2019年春季アピール 日帝・安倍政権打倒へ 階級的労働運動の再生に全力挙げ、改憲・戦争阻止、革命への総進撃を 星野さん解放を今すぐかちとろう

週刊『前進』04頁(3032号01面01)(2019/04/29)


2019年春季アピール
 日帝・安倍政権打倒へ
 階級的労働運動の再生に全力挙げ、改憲・戦争阻止、革命への総進撃を
 星野さん解放を今すぐかちとろう


クリックでふりがな付PDFをダウンロード

(写真 昨年11月10日、韓国ソウルでの民主労総の労働者大会に参加した動労千葉訪韓団)

第一章 革命的共産主義運動の新しい地平と区議選の歴史的大勝利

 4月杉並区議会議員選挙は、ほらぐちともこ候補が3275票の熱い支持を得て、48議席中18位という堂々の上位当選をかちとり、歴史的な大勝利を実現した。
 今次杉並区議選が切り開いた歴史的地平とは何か。
 第一に、日本帝国主義による戦後体制の反革命的転覆と改憲・戦争への突入という「革命情勢」の突入に対し、革命的選挙闘争をもって真っ向から立ち向かったことである。それは、新自由主義と闘う青年労働者・学生が階級闘争の前面に登場し、日帝・安倍政権の改憲・戦争攻撃をプロレタリア革命に転化していく闘いの先頭に立つという、21世紀のプロレタリア日本革命の成否を決する歴史的課題への挑戦であった。
 ここにおいて、ほらぐちともこさんという、学生運動の再興が生み出した青年・学生のリーダーを推し立て、彼女とともに闘う青年・学生と女性が最前線で一斉に立ち上がった。革共同は東京都委員会と西部地区党を先頭に全都・全国の力を総結集して闘い、自らの生まれ変わりをかけた団結と総決起を実現した。
 第二に、それはレーニン主義に基づく革命的選挙闘争の新たな挑戦であった。とりわけ1917年のロシア革命において、帝政を打倒した2月革命から、労働者階級がプロレタリア独裁権力を打ち立てた10月革命への発展と勝利を切り開く転換点となった、レーニンの「4月テーゼ」に学び、その精神を今日的に実践することが求められた。すなわち、ブルジョア支配階級とその政府の影響下にある広範な労働者大衆を粘り強い闘いによって彼らのもとから引き離し、大衆自身の生活に密着した実践を通して革命の側に獲得していくという、労働者大衆の組織化の生きた実践であった。これを選挙戦の全行動の隅々にまで貫き、その全てを一体化して闘い、これまでの地平をはるかに超えた闘いをやりとげた。
 第三に、この新たな挑戦は、「改憲・戦争阻止!大行進」運動や星野文昭同志解放闘争の発展、19春闘の前進、3・11から8年を迎えた福島や沖縄現地の怒りとの結合の中でかちとられた。さらに新自由主義による地域破壊そのものである阿佐ケ谷再開発絶対反対の大運動を生み出して闘いぬいた。それは何より、「改憲・戦争阻止!大行進」運動の全面的発展と階級的労働運動の確立・再確立に向けた、地域と職場における拠点建設の決定的出発点となった。
 この闘いを通して、左翼空論主義や左翼反対派にとどまっているあり方から脱皮し、1千万労働者人民との生きた結合をつくりだす闘いが本格的に始まったのである。
 第四に、国家権力との死闘を始めあらゆる反動・反革命との闘いに勝ちぬき、この杉並の地で革命的選挙闘争を実践してきた革命的共産主義運動の営々とした蓄積を改めてつかみ直すものとなった。実際に今次杉並区議選は、70人(そのうち新人23人)が立候補し48議席をめぐって争うという、まれにみる党派闘争とその激突となった。
 これに勝ちぬいた決定的要因は、全党の総決起のもとで、この選挙戦が区民の主体的・自己解放的決起を根底から引き出して闘われたことにある。
 選挙闘争という壮大で激烈な党派闘争は、党のトータルな力と労働者大衆自身の決起ぬきには勝利できない。階級と結びつくための全党の渾身(こんしん)の変革と団結こそが、この勝利をたぐり寄せたのだ。
 杉並区議選の大勝利が示したことは、安倍政権と日本帝国主義の絶望的な没落・衰退と労働者階級の根底的決起の開始である。この勝利を安倍打倒・日帝打倒への新たな本格的な出発点として、プロレタリア革命の実現に向けて今こそ全ての労働者は総決起しよう。

第二章 天皇制反革命を粉砕しつくす労働者階級の決起が始まった

⑴安倍政権の改憲プランを大破産させた1〜4月決戦

 2019年の階級決戦は、1〜4月の白熱的展開の上に、4月杉並区議選を巨大な突破口にして、5・1メーデー(天皇制反革命粉砕)の総決起、さらに6・9国鉄大集会から改憲絶対阻止・安倍打倒へと総進撃を開始している。それは日本労働者人民による改憲・戦争阻止決戦の本格的・全面的爆発を通して、労働者階級のゼネストから帝国主義打倒のプロレタリア革命への大道を切り開くものとなる。
 日帝・安倍政権は、世界大恐慌の深まりと国際争闘戦の重圧を受けた内外の危機突破のためにも、2019年冒頭から改憲(戦争)攻撃に一切の照準を合わせて踏み込み、7月参院選(または衆参同日選)をそのテコとする絶体絶命的な反革命プランを設定してきた。だがそれは、日本労働者階級人民の潜在的力量をあまりに過小評価し、見誤ったものであり、かつ階級の怒りへの恐怖から逃れられず、実に浮足立った、焦りにみちた改憲プランであった。
 19年1〜4月の大攻防は、この安倍と日帝支配階級の階級的弱点・破綻点を突いて闘いぬかれた。その最大の切っ先こそ、JRの3月ダイヤ改定攻撃・乗務員勤務制度改悪攻撃と全面対決した国鉄決戦の戦略的前進であった。
 この国鉄決戦を牽引(けんいん)車として、「改憲・戦争阻止!大行進」運動、星野解放闘争、沖縄辺野古新基地建設阻止闘争、3・11福島闘争、三里塚闘争など、1〜4月の闘いの一つ一つが、そのどれをとってもまれにみる階級的大激突として闘われた。また全戦線・全階層にわたる闘いが全面的にかちとられた。これら全てにわたる歴史的攻防が安倍の反革命プランをボロボロにしていった。
 追い詰められた日帝・安倍は天皇の退位・即位儀式や新元号の制定、「5年後」の紙幣刷新などを必死にキャンペーンした。この天皇制攻撃にいわば取りすがるようにして、労働者人民の根底的な怒りの爆発を洪水のように押し流し、「階級平和」の構図に持ち込もうとしたのだ。だが1〜4月の闘いの嵐の全てに天皇制と天皇制イデオロギー粉砕の闘いが込められ、貫かれた。かくして日帝・安倍のたくらみは一層ズタズタに引き裂かれた。
 特に新元号の制定は、安倍と官房長官の菅が争って自己の「成果」にしようとした魂胆が白日にさらされ、ものの見事に破産した。これらが権力中枢・支配階級の亀裂・分裂、破綻を引き起こしていることは決して小さなことではない。
 しかも統一地方選から7月参院選へと向かう安倍の「改憲プラン」に真正面から対峙(たいじ)し、日帝権力中枢と直接に激突して勝ちぬいたのが杉並区議選であった。区議選という一地方選挙の場が、改憲をめぐる選挙闘争史上類例のない決戦となり、改憲阻止からプロレタリア革命への道を切り開く闘いとなった。
 こうして、1〜4月決戦が切り開いた巨大な階級情勢は、すでに革命情勢前夜のような状況にあった日本階級闘争を、文字通り革命情勢そのものへと推転させるものとなってきている。
 この革命情勢は、4・30アキヒト退位と5・1新天皇ナルヒト即位のすさまじいキャンペーン、とりわけ全世界の労働者の闘いの日であるメーデーの日に新天皇即位儀式をぶつけるという最大の反革命を打ち破ることによって、さらに激しく進展していこうとしている。

