紹介 中国の労働者かく闘う! 珠江デルタのストライキ労働者は語る 発行・出版最前線/発売・星雲社/1600円+税

週刊『前進』04頁(3018号03面04)(2019/03/11)


紹介
 中国の労働者かく闘う!
 珠江デルタのストライキ労働者は語る
 発行・出版最前線/発売・星雲社/1600円+税

現場からの貴重な証言

 動労千葉国際連帯委員会の翻訳により、新たに中国の労働者の聞き書きの本が出版されました。中国の産業の中心地である深圳(しんせん)を含む南部沿岸地帯(珠江デルタと呼ばれる)で働き闘う17人の労働者が語った中国労働運動の実態です。中国でアングラ出版された、実に貴重な証言集です。
 「経済大国」中国の労働者はどんな状況で働き、何を思い、どのように闘っているのか。中国について、私たちが知りたい肝心のことが、労働者自身の言葉で語られています。
 2010年7月、中国ホンダのストライキ決起に連帯し、動労千葉の呼びかけで60人の労働者が東京・青山のホンダ本社への抗議行動に立ちました。本書では、ホンダ闘争以降本格的に高揚する中国の労働者の姿、背景がリアルに分かります。
 昨年、深圳で自主労組結成を求める闘いが起こり、これを支持する闘いが全国に広がりました(『国際労働運動』2019年1月号「中国労働者 自主労組結成へ」参照)。本書はこれらの闘いの前段で、地をはうような労働者の悪戦苦闘があったことを教えてくれます。
 英雄的な闘争が出てくるわけではないし、必ずしも格好のいい闘いとも言えません。だが、中国の「改革・開放」路線のもとでの生産現場が、いかに過酷で非人間的なものであるか、そこでの反撃の闘いが試行錯誤を経て、いかに泥臭くたくましく、したたかに闘われているかを知ることができます。
 米中経済戦争の激化の中で、危機を深める習近平政権は、労働者階級に対する抑圧と搾取の体制を一層強化しようとしています。こうした中で、中国の労働者は、社会を動かしているのは労働者であるという階級的自覚を深め、必ずや階級として立ち上がるということを確信させてくれます。立ち上がった労働者は、ろうそく革命を切り開いた韓国・民主労総の闘いにも注目し、必ず連帯を求めて国際的な階級闘争に視野を広げ、国際的な軍勢となる方向に進むでしょう。本書は、中国のストライキの一つひとつの悪戦苦闘の中に、まさに革命のヒドラ(怪物)が宿っていると感じさせてくれます。ぜひご一読を!
(出版最前線編集部)

このエントリーをはてなブックマークに追加