6・9国鉄集会に大挙結集を トランプ来日―日米首脳会談粉砕、「働き方改革」に職場から反撃を

週刊『前進』04頁(3038号01面02)(2019/05/27)


6・9国鉄集会に大挙結集を
 トランプ来日―日米首脳会談粉砕、「働き方改革」に職場から反撃を


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工事実力阻止!沖縄ゼネストへ

 「集まれば工事は止められる。我々の勝利だ」----沖縄の地元紙・琉球新報電子版は、5月20日午前に狙われていた辺野古新基地建設の資材搬入を阻止した座り込み行動の参加者の声を、このように紹介した。辺野古への土砂投入後初めてとなった5・15沖縄闘争は、安倍の改憲・戦争攻撃に対して、労働者階級人民の団結と実力で対決する転換点となった。
 また20日付琉球新報は、県民大会の会場前で署名を集める星野暁子さんを写真入りで紹介した。1971年11・10沖縄ゼネストと連帯し、沖縄返還協定批准阻止の11・14渋谷闘争に立ち上がった星野文昭さんが獄中44年、国家権力と非和解で不屈に闘い抜いてきたことが、今や沖縄の怒りの声と深く共鳴している。
 労働組合として辺野古闘争を闘ってきた全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部や、今年2月以来何度もストライキを闘っている全港湾の青年労働者が、平和行進や県民大会に大挙して駆けつけ、全体を牽引(けんいん)した。安倍政権の改憲・戦争を許さない労働組合の闘いが怒りの声の結集軸となり、大きく広がる出発点がつくり出された。
 6月9日、東京・上野公園野外ステージで開催される国鉄闘争全国運動6・9全国集会は、この沖縄闘争を引き継ぎ、安倍政権への労働者階級の大反乱を開始する歴史的な総決起の場だ。「改憲と戦争を止めよう」「『非正規だけの社会』にするな」の声を広げ、渦巻く怒りの声を6・9集会に集めよう。

改憲に絶望的に踏み出した安倍

 安倍政権は改憲攻撃に大きく踏み出している。5月17日、官房長官・菅義偉は記者会見で、野党による内閣不信任案提出は「解散の大義になる」と主張し、7月衆参同日選をも辞さないことを公言した。安倍が主張する「2020年新憲法施行」にとって、衆参同日選から今秋臨時国会での発議が最後のチャンスとなる。それほど安倍は追いつめられているのだ。
 5月19日には、大阪都構想の是非を問う住民投票への対応について、大阪維新の会と公明党大阪府本部が都構想の実現を前提に議論を進めることで基本合意した。直接には、菅の衆院解散への言及に呼応した維新の松井一郎大阪市長が公明党を揺さぶった結果だ。
 5月3日付の産経新聞紙上では、橋下徹が「安倍首相が実現したいと強く願っている憲法改正に協力するための行動を起こすべきだ」と維新をあおり、松井は「ダブル選の勢いに乗じて公明を潰しにいくことを考えている」と述べた。維新が安倍に売り込みをかけ、改憲への激しい突進が始まっているのだ。日本維新の会を除名された衆院議員・丸山穂高の「戦争で領土を取り戻せ」という暴言とその全面的な居直りは、安倍や維新の本音であり、改憲攻撃の狙いを露骨に示すものだ。
 こうした動きと一体で、米大統領トランプの来日(5月25〜28日)が重大情勢となっている。25日に予定されるトランプと新天皇ナルヒトとの会談は、戦後の象徴天皇制が日米安保と表裏一体であったことを示すものだ。さらにトランプは28日、空母への改修が予定される護衛艦「かが」に安倍とそろって乗艦する予定だ。だがこうした安保・軍事面での日米一体化の一方で、貿易交渉や北朝鮮への対応での隔たりが表面化しており、今回は日米共同声明が見送りになることが報じられている。
 米中貿易戦争が激化し、東欧・中東・南米などで実際に戦争の火が付き始める中で、安倍は今回のトランプとの会談を改憲と戦争国家化への転換点にしようとしている。トランプ来日弾劾、安倍・トランプ打倒の声を上げ、その最大の闘いとして6・9全国集会への大結集をかちとろう。

雇用・賃金・労働時間めぐり対決

 何よりも6・9全国集会は、「働き方改革」の名で総非正規職化を進め、労働者を過労死地獄にたたき込もうとする政府・財界の大攻撃に対して、JR職場を先頭に全産別・全職場から反撃ののろしを上げる集会だ。生産性向上を掲げた労働組合の産業報国会化を許さず、今こそ闘う労働組合をよみがえらせよう。6・9集会はその出発点だ。
 そもそも労働者階級は、全世界での血みどろの闘争を通して8時間労働制を闘いとり、資本の際限のない搾取に対してはストライキで闘い、自らの生存と権利をかちとってきた。日本でも戦後革命の嵐の中で労働3権(団結権、団体交渉権、団体行動権)を憲法に明記させた。「働き方改革」攻撃とは、長時間労働の是正を口実に、実は労働者階級の数百年の闘争の全歴史をくつがえす大攻撃であり、もう一つの改憲攻撃なのである。
 その核心は「解雇自由」と「成果主義・能力主義賃金」、労働時間規制撤廃、労組解体である。「解雇制限」が新産業の成長と雇用の活性化を阻んでいるとし、労働者が新たな会社に自らの能力を売り込むためにも成果主義を徹底する必要があるという。だが実際には、ひたすら利潤を求める資本の都合で労働者が次々と放り出され、そのたびに非正規職化され、生きていけない低賃金と長時間労働を強いられ、労働組合は解体される。絶対に許せない攻撃だ。
 安倍とJR資本は今、東労組の解体とともに乗務員勤務制度解体を進め、運転士や車掌という職名すらなくす「新たなジョブローテーション」を打ち出した。これは資本の意のままに労働者を次々と子会社に放り出し、非正規職化による全面的な賃下げを狙うものだ。そのためにストライキはもとより、労働組合の存在そのものを認めないというのだ。
 JRめぐる攻防を先頭に、全産別・職場で「働き方改革」攻撃との決戦に突入しよう。「働く者が人間らしく生きられる社会」は、労働者が団結して闘うことによってのみ切り開かれる。6・9全国集会への大結集に全力をあげよう。

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改憲と戦争の道とめよう 「非正規だけの社会」にするな
今こそ国鉄1047名解雇撤回へ
国鉄闘争全国運動6・9全国集会
 6月9日(日)午後1時開始(正午開場)
 東京・上野公園野外ステージ(水上音楽堂)
 呼びかけ/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動(国鉄闘争全国運動)〔事務局/千葉市中央区要町2―8 DC会館〕
 韓国・鉄道労組が参加決定!

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