⑵ストライキと労働運動の復権が職場から開始された

 何よりも重要なことは、国鉄決戦を軸にして階級的労働運動の画期的な戦略的新地平が切り開かれてきていることである。
 国鉄決戦は、1987年の国鉄分割・民営化以来の30年を超える長期の闘争に勝ちぬき、階級的労働組合を根絶やしにする攻撃を動労千葉・動労水戸―動労総連合の不屈の闘いではね返してきた。そのもとに3労組共闘、11月労働者総決起集会、国鉄闘争全国運動を組織し、改憲阻止決戦を準備してきた。今日的には、第3の分割・民営化攻撃というべき全面外注化、分社化、総非正規職化、労働強化、解雇、超低賃金化の攻撃と最も鋭く闘いぬいている。
 日帝・JR資本が今や第1、第2の分割・民営化攻撃の先兵であったJR総連・東労組すら解体し、労働組合の存在を絶滅して産業報国会化(社友会化)を狙う中で、これと真っ向から対決し、労働組合を建設・強化する闘いを一歩一歩積み重ねてきたのがこの闘いだ。そして今日の非正規職化、低賃金化、強労働に苦しむ全労働者階級・勤労人民の労働組合への結集の拠点となってきているのである。
 特に重要なのは、第3の分割・民営化の「本番」ともいうべき乗務員勤務制度解体の攻撃に対する渾身の決起として、動労千葉がエルダー(定年退職後の再雇用)運転士に対する「見極め試験」の強制という労働者の誇りを奪う悪質な攻撃を打ち砕いたことだ。さらに3・16ダイヤ改定阻止の決戦にストライキで決起したことである。この決起こそ、乗務員勤務制度解体が全国鉄労働者を殺人的な長時間労働に追い込む攻撃であることを暴き、同時に組織拡大をもって労働組合の再生・強化を呼びかけたのである。これと一体でかちとられた動労総連合の各地でのストライキなどの決起は、動労千葉・動労水戸―動労総連合がJR資本と全面対決し、外注化阻止・非正規職撤廃、非正規職労働者の組織化という現下の最大の階級攻防の最先頭に躍り出るものとなった。
 動労総連合はさらに、国鉄1047名解雇撤回闘争の新たな出発点を築く闘いに踏み出している。国鉄1047名闘争は、実は労働組合の団結に徹底的に依拠し職場生産点でこそ勝負する闘いである。解雇との闘いはまさに職場生産点における極限的分断との死闘であることを今こそ鮮明にして闘おう。

労組解体攻撃に反撃

 この動労千葉・動労水戸―動労総連合の闘いは今、日帝・安倍政権の改憲攻撃と完全に一体となった新たな労働組合解体の歴史的大攻撃に真っ向から立ち向かい、闘って勝ちぬく運動を必死に創造し、強化している。
 動労千葉とともに3労組共闘を形成する全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部への共謀罪型の労働組合弾圧との闘いはその最先端だ。この弾圧は労働組合を解体し産業報国会化を狙う攻撃であり、これを打ち破ることは国鉄を始め全労働者の普遍的課題である。
 この弾圧は、関西生コン支部の闘いに対する日帝中枢から発した悲鳴とあがきである。関西生コン支部はその強力な団結と戦闘力で中小零細の生コン会社を協同組合に組織し、ゼネコンに収奪される新自由主義の産業構造にくさびを打ち込んだ。それによって生コン価格を引き上げ、生コン労働者の労働条件や権利を守り、零細業者をも守った。安売りなどの競争や分断を労働組合の団結で打ち破り、そこからストライキを始め実力闘争をかちとる力を生み出してきた。この団結から改憲阻止闘争や反戦闘争など政治闘争への決起がかちとられている。
 組合員のべ約60人の逮捕という大弾圧との闘いにも勝ちぬいている力こそ、資本と闘うこの日常的な労働組合運動の団結と実践の中から生み出されているものだ。弾圧を逆に労働者の新たな階級的決起をつくりだしていく契機に変えて、闘いは進んでいる。
 またこの間、全国港湾労働組合連合会(全国港湾)が3・31と4・7の24時間ストに続いて、ついに4・14〜15の48時間ストに突入した。全国の物流を止めるストライキだ。さらに、4・21にも24時間ストを打ちぬいた。これも産業別統一交渉の破壊という労働組合解体攻撃にストライキで総反撃を開始した最先端の闘いであり、階級情勢を根底的に揺さぶっている。
 今こそ、この労働組合解体攻撃との絶対非和解の闘いを核心として、ストライキの全面的な復権をかちとり、労働運動の拠点建設を飛躍的に前進させる時が来ている。安倍の「働き方改革」攻撃に対する労働者階級の大衆的な反撃を現場から創造的にどんどん生み出し、育て、力をつけ、日帝・安倍の改憲攻撃の土台をグラグラに揺さぶっていかなければならない。

