JR運転士・車掌の廃止許すな 分割・民営化超える大攻撃粉砕! 6・9国鉄集会に大結集を

週刊『前進』02頁(3037号01面01)(2019/05/23)


JR運転士・車掌の廃止許すな
 分割・民営化超える大攻撃粉砕!
 6・9国鉄集会に大結集を


非正規だけの社会にさせない
①雇用破壊との闘い

 安倍政権による「働き方改革」は労働者の雇用と労働時間、賃金にかかわるすべてを破壊する国鉄分割・民営化以上の戦後最大の攻撃だ。JRがその先端を担う。しかし労働者の誇りと生活、命まで奪う攻撃であるがゆえに現場からの反乱は不可避である。6・9国鉄集会から11・3労働者集会1万人結集へ、連載企画の第1回として雇用破壊との攻防に焦点を当てる。

首相官邸とJR一体で

 JR東日本は経営ビジョン「変革2027」を打ち出した。運転士・車掌を廃止し労働組合を一掃して鉄道の全現業部門を別会社化しようとしている。国鉄分割・民営化に協力した御用組合・JR東労組の解体と乗務員勤務制度改悪に始まるこの攻撃は、首相官邸と一体で進められている。
 鉄道の長い歴史の中で、運転士・車掌は乗客の命と輸送の安全の中心を担ってきた。JRはその職名を廃止して、3月に車掌試験、5月に運転士試験を廃止。来年度以降は通常の人事異動で乗務員を決め、最長10年で異動させるという。提案では駅業務や乗務員、企画部門と共に「出向」が公然と掲げられた。来年の募集要項から「現場第一線」という言葉が消え、「マネジメント(経営・管理)を担う」ことが強調されている。一部の管理職以外は労働者を子会社、孫会社へ落とそうとしているのだ。
 しかし鉄道業務のすべては一本の列車を安全に走らせるために存在している。乗務員という職種を否定することは、鉄道業務のすべてを否定するに等しい。労働者の誇りを踏みにじり、鉄道の安全と雇用を根幹から破壊するものだ。3月ダイヤ改定阻止・乗務員勤務制度反対のストを闘った動労千葉―動労総連合が軸となって、現場から怒りの火の手が上がっている。
 この攻撃を許すなら、国鉄分割・民営化がそうであったように、全産別での資本・当局の攻撃の基本モデルとなる。「生産性向上」の名のもとに全面民営化・外注化・別会社化が進められ、労働者は無権利・最低賃金の非正規職に置き換えられる。究極の雇用破壊となる。社会を一変させる改憲と一体の攻撃だ。JRを先頭に全産別の労働者の総力で打ち破ろう。

「AI万能」など大うそ

 安倍政権やJR、トヨタなどの資本、マスコミなどが大宣伝する「AI(人工知能)・ロボット万能」「自動運転」「無人運転」などは大うそだ。AIが人間に勝った囲碁や将棋の世界とはわけが違う。連日、重大な鉄道事故が絶えないのに、どうして乗務員なしに安全な運行が可能になるというのだ。労働者抜きに社会は一日たりと成り立たない。
 何が「第4次産業革命」だ。すべては労働者の誇りを奪い「時代遅れの価値のないもの」と思わせて労働組合を潰し、雇用を破壊するイデオロギー攻撃だ。過剰資本・過剰生産力の矛盾にのたうつ資本にとって「生産性の向上」とは労働者から奪い尽くすこと以外ではない。労働者をあきらめと敗北主義に陥らせて抵抗を奪い資本の強搾取を進めるデマ宣伝でしかない。
 60年三池闘争においては炭鉱労組破壊・大合理化のために「石炭から石油へのエネルギー転換」が宣伝された。80年代の国鉄分割・民営化の時には「鉄道から自動車への転換(モーダルシフト)」がまことしやかに語られた。しかしイギリス・サッチャー政権による炭労破壊に対して労働者はストライキで闘い炭鉱を守った。「AI万能」のイデオロギー攻撃を粉砕し、労働者の誇りをかけて反撃しよう。

総非正規化狙う自治体戦略構想

 安倍政権の「自治体戦略2040構想」は、JRの「変革2027」と同じく「人口減少」から説き始めて、〈地方自治破壊、事業廃止・全面民営化、職員半減・総非正規職化〉を狙う。来年導入予定の会計年度任用職員制度がその導水路として、〈毎年解雇、試験・評価制度による選別採用、毎年試用期間1カ月〉を強いようとしている。まさに雇用破壊・団結破壊の大攻撃だ。
 地方公共団体は企画・マネジメントと差し押さえなどの権力業務のみを公務員の仕事として残す。自治体が自治体でなくなる。JRのローカル線廃止と共に、「平成の大合併」の比ではない地方の崩壊をもたらす。基地や戦争に反対してきた労働組合は解体され、公務員は戦争動員の役割を担わされる改憲・戦争の攻撃だ。全国の職場・地域から反撃が始まっている。

「解雇自由」許さず反撃

 経団連会長・中西宏明や日本自動車工業会会長・豊田章男(トヨタ自動車社長)らが言う「終身雇用制は限界」とは「解雇自由の社会」「非正規職だけの社会」にするということだ。すでに非正規雇用は4割に達している。資本家たちは解雇に対する法規制の撤廃を主張しているのだ。
 小池都知事は東京五輪を機に「柔軟な働き方」としてテレワークの拡大を打ち出した。その大半は労働者としての権利を認めず「解雇」という概念すら奪う個人請負となる。「業績に応じた報酬」という形で最低賃金をはるかに下回る賃金となる。そして資本による契約打ち切りは即解雇を意味するのだ。
 しかしこうした攻撃は必ず破綻(はたん)する。動労千葉―動労総連合を先頭に解雇を許さない勝利が次々とかちとられている。
 動労連帯高崎は3月、鈴木喜平副委員長の雇い止めを撤回させ、無期転換をかちとった。動労西日本は4月、JR西日本広島メンテックによる元木康亮組合員の解雇を不当労働行為とする労働委員会命令をかちとった。動労総連合は国鉄解雇撤回・JR復帰を求めて千葉県労働委と千葉地裁に対する闘いを進めると共に、強制出向の無効を争う裁判を闘っている。検修部門の合理化はJRの思惑どおりには進んでいない。この裁判がJRの手を縛っているからだ。
 有期雇用に対する労働契約法での無期転換、労働者派遣法での直接雇用か雇い止めかをめぐる攻防も正念場に突入した。安倍の先兵として「働き方改革」を進めるJRと激突する動労千葉・動労水戸―動労総連合を先頭に全産別で闘おう。6・9国鉄集会に全国・全産別から大結集しよう。

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改憲と戦争の道とめよう 「非正規だけの社会」にするな
今こそ国鉄1047名解雇撤回へ
国鉄闘争全国運動6・9全国集会
 6月9日(日)午後1時開始(正午開場)
 東京・上野公園野外ステージ(水上音楽堂)
 呼びかけ/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動(国鉄闘争全国運動)〔事務局/千葉市中央区要町2―8 DC会館〕
 韓国・鉄道労組が参加決定!

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