闘いは進む 青年の職場から 就業規則改悪も処分攻撃も組合で闘えば止められる! 東京 介護 大空茜
週刊『前進』04頁(3014号02面04)(2019/02/25)
闘いは進む 青年の職場から
就業規則改悪も処分攻撃も組合で闘えば止められる!
東京 介護 大空茜
社会福祉法人の特別養護老人ホームで看護師をしています。以前は公務員に準じて支払われていた賃金が、介護保険の導入によって事業所ごとの給与規程となり、介護報酬の引き下げによる収入減は人員不足、低賃金、過重労働、安全問題などに直結しています。しかし介護の現場にはそれらと闘う組合がない所が多く、大半の労働者が泣き寝入りするか「嫌なら辞める」の繰り返し。私はこのような現状を変えたくて職場に合同労組の分会を立ち上げ闘ってきました。
仲間と組合を結成
2016年、究極的な人員不足と合理化に、「やっぱり組合が必要だ」と感じた仲間たちと単組を立ち上げ組合結成を通告したところ、法人の態度が一変し17年度の就業規則を抜本的に改悪し、組合活動を抑えつけようとしてきました。新しい規約案には「法人の許可なく、法人内や法人施設内において業務に関係ない集会や文書の提示・配布・貼付、放送などを行ったり、宗教活動や政治活動などの業務に関係のない行動や活動をしたりしないこと」や、「インターネットのブログ、SNS、掲示板等に法人情報および個人情報を開示、漏えい、提供等を行わない事」などが追記され、懲戒手続規程や代表的非違行為などの項目が新設され「これらの行為をしたら処分するぞ」と脅しをかける内容でした。組合は就業規則案をすみずみまで読んで300項目ほどの意見を提出し、規約の中に「組合活動についてはこの限りではない」と注釈をつけるよう要求しました。その結果「注釈は入れないが、今回の就業規則の変更によって貴組合の正当な組合活動を制限する意図などまったくない」との回答を引き出しました。あれから2年、いまだに就業規則は改悪されていません。
一時金削減に怒り
そして昨年。経営が不安定であることを理由に全職員の一時金支給額が減らされました。しかしそれでも管理職には年間で100万円以上支払われることを突き止めた私たちは、「これは経営困難詐欺であり、究極の搾取構造だ!」と書いたビラを掲示・配布しました。そのビラは職員の怒りに火を付け「管理職のボーナスを全額カットすべき」という声に発展しました。法人は「詐欺や搾取などしていない。これは名誉毀損(きそん)と侮辱罪だ」と、ビラをただちに剥がし、配らず、謝罪するよう求めてきました。組合は不当労働行為だと抗議し命令には従いませんでした。すると今度は委員長を処分すると脅してきました。これに怒った職員が「委員長を処分するな」とメッセージを書いて一緒に抗議してくれましたが、法人はこれらを無視して委員長に「戒告処分」を強行し始末書の提出を求めてきました。
悪いことをしたなら謝ります。しかし悪いことをしていないのにどうして謝らなければならないのでしょうか。これは法人にとって都合の悪いことを言う組合や職員は処分を出して黙らせるという攻撃です。副委員長は「ここで始末書を書いたら闘う軸が折られてしまう。始末書は書くべきではない」と言いました。まさにその通りです。
私たちは地区の仲間も交えて対策会議を開催し、処分に関して「正当な組合活動でないことは明らかであるから処分するというなら、正当な組合活動とは何かを法的に明らかにすること。その証明ができるまで始末書の提出は保留する」と不服を申し立て、団体交渉を要求しました。その結果、2度の団体交渉が開催されましたがいまだに法人は「正当な組合活動とは何か」を証明できておらず、始末書の提出も保留のまま闘いは継続しています。