⑶星野解放求める全人民の声に追い詰められた敵権力

 これらの階級的激突に鋭くかつ大衆的な巨大な広がりをもって踏み込んだ闘いこそ、星野文昭同志解放闘争であった。3月25日、四国地方更生保護委員会は仮釈放を許可しないことを決定し、なんと新元号が発表された4月1日に徳島刑務所長が星野同志に通告した。星野同志は「僕は逆境に強いから、こういうことがあると、かえって元気になる。絶対に勝利するよ」と暁子さんとの面会で伝えている。この星野同志の仮釈放不許可への悔しさと怒りを腹の底からの力に変え、星野解放へ一刻も休むことのない闘いに総決起しよう。
 2017年2月、「30年問題に全力で取り組み、星野さんをとりもどす」という歴史的決断のもとに新たに始まった闘いは、更生保護委員会への13回の申し入れ、1万8千通を超える要望書、全国170カ所の星野絵画展、3回の新聞意見広告、高松での2回の全国集会とパレード、韓国テグでの詩画展、国連への通報、参議院議員会館での院内集会などを通して、安倍政権と更生保護委員会に仮釈放する以外にない巨大な運動を突きつけた。日帝権力は、いわば無期刑の終身刑化、獄死攻撃を策動してきたことそれ自身の「破綻」に極限的に追い詰められ、改憲・戦争に突進する国家権力の意志そのものを体現して、一片の道理もない超反動の決定を強行する以外になくなった。それは「星野解放」という革命の炎がますます日帝権力を焼き尽くす火柱として燃え続ける以外になくなった、ということである。
 満身の怒りとともに、敵権力をここまで決定的に追い詰めた力をもって、さらなる大運動を絶対に爆発させよう。4月18日、権力は急きょ、星野同志を徳島刑務所から東日本成人矯正医療センター(旧八王子医療刑務所)に移監した。星野同志の健康を守りぬき、実力で奪還する闘いはいよいよ重大段階に入った。要望書をさらに拡大し、国会議員を先頭にした申し入れを展開し、絶対に生きて奪還するという決意を実現するためにあらゆる手段を尽くして闘いぬこう。

「革命の火薬庫」沖縄

 この星野同志にかけられた仮釈放不許可は、沖縄県民投票・県民大会に対する辺野古土砂投入と全く同様の攻撃だ。追い詰められた支配階級が「闘いをあきらめさせる」ためにのみ行う、極めて理不尽で非道な攻撃となっている。この沖縄と星野を貫く圧殺攻撃は、帝国主義の危機と破綻と弱さの表れである。労働者人民の側が不撓(ふとう)不屈に闘えば、そこに立ちはだかる壁は絶対に打ち破ることができる。
 日帝・安倍は、沖縄・辺野古への土砂投入に一片の道理もないことを百も承知で凶暴な攻撃を仕掛けている。戦後沖縄の労働者階級を先頭とする不屈の闘いの歴史を抹殺し、現在もさらに燃え上がる「基地の島」「非正規職の島」への怒りを圧殺しなければ、改憲・戦争攻撃を進めることなど絶対にできないと分かっているからだ。同様に、70年安保・沖縄闘争の正義性を体現して獄中44年を闘ってきた星野同志の釈放は、日帝自身の不正義と犯罪性を認めることになる。だがその拒否は、今や星野闘争と沖縄闘争を完全に一体化させ、沖縄を再び「日本革命の火薬庫」として燃え上がらせていく。
 この星野と沖縄の闘いに、被曝・帰還の強制と闘う福島の闘い、農民殺しの国策と徹底抗戦を貫く三里塚闘争を始め、今日の新自由主義のもとで生活・生存・生命を脅かされる幾千万の労働者階級人民の怒りと闘いが固く深く結びつき、どこまでも発展していくことは不可避である。
 1〜4月の闘いが切り開いた地平の上に立って、直ちに次の闘いに突入しよう。天皇制反革命を粉砕して5・1銀座メーデーを圧倒的にかちとり、5・5入管集会を成功させ、「復帰」47年の5・15沖縄闘争を沖縄全島ゼネストへの出発点として闘いとろう。
 職場と地域に渦巻く全ての怒りを結集し、階級的労働運動と「改憲・戦争阻止!大行進」運動の巨大な発展をつくりだしていくことが革命情勢をさらに決定的にたぐり寄せる。青年労働者と学生はその最先頭で全ての未来を自らの手で切り開く気概をもって闘おう。

第三章 日々深まる世界戦争の危機と革命的情勢の全世界的な成熟

 新自由主義的帝国主義体制は、08年大恐慌の歴史的爆発以来、帝国主義世界体制の分裂と争闘戦を加速度的・非和解的に激化させている。そして今や帝国主義的侵略戦争、帝国主義間・大国間の戦争、すなわち世界戦争へのプロセスが端緒的に始まったという段階に突入している。
 それはまさにレーニンのいう革命的情勢への全面的な突入である。革共同は、この情勢認識・時代認識とそれに対応する戦略・戦術をもって、プロレタリア革命の戦取に向かって全労働者階級の闘いの先頭に立って闘いぬくことを宣言する。
 この〈歴史的大恐慌の爆発〉から〈世界経済の分裂と収縮―争闘戦の激化〉〈その戦争への転化〉という流れは、順次進行していくものではない。この全体が相互に影響を与えあい、それぞれに激化し、一体となって、ついには侵略戦争―世界戦争の全面的爆発へと向かっていくのである。今日的段階でもすでに戦後世界体制は、国際機構・国家関係が分断され、分裂を深め、事実上の解体過程に突入している。米帝を始めとして主な帝国主義諸国や中国・ロシアなど、全ての国々や地域で経済的破綻、政治的危機、分裂・抗争、動乱、混乱、社会的崩壊が恐ろしい勢いで進行している。

