豊洲の根本を問う5・17集会へ 耐震偽装に汚染、廃業が相次ぎ労災死も 市場民営化を狙う小池を許すな

週刊『前進』02頁(3033号02面05)(2019/05/09)


豊洲の根本を問う5・17集会へ
 耐震偽装に汚染、廃業が相次ぎ労災死も
 市場民営化を狙う小池を許すな


 東京都の築地市場の豊洲移転は公的卸売市場の民営化を狙って強行された。市場民営化の動きはすでに始まっている。

条例改悪を策動

 中央卸売市場の民間による設置を可能にする改悪卸売市場法が、来年6月に施行される。都は条例を抜本改悪するための中央卸売市場条例改正準備会議を昨年12月に設置した。都の11市場民営化、民間運営への布石だ。
 今年2月の都議会本会議前日、小池百合子都知事が特別顧問を務める都議会最大会派の「都民ファーストの会」と都の市場・財政担当者の意見交換会の場で、都の担当者は民営化について「その辺りまで考える」と述べた(3月15日付産経新聞)。
 他方で、豊洲市場に集まる水産物は旧築地に比べ前年割れが続いている。開業後の18年11月〜19年2月の水産の取扱金額は1月以外全て前年割れとなった。都やマスコミはこれをも口実に、公的市場の破壊を正当化している。大資本が市場を独占支配する民営化は、せり・仲卸の一掃をもたらす。
 生産者保護を担ってきた公的市場の機能と市場で働く人々の団結は破壊され、地域も破壊される。民営化は都労連・都庁職への労組破壊攻撃そのものであり、絶対反対で闘うべき課題だ。
 仲卸への攻撃はすさまじい。移転前の18年4月に536いた水産仲卸の数は移転後の11月時点で492に減少した。移転以降の客離れは深刻だ。豊洲での売り上げは激減し、次々と廃業に追い込まれている。また豊洲では施設の構造上、出入口付近の店以外には客が集まらない。「これではやっていけない」という悲鳴が上がっている。

仲卸と共に声を

 労働者の安全は一切顧みられていない。エレベーターの扉に挟まれるなど、市場内の小型運搬車「ターレ」での死亡事故が2件も発生した。
 水産仲卸売場棟の柱脚の鉄量について、仲卸の仲間が起こした裁判で、都ですら「42%足りない」と認めた。大地震で仲卸、買い出し客が下敷きになる危険は極めて高い。
 床のひび割れ、地盤沈下、地下水汚染は続いている。
 築地に残った場外市場も客が離れ、閉店が相次いでいる。「築地に市場を戻す」「食のテーマパーク構想」などとだまして移転を強行した小池は絶対に許せない。
 小池は2020年東京オリンピック後、築地跡地へのカジノ誘致をも狙っている。地域と人々の生活を破壊し、とことん大資本の食い物にする策動だ。
 今こそ豊洲市場の根本を問う時だ。「築地を活かし、豊洲を止める会」が呼びかける「豊洲の根本を問う5・17集会」に、仲卸を始め市場の全ての仲間、都の労働者は集まろう。
    ◇
豊洲の根本を問う5・17集会
 5月17日(金)正午
 豊洲市場7街区・管理施設棟1F集会室(新交通ゆりかもめ「市場前駅」から徒歩4分)
 主催 築地を活かし、豊洲を止める会

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