「特定技能」は奴隷労働だ 外国人労働者と団結しよう

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週刊『前進』04頁(3030号02面03)(2019/04/22)


「特定技能」は奴隷労働だ
 外国人労働者と団結しよう


 4月1日、改悪入管法が施行され、新たな就労資格「特定技能」が外国人の在留資格に加わった。安倍政権は、新自由主義攻撃が不可避に生み出した労働力不足の現実を前に、今後5年間で34万人を超える外国人労働者を受け入れ、奴隷労働さながらの強労働・強搾取を狙っている。
 しかも、安倍政権は天皇代替わりを5・1メーデーにぶつけ、東京オリンピックをテコに改憲・戦争に突き進み、労働者が歴史的に獲得してきた権利、労働組合をなきものにしようと襲いかかってきている。
 今や日本で働く外国人労働者は146万人を超えている(18年10月末時点)。うち技能実習生が30万8489人、留学生などの「資格外労働」が34万3791人となっている(厚労省統計)。この現状にさらに「特定技能」の在留資格で外国人労働者を導入しようというのだ。

家族の帯同は禁止

 ここ数年で200万人にも達しようという外国人労働者を徹底的に治安管理するのが、新たに発足した「出入国在留管理庁」だ。初代長官・佐々木聖子は、04~08年に「不法滞在者半減計画」を担当し、5年間で10万人以上を強制退去させた張本人だ。就任後、佐々木は「より信頼され、喜ばれる行政になるため努力する」と語った。
 しかし、今年1月、入国管理局長に佐々木が昇格するや、東京入管の収容場では味噌汁や醤油が有料となり、主食が激減、被収容者から「このままでは飢え死にする」との悲鳴が上がっている。
 「特定技能」導入の準備は遅々として進んでいない。「特定技能」は1号と2号があり、1号は介護、外食、建設など14業種が就労可能だが、日本で働けるのは最大5年、家族帯同は禁止という非人間的なものだ。3年以上の技能実習経験者は試験を免除されるため、初年度は6割方、技能実習生の移行を見込んでいる。不当労働行為が横行し、労災死、過労死、自死が多発するなど、「現代の奴隷労働」と国際的批判を浴びる技能実習制度を見直しもせず、その上に積み重ねる「特定技能」など絶対に許すわけにはいかない。
 2号は、雇用契約が続く限り就労可能で家族帯同も認められているが、導入される業種は建設など一部で、極めて狭い道だ。
 4月中旬、フィリピンで「特定技能」の介護分野で初試験が実施され、日本国内でも「宿泊」「外食」の試験が始まっている。この2業種は技能実習制度の対象にはなっておらず、受験したのは留学生が主だ。ほかの業種は、試験日程どころか、試験内容も決まっていないのが現状だ。

全労働者への攻撃

 その一方、「『特定技能』の創設による外国人労働者の受け入れ拡大が医療費の膨張につながる」(日経新聞4月17日付)として、健康保険法などの改悪案が4月16日に衆院本会議で可決され、参院に送付された。健康保険から給付を受けられる扶養家族を原則、日本国内の居住者に限るという。労働者家族の命にかける金などないと言うのか!
 さらに、「特定技能」の対象となった14業種について、「外国人材は最低賃金の高い都市部に集中し、地方の人手不足対策にならない」として「産業別に全国一律の最低賃金を設ける」という検討が行われている。現在の最低賃金は、最高が東京の985円、最低が鹿児島県の761円。最高額で一律化するはずもなく、外国人労働者導入を機に全労働者の賃金引き下げが狙われている。
 これは、最低賃金にとどまらず、全労働者の労働条件を切り下げ、非正規職だけの社会への転換を狙う攻撃だ。労働者階級を分断する入管法・入管体制を食い破り、外国人労働者と階級的に団結し、「生きさせろ!」の声を上げよう。
 4月18日、東京電力が「特定技能」で外国人労働者に福島第一原発の廃炉作業をさせることを決めたという衝撃的なニュースが流れた。本人同意なし、不十分な安全教育・装備で技能実習生を廃炉作業に従事させ、大問題になったばかりだ。絶対に許せない!
 5・1メーデーを改憲・戦争阻止の国際連帯として闘おう!
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