世界大恐慌の爆発へ

 世界大恐慌は一層進行し深まっている。今日、全メディアが「世界景気、同時減速」と語る世界大不況の切迫とは、2008年のリーマン・ショックをはるかに超える歴史的な世界大恐慌の深化、発展、爆発以外の何ものでもない。
 08年のリーマン・ショックで突き出された大恐慌と大不況という世界経済の破局の基底には、資本主義・帝国主義の最末期の延命形態である新自由主義的帝国主義のもとで、全世界的に膨大に蓄積されてきた過剰資本・過剰生産力の問題がある。
 過剰資本・過剰生産力による利潤率低下、資本蓄積の危機に直面した帝国主義は、民営化・規制撤廃、グローバル化、労働組合破壊と賃下げ、総非正規職化、社会保障解体、間接税増税と企業減税、金融緩和とITによるバブル形成という新自由主義の展開によって延命してきた。しかしそれは経済大国化した中国を含め全世界的規模でさらにすさまじい過剰生産力を形成するとともに、あふれかえるマネーによるバブルの膨張をもたらし、ついに08年のバブル破裂と大恐慌に行き着いた。
 米帝を始めとする全世界のブルジョアジー(と中国スターリン主義)は、29年大恐慌と革命的危機の再来に心底震え上がった。そこから彼らは、なりふり構わぬ財政支出拡大、中央銀行による国債や株の買い取りも含む超金融緩和による過剰マネーの異様な拡大でバブルを人為的に再燃させることまでやって、恐慌の爆発を引き延ばしたのである。その結果もたらされたのは、国家と民間企業・家計における過剰債務である。それが大不況の接近とともに破滅的に爆発しようとしている。特に日帝はすさまじい財政危機によって最大の破綻を迎えている。
 こうして70年代後半以降の過剰資本・過剰生産力の矛盾と危機の「乗り切り」を求めた新自由主義的延命策の全てが総破産し、大恐慌の最後的大爆発の時が迫っているのだ。

基軸国・米帝の没落

 重要なのは、帝国主義段階の世界恐慌は29年恐慌と同様に〈基軸国の没落による世界経済の分裂〉と〈世界的な過剰資本・過剰生産力〉が交差して発生することである。すなわちこうした世界大恐慌の進展は、戦後帝国主義世界体制の基軸国であったアメリカ帝国主義の決定的没落によって引き起こされ、それを押しとどめることはできない。しかも大恐慌の歴史的過程での激烈な破壊力は帝国主義間・大国間の争闘戦、むきだしの保護主義・国益主義となって爆発していくのである。
 米帝・トランプ政権の登場と保護主義・排外主義の諸政策は、一時的な「踏みはずし」では決してない。戦後世界の基軸国であった米帝が歴史的に没落し、内外危機の激しさによって崩壊的危機に陥り、のたうちまわっているからこそトランプは大統領となり、トランプ政治へと突入したのだ。
 米帝は今や、残存している帝国主義としての軍事力や先端技術の優位性・先行性に必死に依拠し、保護主義、米国第一主義を唱えて全世界の再分割戦に乗り出し、他帝国主義や中国・ロシアなどを押し潰してでも帝国主義的利益・権益を再獲得しようとしている。米帝ブルジョアジーとその政治権力は世界を分割・再分割するために帝国主義的実力・軍事力を駆使していく以外になくなっているのだ。この間の米中貿易戦争、米中対立の激化は、そうした世界史的趨勢(すうせい)の中で必然的に生じているのである。

米中激突が非和解に

 実際に、米中貿易戦争はまさに米帝の没落から発し、米製造業の衰退は米が部品供給網を喪失するほどである。米製造業の最大の柱である航空宇宙産業=軍事産業であるボーイングのインドネシア、エチオピアで相次いだ主力最新鋭機「737MAX」の墜落事故は、全世界の米市場の一挙的崩壊をもたらしている。米製造業の崩壊が米帝の経済的・軍事的な没落を決定的に促している。
 こうした米中貿易戦争とファーウェイや5G(第5世代移動通信システム)をめぐる米中間の争闘戦は、米帝が「中国製造2025」などの中国の国家建設路線の粉砕をかけて仕掛けているものであり、すでに「レッドライン(譲れない一線)」をめぐる非和解的激突として発展している。この米中激突こそ世界経済の途方もない収縮・分裂をもたらし、帝国主義間・大国間の争闘戦をさらに決定的に促進する。日本、ドイツ、フランス、イタリア、何よりもEU(欧州連合)離脱をめぐるイギリスなどの帝国主義の危機とブロック化・勢力圏化が急速に進行している。そこには出口は一切なく、世界戦争への道に拍車をかけていく。
 ハノイでの第2回米朝会談の「決裂」という事態は、「非核化拒否」が北朝鮮スターリン主義・キムジョンウン(金正恩)体制の絶対的生命線である以上、どう取り繕おうとも結局は米中対決、中朝関係と連動して、帝国主義による北朝鮮への侵略戦争と北朝鮮スターリン主義の転覆、南北朝鮮の帝国主義的勢力圏への取り込みに向かうしかない。

日帝経済の破滅的危機

 米・中、北朝鮮・韓国を軸とするこのような争闘と対立の激化は、アジアにおける日帝を極めて危機的な状況にたたきこんでいる。
 今日、日帝・安倍政権は絶望的な危機にあえいでいる。最も激しいのは日帝経済の破滅的危機である。今やアベノミクスのウソとペテンがはぎとられ、「景気後退」へと転落している。日銀の国債買い入れが野放図に拡大するとともに、日銀が「日本最大の株主」という超異常な事態が明らかになっている。マイナス金利など財政金融政策はとっくに破産し、約1千兆円という途方もない債務残高は膨れ上がるだけである。
 決定的なのは、日帝の製造業の米帝をも超える衰退・崩壊である。日帝産業の技術力・生産力・シェアの無残な競争力喪失と没落である。とりわけAI(人工知能)・IoT(モノのインターネット)などの最先端技術においては完全に脱落してしまっている。さらに人口の減少、地方の崩壊という新自由主義が自ら生み出した危機にあえいでいる。
 重大なのは、米帝による対日帝争闘戦の展開である。トランプでなくても、米帝にとって日帝は争闘戦の最大の標的なのだ。米中貿易戦争によって日米の激突がさらに激烈化することは確定的といってよい。
 今や日帝ブルジョアジーは、内外の危機にのたうちまわる中で「生産性の向上」をひたすら絶叫し、労働者階級への階級攻撃にその突破の一切をかけている。
 日帝は、この国内階級支配の危機と日米帝国主義間の矛盾がますます大きくなり激化していくことが避けられない中で、日米安保のもとで日帝・自衛隊を「戦争する軍隊」として形成し、何よりも敗戦帝国主義の負の遺産としての憲法9条体制の打破、すなわち改憲・戦争の攻撃に突き進む以外にない。それは日本労働者階級人民の戦後的意識を一掃し、天皇制をテコとした愛国主義と排外主義のもとへと組み敷く一大階級決戦を不可避とするものだ。

