安倍の改憲と「地域医療構想」に絶対反対し杉並区議選の必勝へ 革共同医療福祉労働者委員会
週刊『前進』04頁(3022号02面05)(2019/03/25)
安倍の改憲と「地域医療構想」に絶対反対し杉並区議選の必勝へ
革共同医療福祉労働者委員会
「福島の怒り」と連帯し命を守る
4月杉並区議会議員選挙は、8年目の3・11を経て、天皇代替わりとオリンピックを使った安倍政権の改憲策動を粉砕する大決戦にせり上がっている。2020年東京オリンピックの聖火リレー出発点を福島県楢葉町の「Jヴィレッジ」にするなど「復興五輪」の大キャンペーンで改憲強行を狙う安倍政権に対し、3・11反原発福島行動で「被曝と戦争で子どもたちの未来を奪うな」「改憲と核武装絶対反対」の声が爆発した。前日の第3回被曝・医療シンポジウムでは、小児甲状腺がんが200人を超える中で福島の医師が「被曝の被害がゼロであるはずはない」「福島には怒りがマグマのように渦巻いている」と発言した。NHK調査でも岩手・宮城・福島の被災者の6割が「五輪は被災地の復興の後押しにならない」と答えている。
だが、日本共産党をはじめ国会内の全政党が「オリンピック賛成」と翼賛している。この中で、杉並区議選に立候補予定のほらぐちともこさんが3・11福島集会でIPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部の「核の脅威のない2020年オリンピックを」キャンペーンの訴えを読み上げ、オリンピック絶対反対を掲げ、福島と連帯して闘うと表明した。
改憲阻止は福島をめぐる「内部被曝と健康被害」との闘いであり、日本共産党・民医連系の診療所でも分岐と大流動が始まっている。「避難・保養・医療」を掲げるふくしま共同診療所を支え、原水禁運動の発祥の地・杉並から再稼働反対・五輪絶対反対のうねりを巻き起こし、ほらぐちさんの勝利をもぎりとろう。
河北病院移転と駅前再開発反対
また、4月杉並区議選は「命よりカネ」の新自由主義医療と地域丸ごと民営化を進める安倍政権と田中区政を串刺しにして打倒する闘いだ。医師会・医療資本と深い癒着・利権関係にある田中良区長は、河北総合病院理事長と組んで、病院移転とセットになった阿佐ケ谷駅前再開発を推進している。
その背景には、安倍政権と厚生労働省が進める「地域医療構想」がある。日本病院会の相澤孝夫会長は「病院は多くても今の半分の4000あれば足りる」(『週刊東洋経済』の特集「病院が消える」)と言う。「団塊世代」が75歳を迎える「2025年問題」、そして「団塊ジュニア」世代の全てが65歳以上となり高齢人口がピークを迎える超高齢化社会への突入という「2040年問題」に向けて、病院を淘汰(とうた)し再編し、新自由主義医療=医療破壊に全面転換するということだ。
この方向性を打ち出した安倍「地域医療構想」は、14年医療法改悪での「医療から介護へ、介護から在宅へ」を基本的な考え方として、都道府県単位で医療機関の統合・廃止を含む構想を策定することを義務付け、25年までに病床を16〜20万床削減しようともくろんでいる。この流れを加速させるべく、翌15年の医療法改悪では持ち株会社方式による医療機関の経営統合を進める地域医療連携推進法人が導入された。
東京都の地域医療構想では、東京には大学病院本院や特定機能病院が集積する23区の中央部や西部(杉並区も含まれる)において、主に隣接3県(埼玉、千葉、神奈川)から多くの患者が流入しており、一方で慢性期の患者は他県に流出しているという現状が出され、2025年を見据えた医療圏単位での病床配置の再編が必要であるとされている。この中核的推進として河北病院の移転と阿佐ケ谷駅前再開発が位置づけられている。
医療・福祉奪う攻撃への反撃を
病院移転は、資本にとって単なる「建て替え」ではありえない。必ず病院の大再編と合理化・外注化、高度医療など「もうける医療」への大転換をもたらす。病院労働者に対しては成果主義賃金導入、外注化、非正規職化で、搾取・収奪と強労働を徹底的に強める。そして患者・住民に対しては地域医療を奪う攻撃であり、その二つがセットで強行されるのだ。東京都地域医療構想では「サービスの受け手でなく『主体』としての自覚と積極的な参画」を「都民の役割」とし、患者であることに甘えるなとの意識転換を求めている。国際競争力の環としての医療に全面協力すべきだと言うのだ。これこそ改憲と戦争の言葉だ。
阿佐ケ谷駅前再開発は安倍と田中区政による「命よりカネ」の新自由主義の医療・福祉の民営化の攻撃だ。区議選で絶対反対の怒りを組織し、これを打ち破ることは、民衆から医療・福祉を奪い、生命と生存を奪う改憲攻撃粉砕の突破口となる。
われわれ医療福祉労働者は、階級的労働運動をよみがえらせ、社会に渦巻く広範な怒りの結集軸として自らを打ち立てる。そして戦争と改憲の攻撃をプロレタリア革命に転化するのだ。その大決戦として杉並区議選に全国から立ち上がり、ほらぐちさんの勝利をかちとろう。