3・31三里塚集会へ 騒音拡大と第3滑走路許すな 住民と共に機能強化策を粉砕しよう

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週刊『前進』04頁(3020号03面04)(2019/03/18)


3・31三里塚集会へ
 騒音拡大と第3滑走路許すな
 住民と共に機能強化策を粉砕しよう

(写真 反原発福島行動で3・31三里塚への結集を訴える反対同盟。右から伊藤信晴さん、市東孝雄さん、宮本麻子さん【3月11日】)


 三里塚芝山連合空港反対同盟は、3・31全国集会で「飛行時間の延長阻止・第3滑走路計画粉砕」を掲げ、激化する成田空港機能強化攻撃を粉砕する決戦に本格的に突入する。市東孝雄さんの農地決戦を闘う三里塚が周辺住民の決起と結合すれば、機能強化粉砕・成田空港廃港は勝ち取れる。沖縄県民投票は、民衆の「基地絶対反対」の意思を安倍政権に突きつけた。3月国鉄決戦、杉並区議選と一体で、三里塚から安倍の改憲・戦争攻撃を実力で粉砕しよう。3・31全国総決起集会(成田市赤坂公園)へ大結集しよう!

飛行時間延長は住民の健康破壊

 NAA(成田空港会社)は機能強化策の第一弾として、10月末の冬ダイヤからA滑走路の運用時間を24時まで延長すると発表した。
 これまでの運用時間の公約である「朝6時から23時まで」を一切踏み破る決定だ。また、22時台の便数制限(10便)も撤廃され、22時以降の発着回数は現在の3倍になる。北総地域一帯が大騒音下になる。
 この深夜発着の延長は、格安航空会社(LCC)の航空機材の運用効率を高めるためのものだ。周辺住民は誰一人、4者協議会(国、千葉県、地元9市町、NAA)での合意など納得していない。「生活環境を無視した計画だ」と怒り立ち上がっている。
 この声は正しい。航空機騒音は、WHO(世界保健機関)の健康被害の基準でもベンゼンやクロロホルムなどの化学物質と同等に扱われている。毎夜の睡眠導入時、朝の熟睡時にジェット機の金属音でたたき起こされて生じる睡眠障害・ストレスは、精神的疾患、慢性的な循環器疾患(狭心症、高血圧症)、内臓疾患までも引き起こす。
 日本の内陸空港は、横田・厚木基地も含めて8〜10時間の飛行禁止時間帯が設けられている。三里塚がけん引した反空港・反基地の闘いで、「静穏生活権」が勝ち取られてきた。「空港との共存はありえない」という反対同盟の訴えの正しさはいよいよ鮮明だ。

軍事空港建設が拡張計画の狙い

 成田空港の機能強化策は、①新C滑走路3500㍍を空港の南東に新設、②B滑走路の北側1千㍍延伸、③空港全体で運用時間を「午前5時〜午前0時30分」の2時間30分延長、というものである。それに先立ちA滑走路での延長が強行されようとしている。
 空港機能強化案の本質は第一に、世界戦争の切迫に対応する軍事空港建設である。米帝による対中国・対日欧帝国主義の争闘戦の激化で、世界情勢は新たな世界大戦前夜の様相を呈している。巨大空港建設は安倍の改憲・戦争攻撃の一環であり、三里塚はこれとの正面対決の場となっている。
 第二に巨大空港建設は、日本帝国主義の経済的基盤の再構築を狙うものである。首都圏空港拡張が打ち出されたのは、安倍内閣の成長戦略、「日本再興戦略改訂2014―未来への挑戦」においてである。2020年東京五輪に向け、更なる首都圏空港の機能強化方策を検討するとした。
 「日本再興戦略」は、米帝との争闘戦での敗勢状態を嘆き、「国際的な立地競争力を高めて、国内外の企業から日本への投資を促す」という。アジアでの対米争闘戦に勝ち抜き、アジアのゲートウェイとして首都圏空港の拡大強化が目指されているのだ。政府は空港建設の公共性・公益性を宣伝するが、その本質は帝国主義の産業的・軍事的基盤づくりであり、特に航空産業の形成を促進するためのものである。高度技術の集積である航空機産業は争闘戦の最先端である。
 この日帝に対し、「国家こそ死すべきである」との革命的祖国敗北主義の立場を実践し続けた三里塚の意義は、決定的である。

反対同盟を先頭に新たな闘いへ

 第三に成田強化策は、三里塚闘争の圧殺を狙うものだ。三里塚は、国策を実力闘争で阻止してきた日本階級闘争の金字塔である。動労千葉との労農連帯は、プロレタリア革命と労農同盟の今日的実現だ。
 運輸省高官は、「国際戦略性が欠如した、我が国の航空、空港政策」と嘆き、「航空行政が四半世紀以上にわたり、成田問題に引きずられている」と敗北を公言している。
 上限のない用地買収費と周辺対策費に使われてきた空港整備特別会計は他に統合され、今では羽田再拡張の借金返済に追われている。政府の空港建設事業は、相川勝重芝山町長らの地元利権屋の誘致運動に望みを託すありさまだ。
 したがって反対同盟の不屈の闘いを先頭に、「改憲・戦争阻止!大行進」運動の課題として羽田都心飛行ルート新設反対も含めた首都圏空港機能強化粉砕の陣形を作るなら、第3滑走路建設は阻止できる。周辺住民との合流で、新たな三里塚闘争を開始しよう。
 市東孝雄さんの「何があろうと天神峰で農業を続ける」との決意に応え、3・31全国集会で農地決戦の現地実力闘争体制を構築しよう。400万円カンパを集め請求異議裁判控訴審に立ち上がろう。
(大戸剛)

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