革命開く韓国の闘い

 こうした世界危機が深まる一方で決定的なのは、世界の至るところで例外なしに労働者人民の怒りにみちた大ストライキとデモの波が巻き起こり、労働者階級を先頭に変革と革命を求める闘いが激化し、拡大しつつあるということである。最末期帝国主義の新自由主義下で世界大恐慌が引き起こした労働者階級の職場・生活・社会全体への破壊的現実に対して、ストライキと大デモのうねりが巻き起こっている。さらに戦争への危機という現在の内外情勢下で革命的情勢が至るところに生み出されている。
 韓国労働者階級の闘いは、パククネ政権を打倒した「ろうそく革命」の爆発と勝利の上に、その社会革命としての継続・発展を求めてなおも不屈に展開され、ムンジェイン(文在寅)政権との新たな対決に入っている。「ろうそく革命」は、労働組合運動の力を本格的・全面的に引き出して勝利した偉大な「革命」である。ロシア革命史になぞらえていえば、現代21世紀の現実の中で歴史を切り裂く力をもって開始されたプロレタリア革命であり、まずは「1917年2月革命」に匹敵する突破口を切り開いたといえるのである。
 この韓国労働者階級の歴史的勝利は、現在の帝国主義的新自由主義の破産によって世界史的な革命的情勢が到来していることを明らかに示している。
 さらにこの闘いがアメリカでのトランプ的暴政と根底的に対決するUTLA(ロサンゼルス統一教組)の大ストライキにつながり、アメリカ階級闘争の歴史を塗り替える大勝利となっているのだ。またフランス帝国主義・マクロン政権を根本から揺るがす「黄色いベスト」運動の大デモの継続的・勝利的爆発。さらにドイツ・ベルリン交通労働者のストライキ、イギリスのEU離脱をめぐる100万人のデモ、スペイン、トルコ、中国での労働者階級の決起へと波及している。
 このような世界的に成熟する革命的情勢に対応する全世界のプロレタリアートの階級的・革命的な決起と大運動に、日本労働者階級も決して後れをとっているわけではない。本質的には日本こそまさに革命情勢そのものの情勢を迎えている。

第四章 国鉄決戦軸に安倍打倒を闘い日本階級闘争の革命的転換を

⑴労組解体と産業報国会化攻撃を一大反乱の引き金に

 求められているのは、日本階級闘争の革命的大転換と飛躍である。改憲・戦争阻止、安倍政権打倒の2019年決戦の爆発は、現在の革命情勢をゼネストからプロレタリア革命の爆発に向かって切り開いていく一大転換点をつくりだす。その核心は階級的労働運動の大発展にある。
 ここにおいて、国鉄決戦を柱に11月労働者集会が積み重ねてきた3労組共闘、国鉄闘争全国運動の陣形が軸となり、17〜18年の準備を経て「改憲・戦争阻止!大行進」の陣形と運動が形成されていたことは決定的であった。この大行進運動は今や、地域的・戦線的なあらゆる運動体・グループ・諸個人を総結集する一大統一戦線的な大運動へと日々、勢いをもって成長している。
 そこでは戦後史を貫く日本プロレタリアートの戦争反対、改憲阻止の闘いの蓄積は巨大なものがあると改めて確信できる。この力が闘う労働組合を根底で支え、資本・権力と長期強靱(きょうじん)に闘いぬく階級的力を形成しているのだ。しかも日帝・安倍の絶望的な改憲攻撃は、逆にこれら全ての力を奮起させてしまっている。日本の労働者、学生、農民、市民、全階級・全階層と社会の隅々まで、今こそ立ち上がろうという機運と声が満ちあふれている。

分・民以来の大攻撃

 実際に日帝・安倍政権は、改憲と大軍拡、排外主義と天皇制攻撃による戦時体制づくりの大攻撃に踏み込んでいる。それは戦後労働者支配の大転換であるとともに、1980年代の国鉄分割・民営化以来の階級関係の歴史的大転換の攻撃である。
 第一に、安倍の「働き方改革」が改憲・戦争・天皇制攻撃と一体で仕掛けられていることである。4月1日に「残業上限規制」「高度プロフェッショナル制度」などの「働き方改革」関連法が施行された(「同一労働同一賃金」制度は来年4月施行)。これらは単なる戦後労働法制の改悪や解体にとどまるものではない。「働き方改革」の名のもとに労働法制の規範・基準も全面解体して、「労働組合のない社会」「非正規職だけの社会」につくり変えようとしているのである。新自由主義資本によるこの社会全体の再編は、労働現場を一変させ、ある種の「混沌(こんとん)とした無政府状態」にたたき込み、社会と人間を根底的に破壊するものだ。
 4月1日にはこの「働き方改革」と一体の改悪入管法も施行された。外国人労働者を「現代の徴用工」として事実上の奴隷労働を制度化するものであり、ここからも必ず破綻と矛盾が爆発していく。
 第二に、今春闘で突き出された連合の瓦解(がかい)・解体の情勢である。今春闘においてトヨタは「賃金相場の主役」を降り、ベアのような「一律横並びの賃上げ手法」の解体に踏み切った。その背景には、トヨタ資本を始めとした日帝ブルジョアジーの争闘戦での敗勢に対する激しい危機感がある。大恐慌と争闘戦の敗勢下での日帝製造業、日本帝国主義そのものの歴史的衰退・崩壊の現実がある。そこから日帝ブルジョアジー自身が今やはっきりと戦後階級関係の根底的破壊を狙って労働運動解体と現代の産業報国会化に決定的にのめりこんでいることを見ることができる。
 第三に、JRが日帝ブルジョアジーの最先端で極めて重大な攻撃を開始した。3月28日、JR東日本より「変革2027を踏まえたジョブローテーションの実施について」が提案・説明された。それは運転士や車掌という職名もなくし、これまでの乗務労働のあり方を一掃するすさまじい反動的内容である。幾世代にもわたる経験と実績で積み上げてきた安全律を葬り去り、乗務職場の安全を最後的に解体する、「鉄道史の破壊」(動労千葉・田中康宏委員長)に等しい歴史的大攻撃である。まさに国鉄分割・民営化以来の労働者支配の大転換であり、第3の分割・民営化の総仕上げを狙う攻撃だ。
 このJRの歴史的大転換の攻撃こそ、日帝資本の最先端でJR東労組すら解体して「社友会」をつくるという、改憲・戦争攻撃と一体の産業報国会化への踏み切りである。

