改憲と核戦争を必ず止める 「福島は絶対に負けない!」と宣言 3・11反原発郡山集会の発言から
改憲と核戦争を必ず止める
「福島は絶対に負けない!」と宣言
3・11反原発郡山集会の発言から
福島第一原発事故から8年となる3月11日、福島県郡山市で3・11反原発福島行動19が闘われました。集会での発言(要旨)を紹介します。(編集局)
主催者あいさつ
職場の闘い基礎に原発廃止へ闘おう
動労福島委員長 橋本光一さん
避難指示解除、安全復興キャンペーン----県民意識も復興に向かっているかのような報道がされています。しかし現実には原発廃炉は延期され、汚染水問題も解決せず、汚染土をまた高速道路の拡幅などに使うと言っているのです。何より甲状腺がんが200人とも300人とも言われ、帰還した人は全体で2割、数%のところもある。それなのに、福島市でのオリンピック競技開催に加えて聖火リレー出発式までJヴィレッジでやろうとしています。五輪も5・1メーデー当日の天皇代替わりも反原発闘争の圧殺と労働者の分断のためです。断固受けて立ち、3・11も5・1も闘いの日にしましょう。
ふくしま共同診療所の運動が前進し、常磐線全線開通阻止の動労水戸と動労福島のストライキが労働者の気持ちをつかんでいます。3・11反原発福島行動勢力が他と違うのは、闘いの実体を職場と地域に持っていることです。三里塚、動労千葉をはじめとした階級的労働組合、星野闘争、そして「ふくしま共同診療所」。こうした実体があるから、私たちは絶対に絶望しないのです。
動労福島は、被曝労働反対!常磐線全線開通阻止を掲げて、3月15日にストライキをやります。青年の未来のためにやる。ここから反撃です。安倍の改憲もトランプの核戦争も阻止するために、労働者と共に、国鉄闘争、星野さん解放、県民投票に勝利した沖縄、教職員100人声明のヒロシマ、杉並区議選予定候補のほらぐちともこさん、ふくしま共同診療所と共に社会を変えましょう。原発事故の責任を取らせましょう。原発を廃止しましょう。
福島からの訴え
福島の放射能被害は終わっていない
福島診療所建設委員会代表 佐藤幸子さん
8年前の3月12日に原発が爆発した直後から、私は帽子をかぶり、雨がっぱを着た今日のような格好で外を歩いていました。ずっと避難もする必要がないと言われて生活し、川俣町では9月になってようやく配られたガラスバッジを着けて歩いたところ、1年間で線量は1・3㍉シーベルトでした。年間被曝量の1㍉をちょっと出ただけだから今後はこれ以上多くなることはないだろうと思い、その後は実は測っていません。
でも、昨日のシンポジウムでキムイクチュン先生のお話を聞いて愕然(がくぜん)としました。原発労働者の調査で、年間平均被曝線量は1・1㍉で、その値でさえ被曝していない人と比べればがんなどの病気になる確率が高くなるのは常識だと。周りの人もいろんな症状が出ているという話も、当然震災後から聞いていました。今年はインフルエンザでの学級閉鎖が多く、免疫力低下も考えられるのかなと思っています。
昨日のシンポには職場のスタッフが初めて参加してくれました。福島の放射能被害は終わっていないことを意識する日として、シンポやこうした反原発集会は本当に必要だと思います。
私たち福島に住む者にとって、不安を抱えながら毎日を送らなければならないのは本当につらいことですが、現実から目をそらすことはできない。仲間と共に考えながら行動していきたいと思っています。
全国全世界の支援が診療所支える力
ふくしま共同診療所院長 布施幸彦さん
去年の3月11日に亡くなったふくしま共同診療所の松江寛人・初代院長の遺志を継いで活動を続けています。
診療所は、全国・全世界の人々の支援があって初めて成り立っています。宗教者の方など、全国で報告会やカンパが取り組まれています。報告会では、僕は東京オリンピック返上と改憲阻止、安倍政権打倒の話をするんですけれども、みんなこれには賛成なんです。東京オリンピックをやるのは福島原発事故の問題が終わるという安倍の宣言ですし、改憲をするという宣言でもありますから、絶対に東京オリンピックを阻止するために頑張っていきたいと思います。
昨日、福島市で「被曝・医療―福島シンポジウム」を行いました。3・10シンポと3・11闘争は一つの闘いです。昨日の講演者は、一人は、「ろうそく革命」をした韓国、3・1独立運動100年の韓国から医師のキムイクチュンさんが来て話してくれました。もう一人は、県民投票で辺野古基地反対を闘った沖縄から矢ケ崎克馬さんが来てくれました。そして、福島現地で東電・福島県と真っ向から闘っている医師の渡辺瑞也さんが来てくれました。これは大きな前進です。今後もこの闘いで突破口を開きます。
