「働き方」法の施行に反撃を 職場の闘いが勝負 労働組合の力で打ち破ろう

週刊『前進』04頁(3026号02面02)(2019/04/08)


「働き方」法の施行に反撃を
 職場の闘いが勝負
 労働組合の力で打ち破ろう


 「働き方」関連法が4月1日に施行された。安倍と経団連が推進する「働き方改革」攻撃に対し、JR職場を先頭に職場から反撃ののろしが上がっている。ここからが本当の勝負だ。
 コンサルタントなど5業種について労働時間規制の適用外とする高度プロフェッショナル制度はタダで労働者を過労死するまで働かせる自由を企業に与える法律だ。安倍は、「これ以上の過労死を生み出さないでほしい」という過労死遺族の必死の訴えを無視し、強行採決した。
 「年104日以上」かつ「4週で4日以上の休日確保」が義務付けられたが、4週間で4日休ませれば残り24日は24時間働かせても違法にはならない。

職場代表選挙を

 制度導入には労資同人数で構成する「労使委員会」の決議が要件で、労働者側の委員は労働者の過半数代表が指名するものとされている。会社による不当な労働者代表選出を許さず、労働者が自ら労働者代表を選出することは可能だ。
 最近の裁判で、過半数代表を選出する手法が不当だとして、労資間の協定を無効とする判決が相次いでいる。たとえば長崎市のある食品会社では管理職が代表者になり、労働条件を不利に変える就業規則の変更などに同意していた。親睦会などを自動的に労働者代表とする例も横行している。このとんでもない現状は職場の闘いでぶち破れる。
 昨年7月のCTS(千葉鉄道サービス)幕張事業所での職場代表選出で、外注化に絶対反対で闘う動労千葉の関道利副委員長が組合員数をはるかに超える支持を得て選出された。職場代表選挙で労働者の支持を獲得する闘いは、闘う労働組合の組織拡大と一体だ。闘いはさらに拡大している。

過労死させるな

 「月100時間未満の残業上限規制」は、1日8時間・週40時間という労働基準法による法定労働時間の解体だ。さらに月100時間は、実際に過労死で亡くなった労働者の残業時間を超えている。中小企業には適用が1年間猶予されるため、大企業が下請けへの納期を前倒しし、下請けの労働者が殺人的な長時間労働をさせられる事態となっている。建設業、自動車運転業務、医師は5年間は対象外である。
 「医師の働き方改革に関する有識者検討会」は3月28日、一部医師の残業時間の上限「年1860時間」を含む報告書をまとめた。一般労働者に適用される「年720時間」をはるかに上回り、過労死ラインの2倍の残業を容認する。
 また、長時間労働で次々と体を壊しているコンビニのオーナーやクリーニング店など「個人事業主」とされる労働者は初めから労働時間規制の対象外だ。だが長時間労働への怒りの反撃が始まり、圧倒的な共感が広がっている。

非正規職なくせ

 「同一労働・同一賃金の導入で不合理な待遇格差をなくす」は大うそだ。派遣大手パソナが、同社の派遣社員に対して行ったことにその正体がある。改定労働契約法の「5年ルール」で無期転換した派遣社員に昨年6月から通勤手当の支給を開始したのと同時に、基本給の時給を減額していたのである。パソナは安倍の後押しで事業規模を拡大し、竹中平蔵会長は自社に利益をもたらす「働き方改革」を提言し、推進してきた。
 中西宏明経団連会長を出した日立製作所は、派遣社員として10年間の勤務の後、有期雇用を更新して5年以上勤務してきた女性労働者が昨年6月に無期転換を申請したことに対し、3月31日付で雇い止めを通告した。無期転換逃れのための雇い止め解雇だ。
 安倍・経団連の「働き方改革」攻撃に職場から闘いを巻き起こそう。
このエントリーをはてなブックマークに追加