産業協力思想で統制

 戦前の大日本産業報国会は、太平洋戦争突入の前年である1940年に結成され、組織率70%、会員数550万人であった。それは国家・資本による徹底した労働組合解体の残骸の上につくりだされた。同時に重要なのは、労働組合自身の変質なしには成立しえなかったことである。さらには日本共産党の壊滅に始まり全社会に吹き荒れた治安維持法による弾圧が成立を促した。また、長期にわたる中国侵略戦争のもとで社会の疲弊が極限に達し、全面的な国家統制への移行以外になくなった結果でもある。
 産業報国会とは、戦時下に労働者を国家主義的な産業協力思想で統制し、国に報いることを国民的義務にしていく運動であり、そのスローガンは「産業協力、労働奉公、ストライキ絶滅」である。「戦争協力」を直接、掲げてはいない。
 現代の戦争は国民総動員の総力戦であり、当時、死活の課題とされていたのが対米英開戦に備えた生産力の拡大と労働力の確保だった。これを具体化したのが「産業報国会」であった。重大なのは、当時の労働運動の指導部が「国体」理念すなわち天皇制イデオロギーに積極的に同調し、このもとに労働者を組織していったことである。「生産性の向上」と「労働力の確保」に向けて、教育活動、精神修養、労資の意思の疎通、技能向上、能率増進、しかも「産業安全」や「福利厚生」も行い、経済の国家統制のもとで「労働組合の地位確保」「労働者の自主性」を発揮させようというものであった。
 現在の安倍政権と日帝ブルジョアジー中枢、さらに連合の崩壊とUAゼンセンの動向を見るならば、この産業報国会が断じて「過去の亡霊」ではないことは明らかである。むしろ産業報国会の復活ぬきに日帝の延命はない、と言って過言ではない。
 だが日帝ブルジョアジーにとっての最大の危機は、労働組合は絶滅してはいないということであり、日本労働者人民の改憲・戦争への怒りは今なお強固に存在しているということである。戦争情勢とは革命情勢であり、労働者階級の怒りの決起は必ずプロレタリア革命を志向するものとして前進していく。このことが日帝・安倍を心底から震え上がらせている。今こそ、この革命的情勢に完全に対応した国鉄決戦と階級的労働運動の推進をかちとろう。
 そこでは革共同に、「直接にさしせまった社会主義革命の精神に則して、党活動全体をただちに、根本的に変えるということ」(「戦争の問題にたいする原則的立場」レーニン全集第23巻)が求められる。それこそ、1917年ロシア革命の勝利をこじあけた「4月テーゼ」的転換と飛躍を階級的労働運動の実践の中で極めて具体的にかちとっていくことである。

⑵労働組合のあるべき姿を示してきた動労千葉の闘い

 この転換と飛躍は、労働組合の解体・絶滅攻撃との闘いに勝ちぬくことに最大の核心がある。戦時下の情勢だからこそ、この労働組合解体攻撃と徹底的に闘い、階級的労働組合とその拠点建設をかちとることに、革命への道筋があるといってよい。特に今日の革命情勢の接近下で、革命のために党が労働組合を決定的に位置づけることである。すなわち今こそ党と労働組合の一体的建設の前進を、党自身の絶えざる変革をかけてかちとることだ。労働運動に分け入り、労働組合とその拠点を階級的につくりだすことに、全身全霊を傾けなければならない。
 もとよりこの闘いは並大抵の闘いではない。あえて言えば悪戦苦闘の連続でもある。だが極めて価値創造的であり、すぐれて目的意識的な闘いである。
 この価値創造性と目的意識性の中には、動労千葉の闘いが豊かに存在している。特に今日の新自由主義の崩壊のもとで、動労千葉の打ち立ててきた反合・運転保安闘争路線がますます決定的である。
 動労千葉は、70年代の闘いを通して反合理化闘争を、合理化への受け身の闘争ではなく「攻め」の闘いに転換した。それまで労働者の責任とされてきた事故・安全問題を資本にとっての「アキレス腱(けん)」として突き出し、労働組合の団結の闘いに決定的に転化していった。ここでいう「攻めの闘い」とは、職場でのオルグ・組織化を核心にすえた、職場支配権の奪還のための日常的な闘いこそが最大の「攻め」である、ということである。動労千葉はこの反合・運転保安闘争によって、三里塚ジェット燃料輸送阻止闘争の組織化(=動員戦)と「拒否から阻止へ」の団結をかちとり、国鉄分割・民営化絶対反対を闘いぬく力と団結をつくりだしてきたのである。
 この反合・運転保安闘争は、労働者階級が賃金闘争・経済闘争による資本との日常的な攻防戦を闘い、団結を拡大する基本組織・基礎的団結形態としての労働組合の本来のあり方をよみがえらせた。この反合・運転保安闘争に貫かれている階級性の中に、労働組合とは資本との日常的攻防と絶えざる労働者の組織化を通して労働者階級の究極的解放、すなわち「賃労働制度そのものと資本の支配を廃止するための組織された力」(マルクスが執筆した第1インターナショナルの決議「労働組合、その過去・現在・未来」)であることが鮮明に示されているのである。
 新自由主義とその崩壊は、資本の暴虐によって労働者全体、とりわけ青年労働者の雇用と労働条件を破壊し、非正規職化と貧困、労働地獄の真っただ中に陥れていく。闘うことによってしか労働条件の確保などありえず、生きていくことができない状況が広がるのだ。このとき、反合・運転保安闘争路線は労働者が労働組合に結集して闘う最大の武器になっていく。この確信をもって、JRのみならず全産別・全職場、特に青年労働者へのオルグに入り、必死に団結をつくりだそう。
 階級的労働運動と労働組合の闘いと行動の原点は、労働者へのオルグであり、団結の組織化である。だからこそ、階級的労働運動には路線と正義性が求められる。新自由主義と闘う階級的労働運動を確立してきた国鉄決戦は、今やさらに進んで新自由主義による社会の崩壊と闘う階級的労働運動を切り開いている。国鉄決戦には、労働者が自らの経験に基づいて闘いの社会的意義や正義性を確信し、その闘いを積み重ねて階級的団結を形成していくことを可能にするものがすでに圧倒的に打ち立てられている。
 したがって、今日これから本格的に切り開いていくべき非正規職撤廃闘争の路線的・運動的発展も、この国鉄決戦との結合の中でこそ現実性と巨大な可能性をもってくるのだ。

