草津病院労組に勝利判決 人事考課は不当労働行為
週刊『前進』04頁(3036号02面03)(2019/05/20)
草津病院労組に勝利判決
人事考課は不当労働行為
(写真 2015年7月29日、真保書記長の解雇撤回を掲げストに立った草津病院労組)
4月10日、広島地裁は草津病院(広島市)の人事考課制度による賃金カットについて、不当労働行為と認定し、同病院に対し、広島連帯ユニオン・草津病院支部組合員3人への損害賠償の支払いを命じる判決を出しました。判決では(人事考課表の)「不提出という業務違反だけで評価を一律に下げる理由はない」と指摘し、「組合方針に対抗するための措置で、合理的でない考課に基づく給与と賞与の支給は不当労働行為」と断定しました。
組合は職場労働者に不当な過重労働を強要する人事考課制度と、組合結成以来13年にわたって闘ってきました。その闘いがついに労働委員会や裁判で組合側の主張を全面的に認めさせる勝利をかちとりました。
草津病院の人事考課制度は、病院が救急病棟を新設するという新自由主義経営への転換期に、「新賃金制度」の核として本格的に導入されました。病院との団交が決裂してストライキに立ち上がった2008年秋から組合は、「人事考課表」の提出を拒否する闘いを始めました。
これに対して病院は「追随者が出ないように」と、提出拒否を闘う3人の組合員に「評価」の2段階引き下げを行ってきたのです。5段階評価なので、中位の「評価」でも最低ランクになります。このために賞与・基本給の減給、さらに2人の組合員は定年再雇用を拒否(解雇)されました。
しかし、職場の組合の仲間は負けませんでした。救急病棟化によるケアワーカー(介護職)の非正規職化との闘いにも打ち勝ち、人事考課制度との闘いを貫きました。この団結の力によって、組合は労働委員会闘争に勝利し、病院がその命令の取り消しを求めて東京地裁に起こした訴訟でも、本年3月に組合が勝利したのです。労働委員会や裁判の法廷で草津病院の人事考課制度のデタラメさは完全に暴かれました。
安倍政権の「働き方改革」の中で、人事考課制度は、資本がより過酷に労働者を支配するものになろうとしています。組合の団結と職場闘争によって人事考課制度は打ち破れます。この勝利を人事考課制度に怒る職場労働者に伝え、組合の組織拡大と団結で闘いをさらに前進させよう!
(広島連帯ユニオン・草津病院労働組合 真保 修一)