3・31三里塚全国集会を開催 国家権力の横暴 絶対許さず闘う 農地死守訴え成田ニュータウンデモ
3・31三里塚全国集会を開催
国家権力の横暴 絶対許さず闘う
農地死守訴え成田ニュータウンデモ
3月31日、成田市の成田ニュータウン内の赤坂公園で「市東さんの農地を守ろう! 空港機能強化粉砕! 改憲阻止・安倍政権打倒!」を掲げ、三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する三里塚全国総決起集会が開かれた。全国から460人が参加し、「農地死守」の決意を共有して闘いぬいた。
全国労組交流センターと全学連が主催する前段集会では、三里塚と一体で、ほらぐちともこさんを候補者に押し立てての4月杉並区議選勝利を誓い合った。
集会の最初に東峰の萩原富夫さんが主催者あいさつに立った。請求異議裁判控訴審に向かう中で、市東さんの農地をめぐる緊迫した攻防が続いていることを確認し、成田空港会社(NAA)が進める空港機能強化策を徹底的に弾劾した。続いて事務局員の伊藤信晴さんが基調報告を行った。
連帯のあいさつの最初に動労千葉の田中康宏委員長が立ち、天皇代替わり攻撃を打ち破って5・1メーデー闘争に立つことを訴えた。全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部執行委員の福嶋聡さんは警察の大弾圧との激烈な攻防を報告し、これに勝ちぬく鮮明な決意を述べて、全参加者の感動の拍手を受けた。
さらに大きな拍手と歓声の中で、天神峰の市東孝雄さんが発言に立った。安倍政権の横暴を鋭く弾劾し、改めて「最後まで天神峰で農地を耕し、自分の生き方を貫く」と不動の決意を表した。
反対同盟顧問弁護団が登壇し、裁判闘争勝利の決意と展望を明らかにした。事務局長の葉山岳夫弁護士は、請求異議裁判一審の高瀬判決を「反動的かつ粗雑」と徹底的に批判し、現地実力攻防と一体で控訴審に絶対に勝利する気迫を示した。
「市東さんの農地取り上げに反対する会」と、各地の「市東さんの農地を守る会」が壇上に並び発言した。緑色ののぼりを林立させて登壇した全国農民会議からは秋山和雄事務局長がマイクを握り、農家をつぶす安倍農政を断罪し、「農民として市東さんの闘いを守る」と宣言した。
川野純治・名護市議会議員が沖縄の闘いを報告した。続いて福島診療所建設委員会事務局長の渡辺馨さんが、東京五輪と天皇即位式によって「原発反対」の福島の声を圧殺する攻撃に怒りをたたきつけた。
さらに、全国水平同盟、婦人民主クラブ全国協、星野文昭さんをとり戻そう全国再審連絡会議、動労水戸、泉州住民の会などが次々と発言した。全学連の高原恭平委員長は杉並区議選への総決起を促し、天皇制打倒を宣言。会場全体が歓呼の声で応えた。集会の最後に事務局員の太郎良陽一さんが「行動提起」として、強制執行攻撃の切迫を見すえて現地への結集を熱く呼びかけ、力強く団結がんばろうの音頭をとった。
重く垂れ込めていた雲が一掃され、強い日差しが市街を照らす中、反対同盟を先頭にデモに出発した。宣伝カーからは、婦人行動隊の宮本麻子さんがシュプレヒコールをリードした。
成田ニュータウンは空港関連企業従業員のために建設・開発が進められてきた広大な住宅地区だが、「農地死守」「安倍打倒」を叫ぶデモが街のど真ん中の大通りを堂々と行進することで、雰囲気が一気に塗り替えられた。沿道の市民、家族連れがデモに注目した。
意気高くJR成田駅近くまでのデモを貫徹した。
三里塚全国集会での発言
3月31日に成田市赤坂公園で行われた三里塚全国総決起集会での主要な発言の要旨を紹介します。(編集局)
天神峰で農地耕し続ける
敷地内・天神峰 市東孝雄さん
日ごろのご支援に深く感謝します。勇気をいただいております。
