改悪入管法4・1施行反対 「特定技能」は現代の奴隷制度
改悪入管法4・1施行反対
「特定技能」は現代の奴隷制度
2月末の米朝首脳会談は、東アジアにおけるアメリカ帝国主義による侵略戦争が新たな局面に入ったことを示した。安倍政権は、戦後最大の危機からの生き残りをかけて改憲・戦争攻撃に退路を断って突進している。昨年12月8日、強行された入管法改悪は、安倍政権の改憲・戦争のための核心的攻撃であり、粉砕しかない。4・1施行絶対反対で闘おう。4、5月東西入管集会に集まろう。
「非正規だけの社会」攻撃だ
4月1日施行の改悪入管法の内容は、①「新たな外国人材受け入れ」のための在留資格の創設(「特定技能1号」「特定技能2号」)、②出入国在留管理庁新設(入管局廃止)であり、その他は省令で定めるとする白紙同然の法律だ。
安倍政権は3月15日、外国人労働者の受け入れを拡大する新制度の政令と法務省令を公布した。自治体の相談窓口や医療機関への通訳の配置一つとっても国が財政的基盤を保障するわけでもなく、地方自治体に混迷が広がっている。
問題は、改悪入管法によって導入される新たな就労資格が、その実態を知ったら誰もが驚き怒る奴隷労働制度であるということだ。
しかも、それは、日本の労働者が「働き方改革」と称してたたき込まれようとしている「非正規だけの社会」攻撃と完全に一体の攻撃であり、民族・国籍・国境を越えた労働者階級の怒りに火をつけるものだ。
改悪入管法で新設された「特定技能1号」「特定技能2号」こそ、悪名高い「技能実習制度」を温存したまま、その上に積み上げられる極悪の搾取構造なのだ。改悪入管法の審議過程で和田入管局長(当時)は、「技能実習生から特定技能に55~59%が移行する見込み」と平然と答弁している。
「特定技能1号」は、5年の上限を設け、家族帯同も禁止されている。就労期限がなく、家族帯同も可能とされる「特定技能2号」は、「1号」から「試験」を受けて合格すれば「昇格」できるとされる。「永住に道開く」などと報道されたが、「相当程度」「経験を要する」などという規定で資本や監理団体による恣意(しい)的な選別となっている。これほど非人間的な制度はない。粉砕あるのみだ。
さらに、日本に入国するまでにも幾重ものハードルがある。現地受け入れ機関で年収2年分もの準備金をむしり取られ、さらに「日本語能力判定テスト」「介護能力評価試験」が課せられ、「健康状態が良好」であることまで強要される。
東京福祉大学の大量失踪・大量退学に見られる留学制度、さらに日本語学校の実態は、資本と安倍政権が構築しようとしている極悪の貧困ビジネスの本質を現している。
分断と排外あおる入管体制
改悪入管法で新設される「出入国在留管理庁」とは何か。破綻した入管体制を立て直し、外国人労働者導入全面化に対応するものとされている。
これまでの入管法・入管体制は、朝鮮・中国・日本における革命の圧殺を目的とし、差別・抑圧、分断・同化・追放を基本政策としてきた。国鉄分割・民営化を強行した中曽根政権のもとで新自由主義による大々的な外国人労働力の動員が開始された。09年入管法が改悪され、12年7月に外登法が廃止され、入管法に一元化して管理強化を狙った「在留カード」制度が始まった。今回の入管法改悪はその総仕上げと言える。
しかし、今や日本で働く外国人労働者は146万人となり、安倍が何と言おうと「移民国家」そのものだ。入管体制の破綻も促進し、帝国主義国家としての軍事的政治的再編なしに延命の道がないことを日帝に突きつけている。外国人労働者への門戸開放と階級闘争圧殺を同時に進めることなど絶対に不可能だ。
すべての怒りを東西集会へ
安倍政権は、「レーダー照射事件」をでっち上げ、徴用工・日本軍軍隊慰安婦問題をもって排外主義をあおり、戦争・改憲攻撃を激しく進めている。「労働力不足」の大宣伝も国家主義への動員であり、戦争のための国家体制づくりだ。
「学校再編」による民族学級・民族学校つぶしと対決しよう。外国人技能実習生、「資格外労働」で働く留学生、「特定技能」で就労する外国人労働者は、究極の非正規職労働者であり、分断された日本の労働者の姿そのものだ。
労働者は、今こそ団結し、安倍の進める「非正規だけの社会」攻撃を打ち破ろう。国鉄闘争を先頭に日本の労働運動をよみがえらせ、すべての職場に労働組合=団結の砦(とりで)を打ち立てよう。
昨年の「4・3済州島蜂起70周年」「阪神教育闘争70周年」、今年の「3・1独立運動100年」を契機に、在日社会は新たな流動化を始めている。改悪入管法施行は、在日・滞日外国人民の新たな決起の火種へと必ずや転化していく。すべての怒りを4、5月東西入管集会に結集しよう。
〔革共同入管闘争組織委員会〕