空自F35A戦闘機が墜落 侵略軍隊化の中で事故は起きた
空自F35A戦闘機が墜落
侵略軍隊化の中で事故は起きた
原因不明のまま計画続行を企む
航空自衛隊が導入したばかりの新型戦闘機F35A(青森県・三沢基地所属)が4月9日の午後7時30分ごろ、基地から135㌔東方の太平洋上で訓練中、墜落した。パイロットは40代の三等空佐だった。直後の捜索でちぎれた尾翼を回収したが、機体のほかの部分とパイロットは見つかっていない。
三沢基地の周辺住民からは「一歩間違えれば、市民が犠牲になっていたかもしれない」と怒りの声が上がっており、自衛隊員の中にも不安が広がっている。
墜落したF35Aはレーダーに映りにくいステルス機で、強力な爆弾を搭載でき極めて攻撃性が高い。安倍政権はF35シリーズを航空自衛隊の次世代の主力戦闘機に位置づけている。
防衛省は、墜落した機体が過去に2度、飛行中の不具合で緊急着陸していたことを明らかにした。墜落機以外に4機が18年4月〜19年1月の間に計5回、操縦系や燃料系などの不具合で緊急着陸していた。
F35戦闘機は米ロッキード・マーチン社製で、機体内部の詳細は日本側に開示されていない。昨年6月には米会計検査院が966件の不具合を指摘していた。「最新鋭」などというがとんでもない欠陥機だ。
しかし、防衛省は墜落事故の後も、昨年12月に閣議決定した、F35戦闘機を105機追加で購入する方針を「変更する考えはない」と表明した。さらに「米軍は、飛行を続けながら改善する方針で、安全性に影響のある課題がないことを米側に確認した」と、強弁している。操縦系の不具合で緊急着陸している機体が、安全なわけがないだろう!
巨額の金投入し大軍拡へと突進
安倍政権は昨年12月に「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」を閣議決定し大軍拡にかじを切った。安倍政権が米トランプ政権と一体となり、朝鮮半島への自衛隊機の投入や対中戦争を想定して、自衛隊を侵略軍隊化する中で事故は起きたのだ。
墜落した4月9日は、F35Aが4機で飛び立ち、2機と2機で攻撃側と防御側に分かれて戦闘訓練をしていた。墜落した機体は攻撃側の役割だった。
安倍政権は昨年末の日米首脳会談を経て、アメリカから105機のF35を追加で購入(1機100億円以上)して、A型を105機、B型を42機、計147機体制とする方針を決めた。防衛省は海上自衛隊の「いずも」「かが」を空母に改修し、短距離で離陸でき、垂直着陸ができるB型を艦載する考えだ。
さらに、米軍のF35Bの訓練が沖縄周辺で地元の抗議を無視して強行され、基地周辺に爆音による被害が拡大している。安保戦争法のもとで、自衛隊の空母を自衛隊機だけでなく、米軍機が使い空爆に飛び立つことが想定されている。
また、安倍政権の軍拡は労働者人民の生活を破壊しながら進められている。F35戦闘機147機の購入費・維持管理費は総額で6兆2千億円、墜落した機体だけで100億円以上だ。公立保育園の増設も奨学金も、十分にまかなえる。
戦争への突進は、自衛隊員と労働者人民の怒りを倍加させながら進む。怒りを運動に組織し、安倍の改憲と戦争をとめよう。