⑶階級的労働運動の前進と「大行進」運動の一大発展を

 日本の労働者階級は国鉄決戦を牽引車に、全階級・全人民の総力を結集して1〜4月決戦を勝ちぬき、天皇制攻撃と治安弾圧を打ち破り、改憲・戦争阻止の一大階級決戦の全面的・本格的爆発と飛躍をさらに巨大に切り開こうとしている。
 何よりも労働者階級としての誇りにかけて、5・1メーデーの圧殺を狙った天皇退位・即位の儀式とそれへの国民的動員の大反動をはじき飛ばして、階級的労働運動の推進をかちとっている。全世界の労働者階級が血と汗の歴史で築き上げたメーデーを断固守りぬき、世界史的な革命情勢に労働者国際主義をもって躍り出ている。この5・1メーデーに総決起した地平から6・9国鉄闘争全国運動集会に総進撃しよう。
 6・28〜29のG20サミット、それに先立つ安倍の訪米、トランプの新天皇との会見も含めた4〜6月の毎月の日米首脳会談は、断末魔の危機にあえぐ安倍とトランプの反革命的結託の過程であり、その全てが日帝・安倍の改憲攻撃である。この改憲・戦争と真っ向から立ち向かうのが6・9国鉄集会の大結集であり、「改憲・戦争阻止!大行進」運動の全面的な発展である。
 国鉄決戦は、改憲・戦争攻撃の激化のもとで、階級支配の転換をかけたJR資本の大攻撃との決戦としてますます決定的に煮詰まっている。その最先端が、乗務員勤務制度解体の攻撃が行き着いた運転士・車掌の廃止攻撃との闘いである。同時にある意味では、第3の分割・民営化の最大の攻撃こそ常磐線全線開通攻撃である。動労水戸が国鉄分割・民営化との不屈の闘いの末に2011年3・11福島第一原発事故に直面して、職場からK544闘争(放射能に汚染された列車の検修作業拒否闘争)を被曝労働拒否闘争として生み出したことは決定的であった。この地平をなんとしても発展させよう。
 6・9国鉄集会をめぐる大攻防に勝ちぬき、国鉄決戦・階級的労働運動を推進軸にして、職場生産点、学園、地域などで労働者人民大衆の中にもっと深々と入り、労働者階級のゼネストをめざす闘いを現実に組織しよう。そのためにも労働組合や学生自治会などの拠点建設をかちとり、強力な階級的闘争陣形を築き上げるために全力を尽くそう。
 その一切の力を結集して「改憲・戦争阻止!大行進」運動の拡大・強化に全力を挙げ、階級戦のど真ん中に全階級的・全人民的な、具体的な運動体として一定の物質力をもって登場し、闘う労働者人民の圧倒的な大結集をかちとっていくのである。
 階級的労働運動のための闘いが勝利的に前進し、それが「改憲・戦争阻止!大行進」運動と結合するとき、その両者がともに革命的大発展をかちとり、プロレタリア革命の道を切り開く力を示す。このダイナミックな発展をかちとろう。

全産別で拠点建設を

 階級的労働運動を軸とする「改憲・戦争阻止!大行進」運動にとって、広島の教育労働者の改憲・戦争阻止100人声明は、闘いの決定的な地平である。この決起は、勤評闘争の歴史的地平を引き継ぎ、「日の丸・君が代」強制との闘いを超えるような階級的意義をもっている。
 改憲・戦争という日帝支配階級の全体重をかけた大攻撃に対して、教育労働者があえて言えば自らその全重圧を引き受けて、100人以上の団結をかちとったのである。重要なのは、この決起がこれで終わらず、必ず次の、また次の決起へと続いていくことなのである。そういうものすごい生命力をもった闘いが始まったのだ。この運動を戦闘的・原則的・創造的になんとしても拡大しようではないか。
 さらに公務員労働者の総反撃が始まった。改憲阻止の闘いと一体で、18秋闘での東京・特区連や東京清掃労組の大幅賃下げ阻止の闘いを先頭に、職場における会計年度任用職員制度と「自治体戦略2040構想」の民営化・非正規職化攻撃との激突となっている。重大なのは、改憲・戦争攻撃との関係では公務員労働運動・労働組合をめぐる攻防が一挙に最前線となることだ。自治体の戦争協力を許さない自治体労働運動をかちとろう。
 合同・一般労組は、「働き方改革」による非正規職化攻撃との闘いを労働組合の階級的団結へと組織化していく飛躍が求められている。特に現在の連合の危機の中で唯一、UAゼンセンの産業報国会化が進行しているが、なんとUAゼンセンによる非正規職労働者の組織化によって連合全体がわずかに組織拡大をしている。これと対決し、階級的労働組合への非正規職労働者の組織化と、正規職・非正規職の団結した決起を圧倒的につくりだそう。合同・一般労組こそ「労働組合のない社会」を打ち破る闘いの最前線にある。
 労働者階級は民族・国籍・国境をこえて一つだ。外国人労働者との団結、国際連帯を重視し、発展させよう。国鉄決戦を基軸に、全産別での階級的労働運動とその拠点建設の着実な前進をかちとり、ゼネストを実際に打ちぬく力をつくりだそう。

⑷学生の団結の中心に立ち全学連が改憲阻止の先頭に

 全学連は、京都大学を始め大学自治をめぐる攻防に取り組みつつ、4月杉並区議選と新歓の二重の決戦を見据えて準備してきた。そしてこの4月、杉並区議選でほらぐちさんの勝利への総決起体制をつくるとともに、新歓で多くの新入生とのつながりを得ることに成功した。
 現在、大学・学生をめぐる状況は転換期だ。新自由主義政策の進展は大学すら商業原理にたたきこみ、すさまじい腐敗を生み出している。医療界のブラック労働を背景とした医大での女性差別、日本大学の「悪質タックル」で暴かれた理事長独裁のおぞましい構造、「金もうけにならない」と削られる基礎研究と教員たちの悲鳴・はびこる御用学問、そして学費の高騰・奨学金地獄による学生の貧困......。京都大学で現在進行しているように、闘う学生には、大学当局と公安警察とが一体となった激しい弾圧が続いている。
 この中で、多くの学生団体は消滅し、あるいは屈服・変質し、力を持たない存在にされてきた。しかし学生の憤激・社会への疑問は日増しに高まり、今、あらゆる「期待」が全学連に集まってきている。大学をめぐる攻防は、明確に転換の時を迎えている。帝国主義の指導部を育成する役割を持った東京大学から全学連・高原恭平委員長が輩出されたことはその象徴であり、始まりにすぎない。いや、「始まり」にしなくてはならない。
 引き受ける「期待」に対し、全学連や、マルクス主義学生同盟中核派を始めとした新自由主義と闘う学生勢力の力はいまだ小さい。闘いの軸にマルクス主義学生同盟中核派の強化・拡大を据え、学生の闘う団結の中心に立っていこう。この団結のもとで、吉田耕さん、阿津良典さんの保釈もかちとられた。
 学生が団結していく時、その怒りは必ず改憲・戦争に向かう。前進チャンネルを始め宣伝のさらなる変革を通して若い仲間を募り、新しい社会の担い手を生み出していく先頭に全学連は立つ。
 改憲・戦争を阻止し、社会の根本的変革をかちとる最先頭を走っていこう。