今、安倍が大うそをついていますね。(辺野古新基地建設への沖縄の怒りに対して)「真摯(しんし)に向き合い、寄り添う」と言うが、どこが寄り添っているんだということです。
そして、国策を進めるための国家権力の横暴が続いております。しかし、誰かが声を上げなければ、何もしないうちにやられてしまいます。ですからみなさん、共に声を上げていただきたいと思います。動労千葉、そして関西生コン支部への弾圧を絶対に許すことができません。
これからも労働者、市民、学生と団結し、三里塚の勝利まで、「闘魂ますます盛んなり」の言葉とともに勝利まで闘います。
そして、最後まで天神峰で農地を耕し、自分の生き方を貫きたいと思います。
空港機能強化に怒り集中
敷地内・東峰 萩原富夫さん
昨年12月、千葉地裁で請求異議裁判の一審が結審し、不当判決が出ました。執行停止を申し立てて担保金を積み、現在、強制執行は阻止しています。400万円カンパへのご協力をお願いします。
現地で進められる空港機能強化に、住民はまったく納得していません。深夜の0時まで飛行機を飛ばされたのでは、寝入ったところで爆音で起こされるということになります。こういう住民無視をしながら空港の利益を追求していく。民間空港というのであれば、周辺住民に迷惑をかけて利益を追求するというのは大変問題です。騒音公害をまき散らしているわけです。公害集団、公害会社です。
このニュータウンに住んでおられる空港で働く労働者のみなさんもそのことは十分お分かりだと思いますが、こういう迷惑空港はこれ以上広げない。本当なら全部撤去してほしい。しかし、これ以上広げない。被害を広げないということについて、ニュータウンのみなさんにもご理解いただきたい。
実際に第3滑走路を建設するにあたっては、豊かな自然、里山、水源となる東峰や天神峰を破壊し、巨大な空港をつくって利益追求していく、こういうあり方が今後許されるのかどうか。この問題は沖縄の辺野古の問題や福島での地域を被曝させ、住民を被曝させて命を奪っていく国策とまったく同じです。
私たちはこの50年の歴史の上に立ち、この国策と国のあり方の問題、戦争につながる空港の問題を決してあいまいにせず、今後も農地を守り闘い続けていきたいと思います。みなさん、今後もご支援よろしくお願いします。
労農連帯の力で戦争阻む
動労千葉委員長 田中康宏さん
動労千葉は3月30日で組合結成40周年を迎えました。反対同盟と共につくり上げた力だと思います。
反対同盟との労農連帯を貫いて動労千葉は誕生しました。40年前の決断は、ジェット燃料貨車輸送阻止闘争を中心とした闘いを貫くだけではなく、階級的な労働組合を絶対によみがえらせるという固い決意でした。もっともっと大きな怒りを結合して社会のありようをつくり変える、今日31日はその新しい一歩だと思っています。
私たちは3月16日、JRのダイヤ改悪に対してストライキに立ちました。日本の労働運動全体に対する解体攻撃と闘うストです。改憲・戦争のための労働運動つぶしの最先端に、JRと関西生コン支部をめぐる攻防があります。この二つの闘いと反対同盟が固く連帯しているところに、日本の階級闘争の本当に重要な意味があるんだと思います。ここで敵の攻撃は必ず粉砕することができる。
組合つぶしと一体で、安倍政権の「働き方改革」を現実化するような攻撃が吹き荒れています。実はこの3月16日のダイ改から、朝と夜のラッシュ時は、運転士や車掌の徹底的な要員削減のために管理者が動員されて運転している。絶対重大事故が起きます。そして運転士も車掌も、来年4月1日から廃止するとしています。雇用と労働の徹底的な破壊が始まっています。
労農連帯の力で、絶対に戦争を止めるような反撃を始める。そのために5月1日、メーデーつまり労働者の誇りをかけた闘いの日に天皇即位をぶつけてくるという本当に許せない政治的攻撃に対して、できる限り皇居に近いところでメーデーを呼びかけたいと思います。ともに闘いましょう。