全国の仲間と、東京オリンピック反対、安倍政権打倒、改憲阻止で一緒に闘いましょう。
まやかしの「復興五輪」を許さない
希望の牧場・ふくしま代表 吉沢正巳さん
あれから8年。復興なんて盛んに言ったって、私たちの浪江町が絶対に元に戻らないことはもうみんながわかっています。4千棟の住宅解体工事で浪江町は更地になります。中心部でも農村部でも、更地、更地、更地。どんなに除染をしたって、やっぱり放射能は残っている。どんなに避難解除したって、もうみんなは帰ってこない。住民2万1500人のうち、避難者は7千人が県外に、残りは福島県内の方々に行ってしまった。今、浪江町に住んでいる人は4%、800人です。福島県の内堀知事が「復興オリンピックを福島から応援しよう」と言っていますが、復興五輪なんか、まやかしじゃないか! 誰のためのオリンピック、誰のための復興なんだ。国と東京電力、ゼネコンが結託して裏金をもらい、浪江町の請戸(うけど)漁港では、200億円も使って堤防や港、競り市場の工事をやっています。一方で、南5㌔メートルの距離で第一原発の汚染水を流すといっている。なんでこんな矛盾したことが、巨額の金を使って進むのか。
安倍のオリンピックに協力しようというキャンペーンは安倍政治を応援しろという話じゃないですか。ふざけるなですよ。3・11は終わっていない。戦争の時代、原発の時代への逆戻りに対して闘いを続けなければならないと思います。
被曝労働拒否の闘い
安倍政権と対決し常磐線開通とめる
動労水戸委員長 石井真一さん
私たちは3・11福島第一原発事故以来、被曝労働拒否・常磐線全線開通反対で闘い続けてきました。今、福島県民を見殺しにする安倍政権を本気で打倒することを誓わなければなりません。8年という長い間、多くの人が避難しなければならない中、福島県は放射線量が国際基準の20倍の20㍉シーベルト以下なら大丈夫だからそこに帰れと言い、より高線量の双葉町や大熊町の住民にも帰還を強制しようとしています。
沖縄の人が嫌だと言っているのに辺野古に基地を造る。戦争をしてはならないという憲法があるのに、軍事費に5兆円も使う。こんな安倍政権を絶対に打倒しなければなりません。
福島第一原発事故はいまだにどうにもならない。その中で原発を再稼働しようとしている。茨城県では東海村の、運転開始から40年以上の老朽原発・東海第二を再稼働させようとしています。絶対に許せません。
JR東日本は、福島第一原発の脇を線路が通る浪江駅―富岡駅間を開通させようとしています。工事が8割方完成していると言われる状況の中で、震災以来、原ノ町から水戸地区に移って働いてきた運転士たちに、原ノ町運輸区に転勤しろと運輸区長が言いに来ています。電車が走れば勝田車両センターで検修・清掃作業が行われることになります。そういう被曝労働に私たちは絶対に組織拡大で反撃したいと思います。
集会宣言
あの日から8年がたちました。それは私たちにとって、けっして過去ではありません。私たちはあの日、それまでの生活を奪われ、すべてが一変しました。
地震と津波による甚大な被害に原発事故が追い打ちをかけました。
地震と津波によって1万8400人を超える死者と行方不明者を出し、その後も犠牲は増え続けています。「震災関連死」は認定されただけでも3700人を超えています。そのうち福島県が2267人。この1年で56人も増えています。震災と原発事故は何も終わっていないのです。
政府と東電は「復興」の名のもとに被災者を切り捨て、分断し、震災と原発事故を過去のものにしようとしています。安倍政権は、汚染水を垂れ流しておきながら「原発はコントロールされている」といいなしてオリンピックを招致しました。その裏で、避難者への支援を打ち切り、住宅からも追い出し、危険な地域への帰還を強制しています。
小児甲状腺がんの子どもたちも増え続けています。すでに300人近い発症となっていることは間違いありません。さらにその10倍近い患者ががんの可能性があるにもかかわらず、意図的に手術を遅らせることで放置され、本当の発症数が分からなくされています。
しかし福島は絶対に負けません!
ふくしま共同診療所が中心になって呼びかける「被曝と帰還の強制反対」署名は、6万筆を超えました。「住民も労働者も被曝してはならない」と被曝労働拒否のストライキで闘う動労水戸を先頭に労働組合が立ち上がっています。
戦争の危機が迫っています。今度の戦争は間違いなく核戦争です。すべての核と原発を今すぐなくせと闘う福島から、改憲と戦争をとめる闘いをまき起こしましょう。
辺野古新基地建設阻止の沖縄の闘い、改憲阻止の全国の闘い、世界中の労働者、民衆の闘いと結びつき、原発も戦争もない社会を実現しましょう。
3・11反原発福島行動19参加者一同