日米首脳会談を弾劾する 戦争・天皇制と一体の同盟
週刊『前進』04頁(3040号03面05)(2019/06/03)
日米首脳会談を弾劾する
戦争・天皇制と一体の同盟
横須賀訪れ兵士に戦意発揚アピール
安倍―トランプの日米首脳会談を徹底的に弾劾する。一連の行事がことごとく日米帝国主義による侵略戦争・世界戦争の危機を高め、労働者人民の人権を抑圧し生活を踏みにじる攻撃であり、絶対に許すことはできない。安倍とトランプは28日、海上自衛隊横須賀基地で護衛艦「かが」を視察し訓示を垂れ、「日米同盟」の結束を誇示した。安倍は「日米同盟はこれまでになく強固なものとなった」とぶち上げた。憲法第9条も「専守防衛」の建前も意に介さず、朝鮮・中国に対する日米共同の侵略戦争体制に向かってのあからさまな戦意発揚のアピールだ。
トランプはさらに、目の前に停泊する米海軍の強襲揚陸艦ワスプに移動し、米兵に向けて「横須賀は日本とアメリカの軍のパートナーシップの証だ」とアピールした。
「かが」は護衛艦と称しているが、攻撃型空母へと改修されることを予定している。そしてこれに搭載されるのが米国製の最新鋭ステルス戦闘機F35だ。民主党政権時代に42機の購入が決まり、昨年末にさらに105機の追加購入が決定された。費用は機体だけで総額1兆2千億円。
さらに地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージスアショア」2基を2400億円(メンテナンスなどを含めると4389億円)払って米から購入することを、安倍は約束している。米帝に依存しきり、途方もない金をつぎ込んだ大軍拡がもくろまれている。
帝国主義首脳自身が「死の商人」となって、殺りく兵器を戦争に向けて準備しているのだ。
米帝は日帝に農業分野での屈服迫る
今回の首脳会談では、具体的合意を示す共同声明のような「成果」はなく、「最大の懸案事項」すなわち日米帝国主義間争闘戦の焦点である貿易交渉についても進展は何もなかった。しかしトランプは「8月には両国にすばらしいことが発表される」と思わせぶりに一方的に語り、安倍に屈服を迫った。つまり参院選が終わったら日本が農業分野での関税引き下げを実行するよう露骨に要求したのである。これが現実となれば、日本農業にはとてつもないダメージとなることは火を見るよりも明らかだ。安倍は恥知らずなまでにトランプの要求に屈服しても日米同盟を固持し、そのもとで戦争国家として日本を「飛躍」させようとしている。
国際連帯の発展で安倍・トランプ倒せ
トランプは新天皇即位後初の国賓として来日した。階級支配の制度として象徴天皇制と日米同盟は不可分一体の関係であり、日米同盟なしに天皇制は存続しえない。それゆえ安倍と日帝支配階級にとって、新天皇即位後初の国賓は絶対に米大統領でなければならなかったのだ。宮中晩さん会では、庶民が一生口にすることができないような豪奢(ごうしゃ)な料理と酒がふるまわれた。さらに安倍はゴルフ、大相撲、居酒屋といった超高額接待攻勢でトランプのご機嫌取りに励んだ。
このもてなしぶりに「まんざらでもない」といった顔でトランプは、天皇と安倍を随所でたたえた。この浅ましくおぞましい権力者同士の蜜月・癒着ぶりを、マスコミは流し続けた。
こんな連中が支配する世界、戦争と抑圧、搾取と収奪を続ける世界で、われわれはこれ以上生きていくことはできない。
安倍の戦争と改憲を絶対に阻止しよう。国際連帯とプロレタリア革命の実力で、安倍とトランプを必ず打ち倒そう!