第五章 プロレタリア革命の勝利かけ党と労働組合の一体的建設へ

 プロレタリア革命の勝利に向けて革共同の革命党としての大変革と飛躍が求められている。革共同を、階級的労働運動・労働組合運動を実際に闘い、指導できる党、マルクス主義の党、青年・学生の党へと、もっと思い切って変革しよう。
 「マルクス主義の党」建設の今日的課題は、労働者自己解放というマルクス主義の思想を党と労働組合の一体的建設と階級的労働運動の現場でいかに実践的に貫くのかにある。労働運動の中で直面する現場の困難性や苦闘とは、マルクス主義を貫く困難性や苦闘でもある。党の敗北や変質は実際には、この現場での格闘を避けて通ろうとするところから生まれてくる。革共同はこのことを、われわれ自身が直面してきた苦しい経験を通して改めて学び、胸に刻んで、党としての新たな飛躍に挑戦していきたい。
 マルクスとエンゲルスは、「大切なのは世界を解釈することではなく変革することだ」という立場に立ち切り、『ドイツ・イデオロギー』によって実践的唯物論を形成し、『共産党宣言』を打ち立て、さらに『資本論』によって、労働者階級自身の手による資本主義社会の転覆と共産主義社会建設の理論的根拠を全面的に明らかにした。ここに確立されたマルクス主義の労働者階級自己解放の思想は、今日の新自由主義とその崩壊の中でこそ、まさに労働者の資本・権力と闘う現場での生きた闘いの思想として、全面的によみがえらせなくてはならない。

革命的規律と細胞性

 党と労働組合の一体的建設の課題は、同時に党の階級的・革命的規律の形成の課題である。それは、労働者階級の中に深々と分け入り、階級の全生活と闘いに密着した党の活動の内容と結合して初めて成り立つ。
 レーニンは、『共産主義における左翼空論主義』(レーニン全集第31巻)において、ブルジョアジーに勝利するためには「プロレタリアートの無条件の中央集権ともっとも厳格な規律」が必要であるとし、この規律がどのようにしてつくりだされるかをロシア革命の経験に基づいて明らかにした。すなわち、プロレタリアートの革命党の規律とは、端的にいえば、①「プロレタリア前衛の自覚」(共産主義者=党としての自覚)、②広範な労働者大衆と結びつく政治能力(現在のわれわれの課題としては特に、労働運動・労働組合を組織し指導できる能力)、③政治的指導と戦略・戦術の正しさによって保障される。この③には「ただし、それはもっとも広範な大衆が彼ら自身の経験によってこの正しさを納得するということを条件とする」という重要な一文が付されている。
 ここで言う②の政治能力と、③の「大衆自身の経験」に基づいて検証される正しい方針とは、党と労働組合の一体的建設論の実践の中でこそ築き上げられてくる。さらに、レーニンが①②③の条件について「長期にわたる労苦とくるしい経験によってはじめてつくりあげられる」と述べていること、そして「これらの条件をつくりあげるのを容易にするものは、正しい革命理論である」とし、この革命理論は「ほんとうに大衆的な、ほんとうに革命的な運動の実践と緊密に結びついてはじめて、最終的にできあがる」と強調していることも、改めてつかみ直したい。
 この革命的規律は党の細胞性の土台であり、逆に党の細胞性によって革命党の規律=革命党の団結はつくりだされる。それを保障するのは労働者大衆と深く結びついた党の日常的な活動(細胞的討論と実践)であり、党の中央委員会と全国の党細胞との緊密な関係の確立である。この党の革命的規律と党の細胞性の確立、そして〈中央委員会と細胞〉という革共同の党組織の原基形態を、今日の革命情勢の接近・突入のただ中でこそ豊かに、強力に再確立することが求められている。それは、党と労働組合の一体的建設の苦闘と不可分一体であり、革共同の労働者指導部建設の変革と飛躍をかけた闘いである。
 こうした党活動の変革と飛躍を実現していく上で、最も重要な役割を果たすものこそ機関紙である。革共同の機関紙『前進』を、1千万労働者人民大衆の生活と闘いにもっと深く結びつき、まさに「闘う労働者階級の新聞」として、階級・大衆自身から求められるものに飛躍させていこう。『前進』の発行もまた、全階級・全人民の中に隅々まで組織された読者網を通した大衆との生きた交通によって支えられ、その大衆的拠金によって財政的にも支えられる。このことを改めて確認し、機関紙活動の大前進をかちとろう。
 財政活動も党の細胞活動の不可欠の一環である。闘いのために必要な資金を労働者大衆に正面から訴えて集めきり、財政活動を通して大衆との結合をさらに深めよう。

非合法・非公然の党を

 日帝・安倍の改憲・戦争、天皇制攻撃の中で決定的な戦略的性格をもつものは、闘う労働組合つぶし、学生自治会つぶしの攻撃と、革命党としての革共同の解体攻撃である。それは合法的と非合法的とを問わない大弾圧の攻撃である。その基底には破壊活動防止法型の共謀罪弾圧があり、警察権力の野放図な暴力行使を伴って進行している。
 この弾圧との闘いを労働者階級とその党は「革命情勢の接近」としてとらえ、今こそ非合法・非公然の党、組織をつくり、階級的労働運動と革命的共産主義運動を一体的に推進し、強力に発展させていくことが求められている。レーニンは帝国主義戦争の危機を革命的情勢としてとらえ、党の活動全体を根本的に変えて、革命的宣伝・扇動と革命的大衆行動への着手とともに、非合法の革命組織をつくりだすことを繰り返し提起している。その際、「一つでも合法的な足場を明け渡してはならない」と言っている。
 この非合法・非公然の党の建設は、今日の革命的情勢において、労働者階級人民に深く広く依拠する闘いを一層全面的に展開する中でこそやりぬくことができる。すなわち、「労働運動のできる党」の建設と「非合法・非公然の党」の建設は一体の課題である。ここでも、階級に根ざした党の革命的規律と細胞性こそが一切の原動力である。
 こうした一切の変革と飛躍の成否は何よりも、革共同の中心に青年世代が党の主力として登場することにかかっている。杉並区議選の勝利をその決定的出発点として闘おう。

このエントリーをはてなブックマークに追加