が継承する
 つれあい 星野暁子さん

 星野文昭は1971年11月14日、核も基地もない平和な沖縄を求めて沖縄返還協定批准阻止闘争にリーダーの一人として立ち上がりました。機動隊1人が死亡したことで殺人罪がでっち上げられ、44年間獄中で過ごしました。無期懲役が確定してからは32年間、徳島刑務所で過ごしました。
 「すべての人間が人間らしく生きられるために、自分の生を貫きたい」。私が獄中結婚をするきっかけになった、文昭の公判での発言です。
 文昭は2000年から絵を描き、絵と私の詩でカレンダーを作ってきました。どの絵も、人間への温かいまなざしを向けた絵ばかりです。また、文昭はカバン作りを指名されて、昨年の2月からたった一人で取り組んできました。
 文昭は肝臓がんで5時間の大手術を受け、急性肝不全で死亡しました。もっと早くエコー検査をしていれば、リスクの少ない形で手術ができていました。私たちは徳島刑務所に対して国賠を行う予定です。
 私は、星野文昭が冤罪をでっち上げられ44年間獄中におかれても、すばらしく生きぬいたことを知っていただきたいと思います。文昭の闘いを私が継承し、再審・無罪へ新たな闘いを開始していきます。

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7・5法務省包囲デモ
 7月5日(金)
 正午 日比谷公園霞門 集合
 午後0時30分 デモ出発
 主催/星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議

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