利権まみれの田中区政 公立保育園・児童館つぶすな オール与党の区議会変えよう

週刊『前進』02頁(3027号02面01)(2019/04/11)


利権まみれの田中区政
 公立保育園・児童館つぶすな
 オール与党の区議会変えよう


 田中良・杉並区長は、癒着と金まみれ(コラム参照)で、杉並区の公的業務の丸ごとの民営化を進めて、労働者を非正規職に入れ替えています。そして、区議会は「オール与党」と呼ぶべき状態で、日本共産党を含めて田中区長と徹底対決する議員はいません。ほらぐちともこさんを、田中区長と真正面から対決する区議として杉並区議会に送り込みましょう。

民営化の保育園は低賃金と人手不足が常態化

 田中区政は「杉並区立施設再編整備計画」を策定しています。その中身はなんと「道路・橋梁(きょうりょう)を除く596施設」を民営化するという計画です。これは、区の人件費の削減のために、公的事業を民間に丸投げして、区の公的責任を投げ捨てるものです。
 その田中区政で行われてきたことが、保育園の民営化です。田中区長は「待機児童ゼロ」の掛け声のもと、認可保育園を増やす一方で、区立保育園を次々と民営化してきました。すでに七つの公立保育園に指定管理者制度を導入して、管理を民間に委託しています。これからの5年間で、さらに1園が廃園、7園が完全民営化されようとしています。さらに、段階的に7割を民営化する計画です。
 この間、新たに設置された保育園の多くは民間企業が運営するものです。民間企業が運営する保育園では、資格をもった保育士が足りない、劣悪な労働環境によって保育士が集団退職、子どもにまともな給食が与えられなかったなど、悪いニュースが後を絶ちません。低賃金、人員不足、非正規職など、劣悪な労働条件のもとでは、労働者が子どものためにいくら身を削って働いても限界があります。労働者の思いをふみにじり、民間会社が利益を優先し子どもの命、健康、安全を損なっています。
 ある保育士は「子どもが育つ環境でない保育園が規制緩和の中でたくさんあります。子どもの人数に対する保育士の数も減らされ、規制緩和の中で保育士や子どもにしわ寄せが来ています。子どもたちの人権が置き去りです」と怒りをもって指摘しています。
 ほらぐちともこさんは、公立・民間を問わず、保育士の賃上げと労働条件の改善へ闘います。保育士、保護者と一緒に、保育園の民営化と非正規職化に反対して、区立直営保育園の拡充へ行動します。

児童館の閉鎖で子どもの居場所が激減している

 田中区政は、さらに児童館を全廃し、学校内に併設される学童クラブやゆうキッズに置き換えるとともに、民間業者に委託しようとしています。
 児童館は子どもの命と成長を守る場所であり、そこで働く労働者は誇り高い存在です。今でさえ非正規職の労働者は、低賃金にされ、育児・出産に関する休暇や権利がなく、アレルギーや特別支援の児童についてたった2時間の講習しかないという状態におかれています。児童館が閉鎖され、業務が民間委託されれば、労働者の非正規職化がいっそう強行されます。
 さらに子どもにとっても、児童館の閉鎖によって「居場所が激減し、子どもたちが漂流している。その多くが、塾や習い事に通えず、放課後の時間を持て余す貧困層」(『週刊東洋経済』)と言われています。子どもの貧困や児童虐待が問題になる中、児童館の役割はますます重要です。
 さらに、世の中を支えてきた高齢者の年金や医療、介護もどんどん削られています。障害者の福祉も民営化され、金もうけの対象にされています。
 安倍政権の軍事最優先、社会保障切り捨て、民営化の政治に追随する田中区政と対決して、高齢者が安心して生きられる社会にしよう。職場で働き、地域で生活する一人ひとりにその力があります。「若者・女性が声を上げられる社会」をほらぐちともこさんと一緒につくろう。
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職員削減を自慢する田中良杉並区長

●「道路・橋梁を除く596施設」を対象とする民営化計画
●保育園の民営化と指定管理制度の導入
●学童クラブなど62事業を委託・民営化
●職員削減率は23区内で1位。削減の努力を続けていることを成果として誇っている
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民間業者と癒着して公的事業を食い物に

 田中良・杉並区長は政治資金パーティーで、出資者不明の資金を1200万円以上集めています。パーティー券が20万円を超えなければ名前を出さなくてもいいという政治資金規正法の抜け道を利用したもので、国会議員も含めた東京都の集金ランキングで19位です。
 さらに、田中区長を中心としたゴルフ会が定期的に開催されていて、「秋のゴルフ会」の参加者の多くが、区の公金が支出されている取引先の関係者です。公然たる癒着で、国会議員や国の役人であれば一発でクビが飛ぶ話です。
 このゴルフ会の実行委員長は区の仕事を請けている造園業者「箱根植木」、競技委員長も区の仕事を請けている「牧野電設」です。その他、多くの参加者が区の補助、委託、請負、指定、許認可などの利害関係者です。
 杉並区においては、1億5千万円未満の工事(請負契約)は議会の議決が不要となっています。区長、副区長らと関係をもつ利権業者が、区の予算を分け取りしているのです。

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