ストライキが全国で復権 動労総連合先頭に19春闘へ

週刊『前進』04頁(3014号02面02)(2019/02/25)


ストライキが全国で復権
 動労総連合先頭に19春闘へ

(写真 練馬区立図書館専門員労組は民営化反対ストを構え、多くの支援の結集で報告集会を開いた【昨年12月19日 東京・練馬区】)


 国鉄分割・民営化から30年余。民営化・非正規職化による雇用・賃金の破壊、社会の崩壊に対し、労働者の我慢は限界に達している。この中でストライキが日本で復活しつつある。

スト構えた特区連

 昨秋、動労水戸は特急車掌1人乗務化とワンマン拡大にストライキで反撃した。これに続き、安倍の改憲・労組破壊攻撃にストで反撃するのろしを上げたのが東京・特区連(特別区職員労働組合連合会)、東京清掃労組の大幅賃下げ人勧実施阻止の闘いだ。東京清掃労組は早朝1時間のストを構え切り、地域に10万枚超のビラをまき、現場は完全にスト態勢を固めていた。当局が賃下げを取り下げ、ストは取りやめたが、時間内職場集会を全事務所で実力でやりぬいた。
 「練馬区立図書館専門員労働組合」の指定管理者制度(民間委託)反対のストライキを掲げた昨年末の闘いも、全国の図書館労働者に勇気を与えている。
 練馬区では12カ所ある図書館のうち、すでに9カ所が民営化されている。区は今回、残る3カ所のうち2カ所の民間委託を提案してきた。司書資格をもつ区の非常勤職員57人の職場が奪われかねない。組合はただちに「闘争委員会」を結成し、「理論班」「渉外班」「組織班」「宣伝班」「記録班」のチームを組んだ。組合は、〝これは一自治体、非常勤職員57人だけの問題ではない。今、全国で民間委託によって地域の拠点であるはずの図書館が生きていけない賃金の非正規職によって支えられている〟と民間・直営を超えた全図書館労働者の非正規職化の問題、ひいては地域破壊との闘いとしてはっきりさせ、署名運動や地域交流会を開催してきた。
 区はカウンター業務を軽視して委託を当然視していた。だが組合は「カウンターを知らずして図書館業務は語れない」と誇りにかけた闘いで押し返した。組合は年末のストを延期し、現在も民営化反対を貫き、交渉を続けている。年末のスト延期集会や2月の経過報告集会には都内から多くの労組、労働者が結集した。
 図書館司書は特別職でスト権があるが、会計年度任用職員制度への移行でスト権が奪われる。ストをめぐって会計年度任用職員制度への反撃が開始された。

新たな闘い次々と

 また沖縄では2月4日、全国港湾労働組合連合会傘下の沖縄地区港湾労働組合協議会(沖縄地区港湾)400人が那覇港や中城湾港で終日ストライキに決起した。事前協議なく自衛隊車両が民間港を利用することへの抗議である。沖縄全島ゼネストへの突破口だ。
 これに続き、全国港湾は2月28日から3月1日にかけて、事前協議が踏みにじられたことに抗議して全国の港でストに入ることを通告した。事前協議制とは港湾労働者の雇用と安全を守る根幹の制度で、組合の生命線でもある。全国港湾は全港湾などが加盟する港湾産別の連合体で、港の規制緩和などに反対しストで闘ってきた組合だ。安倍はこの戦闘的組合を解体し、辺野古新基地建設と改憲・戦争に突進しようとしている。これは関西生コン弾圧やJR乗務員勤務制度改悪との攻防と全く同じだ。
 連合結成から30年。ストライキ・実力闘争は年間1433件(1989年)から68件(2017年)にまで激減した。だが国鉄闘争とその支援陣形を基軸にスト復権の号砲が鳴らされている。沖縄の宮古新報労組の廃刊攻撃に対する自主発行の闘い。東京都の私立正則学園高校や京華商業高校の教員ストライキ。そしてついに、セブンイレブンのオーナーが過労死の危機を訴え24時間営業をやめた。「契約解除」と「1700万円の違約金」で恫喝するセブン本部に対し、全国で怒りの声が噴出している。
 動労千葉、動労水戸、動労総連合は乗務員勤務制度改悪阻止、3月ダイヤ改定阻止を掲げ、19春闘をストで闘う態勢を固めている。国鉄決戦を軸に19春闘をストで闘い、労働組合をよみがえらせよう!

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