杉並区議選に必ず勝利を
全学連委員長 高原恭平さん
この半世紀の間、三里塚闘争が国家権力・資本家階級と不屈・非妥協で実力闘争で闘ってきたことの中に、社会を変革する現実性、労働者・学生・農民が持つ実力が秘められていると思います。
2019年度は4月の統一地方選挙に始まり、5月の天皇代替わりを利用したメーデーの圧殺という反革命、7月の参院選、10月には消費税増税、来年には東京オリンピックという国家主義の祭典が行われる。一大階級決戦の1年間が始まります。私たちは全学連の先輩であるほらぐちともこさんを立てて4月の杉並区議選に挑戦します。区議選に勝利し、資本家に奪われた政治と民主主義を、労働者・学生・農民の手に奪い返していく。私たち自身がこの社会の主人公となって社会を変革していきます。
そして、私はここであらためて宣言したいと思います。労働者階級にとって反革命で害悪でしかない天皇制を必ずや打倒する。19年度の闘いを通して、来年この集会に、東京大学、京都大学を軸にした多くの学生と、杉並からの多くの区民と、そして三里塚闘争を闘った闘士である星野文昭さんと共に参加したいと思います。来年ここに革命に向かう桜を咲かせるために、1年間闘いぬきましょう。
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基調報告
事務局員 伊藤信晴さん
本集会は何よりも、東京高裁に移った請求異議裁判闘争に勝利し、農地取り上げの強制執行を阻止するための総決起集会です。
成田空港会社(NAA)が強制収用に手を染めることなど許されるわけがありません。私たちは体を張って農地を守る正義を体現するべく控訴審闘争を闘います。東京高裁に攻め上るために、新たな要望書の取り組みを開始します。また、400万円カンパへのご協力を重ねてお願いします。そして、6月30日には3回目の樫(かし)の木まつりを開催します。ぜひお集まりください。
そして、空港機能強化策を絶対に許すわけにはいきません。昨年の4者協議会で合意を得たとして、NAAはA滑走路の深夜飛行時間の延長を今年10月末から前倒ししてやろうとしています。しかし住民は誰も空港機能強化策に納得などしていません。国策の強制に対して住民自らが闘わなければ、命や暮らしを守ることもできません。生活と郷土を守るために立ち上がっている住民の怒りと不安を共有し、空港機能強化粉砕・第3滑走路阻止、軍事空港阻止へ闘いましょう。
そして、安倍内閣は100兆円を超える一般会計予算の中で、福祉予算を削り軍事予算を拡大しました。統計調査を捏造(ねつぞう)して民衆の生活を破壊しながら、1機100億円以上の戦闘機を100機購入する計画です。
関西生コンに対する弾圧は単なる労組破壊にとどまらず、労働運動・反戦闘争を圧殺しようとする攻撃です。沖縄では辺野古新基地について「粛々と建設を進める」と言い、「復興五輪」の名の下に、福島切り捨てが進められています。
空港か住民か、カネか命か、国策か人権か、戦争か平和か----戦争・改憲に突き進む安倍政権と労働者民衆の正義は相いれません。怒りの爆発は不可避です。
ここに集まったすべてのみなさんが、この世の中を変えるために団結して不屈に闘いぬく中に勝利の道があると信じています。とりわけ、天皇代替わりや統一地方選・参院選をテコとした改憲攻撃を何としても打ち砕きましょう。53年目に入る三里塚は、農地を守り、改憲阻止の先頭に立ちます。来たる10月13日には全国総決起集会を開催します。共に闘いましょう。
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三里塚裁判日程
◎団結街道裁判
4月19日(金)
午前10時30分 千葉地裁
◎第3誘導路裁判
4月23日(火)
午前10時30分 千葉地裁