改憲ぜったい阻もう 裁判員制度は終わらせる 天皇翼賛と対決し弁護士会館で集会
週刊『前進』02頁(3037号02面01)(2019/05/23)
改憲ぜったい阻もう
裁判員制度は終わらせる
天皇翼賛と対決し弁護士会館で集会
(写真 主催者あいさつで改憲阻止を訴える武内更一弁護士【5月14日 弁護士会館】)
5月14日、東京・千代田区の弁護士会館講堂クレオで「改憲ぜったい阻もう/裁判員制度はおしまいだ/5・14集会」が開催された。「憲法と人権の日弁連をめざす会」と「裁判員制度はいらない!大運動」が共催し、287人が集まって大盛況となった。
はじめに武内更一弁護士(東京弁護士会所属)が主催者あいさつに立った。「天皇代替わりや新元号の制定をもって、『新しい時代』が来たかのようなキャンペーンが行われている。天皇を使って『国民統合』を図ることが狙いです。しかし今の社会には差別や貧困があり、労働者民衆と資本家との対立があります。弁護士が戦争協力に動員された歴史を繰り返さない、その決意で集会を企画しました」。そして、改憲によって憲法に自衛隊を明記することは、現行憲法にはなかった戦争の体系が憲法に書き込まれることだと指摘し、改憲阻止へ全力で闘うことを訴えた。
メディア支配狙う安倍政権に抗して
東京新聞社会部記者で、菅義偉官房長官を鋭く追及してきた望月衣塑子さんが「民主主義とは何か〜安倍政権とメディア〜」と題して講演した(要旨別掲)。望月さんは、安倍政権による卑劣な言論統制や自分を含む特定記者への嫌がらせ行為を暴露しつつ、「こういう時こそ声を上げ続けることが大切です」と熱弁を振るった。続いて『週刊金曜日』企画委員の成澤宗男さんが「翼賛体制に抗する」と題して講演し、「権力とメディアの一体化を許してはならない」と訴え、「元号騒ぎ」や天皇への翼賛的な報道、中国・北朝鮮への脅威論の激しさに警鐘を鳴らした。また、昨年秋に東洋大学で全学連の学生2人が「建造物侵入」容疑で不当逮捕された件に触れ、公安情報を垂れ流すだけの報道のあり方に強く抗議した。
高原全学連委員長が闘いのアピール
全学連の高原恭平委員長(東京大学農学部)が「若者と改憲」と題してアピールを行った。高原委員長は「本当に安倍政治を止めるためには、青年層の現実を正しく認識しなければならない」と問題提起し、若者が本当に政治を取り戻すためには「現状維持」ではなく「変革」を訴えることが必要だと訴えた。また、大学や職場で討論し、一緒に行動を積み上げていくこと、労働運動・学生運動を現場からつくり上げていくことが重要だと強調した。約8割が裁判員を拒み制度は大破綻
続いて裁判員制度はいらない!大運動事務局の相馬一絵さんが報告を行った。相馬さんは2007年以来の大運動の着実な取り組みを振り返りつつ、こうした運動の力もあって裁判員制度の「現代の赤紙」としての正体が広く知れわたっていった結果、今や裁判員の出席率は2割程度まで落ち込んでいると報告した。裁判員制度はいらない!大運動呼びかけ人の高山俊吉弁護士(東京弁護士会所属)が「裁判員制度はもうおしまいだ」と題して発言に立った。高山さんは小説家・赤坂真理さんの『箱の中の天皇』という作品の一文を紹介——「お言葉によって父親の汚名を返上したタレント天皇が現代の神話の主人公に再びなろうとしている。退位と即位はそのための一世一代の見世物だ」。続いて今日の裁判員制度の狙いは「裁判員という隣組にいや応なしに入らせることが目的だ」と喝破した。「しかしその狙いはすでに見抜かれ、裁判員制度は崖っぷちに追い込まれている。今こそこれを終わらせる時だ」と訴えた。