トラブル続出のJR東 大事故もたらす五輪は中止を
週刊『前進』04頁(3040号02面03)(2019/06/03)
トラブル続出のJR東
大事故もたらす五輪は中止を
JR東日本は東京オリンピック前の来年3月に常磐線を全線開通させようと全力を挙げている。それは福島第一原発事故をなかったことにし、「福島は復興した。安全だ」と言い張って、避難者に帰還と被曝を強いる攻撃だ。これと対決する常磐線全線開通阻止闘争は、安倍が「原発事故は収束した」「汚染水はコントロールされている」と大うそをついて誘致した福島圧殺の東京五輪を許さない闘いでもある。
この間、JR東日本は事故を続発させている。4月28日、上越新幹線が約4時間にわたりストップした。上越新幹線・越後湯沢駅付近の変電所でトラブルが起き、JRは別の変電所から電気を送ったが、今度は電流を切り替える装置が作動しなくなったという。電気部門の外注化はすでに激しく進んでいる。それがこの事故の背後にあると見て間違いない。
東京駅や新潟駅では、身動きがとれなくなった乗客があふれた。安倍は天皇代替わりを大キャンペーンするため10連休を設定した。その2日目に起きた新幹線のストップは、安倍が演出しようとした「祝賀ムード」を吹き飛ばした。
この事態にあわてた国土交通省は5月、JR東日本に異例の警告文書を出した。国交省が恐れたのは、東京五輪期間中に大事故が起きることだ。例え死傷者が出なくても、五輪のさなかに新幹線や首都圏の電車が数時間でもストップすれば、日本帝国主義は大破産を突きつけられる。
国交省の警告後も、JRの事故は止まらない。5月10日と23日には、信号トラブルでJR東日本の新幹線が止まった。また、3月ダイヤ改定後、運転士の労働は極限的に強化され、疲弊の結果としてのオーバーランが頻発している。
昨年2月、安倍は「五輪期間中にストライキをさせるな」と叫んでJR東日本に東労組解体を指示した。これを受けてJRは東労組つぶしに乗り出し、3万人以上を脱退させた。さらにJRは、経営ビジョン「変革2027」のもと、大合理化を次々と打ち出した。その結果が事故の続発だ。
東京交通労組の電車部大会では五輪期間中の終電延長への怒りが噴出し、「協力は到底不可能」という決議が上がった。JR東日本も、終電延長をオリンピック大会組織委員会と合意している。それを強行すれば大事故は避けられない。
東京五輪は中止する以外にない。動労水戸の呼びかけに応え、常磐線全線開通阻止へ総力で闘おう。