雇用と社会壊すJRと対決 2・10集会主な発言
雇用と社会壊すJRと対決
2・10集会主な発言
2・10国鉄集会の主な発言の要旨を紹介します。このほかに集会では「内房線と地域を守る会」や「平和教育」つぶしと闘う教育労働者の連帯あいさつなどがあり、国鉄闘争全国運動の新たな発展を示しました。(編集局)
開会あいさつ
メーデーを天皇に消されてたまるか
国鉄闘争全国運動呼びかけ人/日本近代史研究者 伊藤晃さん
世界的に新自由主義が進行する中、少数の列強が世界の覇権を争っています。安倍内閣はこの争いに食い込むために、人民の自立性の基礎となってきたさまざまな社会制度を破壊しています。9条改憲は、その中身を空洞化する過程が数十年続いた結果、今日の状況があるわけです。
社会保障の全面的な解体、医療の利潤への従属は憲法25条の空文化です。教育制度の解体は26条への攻撃です。「働き方改革」による労働基準法の解体で憲法27条が有名無実化されている。関西生コンへの攻撃や、JRの不当労働行為を暴露する運動を労働委員会が退けるのは、憲法28条が定める団結権への正面攻撃です。
私たちのすべての闘争は、反改憲闘争の先頭にあると認識すべきです。
メーデーは世界の労働者が共通の課題を思い返し、共通の行動を組織する日です。天皇ごときにこれを消し去られては、われわれの面目にかかわる。力を合わせて頑張りましょう。
動労千葉からの報告
非正規だけの社会作るなの大運動を
動労千葉委員長 田中康宏さん
国鉄闘争全国運動が10年の闘いで築いた地平は大きいと思います。国鉄分割・民営化という大陰謀の真実を暴き出しました。不採用基準そのものが不当労働行為だったと最高裁で確定させ、不採用基準の策定を命じたのは、当時JR設立委員長で経団連会長の斎藤英四郎だったことを暴きました。法的責任はJRにあり、不当解雇は不当労働行為であったという真実は明らかになりました。ここまで敵を追い詰めました。
動労千葉・動労総連合は30年を経て新たな労働委員会闘争を始めました。だが労働委員会は冒頭から審理を拒否した。だから審理拒否弾劾の裁判闘争を起こしました。これは改憲が具体的な政治日程に上る中で、現在の最大の焦点です。
総評解散・連合結成から30年を経ても連合は現代の産業報国会として完成せず、日教組、自治労をつぶせていません。国鉄闘争が存在していたことが決定的だったんです。今年を日本に労働運動をよみがえらせる新たな出発点にしよう。
JRの職場では国鉄分割・民営化に次ぐ大転換が起きています。御用組合すら解体し、労働組合がない企業、労働組合がない社会をつくろうとしています。そして監獄のような現実が職場に襲いかかっている。
鉄道業務を全部別会社に移す。乗務員勤務制度などを全部変えて徹底的な労働の柔軟化を図る提案がされています。安全も技術継承も崩壊します。鉄道業務を何百社に分社化して、誰も責任をとらなくなる。全部の労働者を非正規職にし、超低賃金化していく攻撃です。動労千葉は今年勝負に出て、組織拡大にすべてをかけます。
これはJRだけで起きている問題ではありません。全公務員を非正規職に突き落とす攻撃にどう反撃するか。「非正規職だけの社会を作らせない」という全国的なキャンペーンを始めたい。職場で闘い、戦争に反対し社会の崩壊と立ち向かおう。今日を期して新たな闘いに立とうと訴えます。
解雇撤回の新たな闘い
労働委による労組つぶしと闘いぬく
動労千葉顧問弁護団長 葉山岳夫さん
1月22日、千葉地裁で千葉県労働委員会による忌避申し立て却下決定の取り消しを求める第1回の裁判が行われました。
2018年5月28日、千葉県労働委員会に申し立て、7月31日の第1回調査期日で村上典子審査委員は「最高裁判例に反する命令は出せません」と発言しました。9月10日の第2回調査で村上委員は「事実調べは行いません」と審査を打ち切りました。審査委員が独断で審査を打ち切ることは違法です。弁護団は直ちに忌避を申し立てましたが、労働委員会はその却下決定を出してきました。
これはJR東日本、経団連、安倍政権に加担した労働運動つぶしの反動攻撃です。弁護団は全国の心ある弁護士に呼びかけ、47人の弁護士が訴訟提起に賛成してくれました。次回の裁判は4月12日です。
全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部に共謀罪弾圧が加えられています。改憲を阻止し、改憲・戦争の安倍政権を打倒する闘いこそ、国鉄闘争に勝利する道と確信します。
奪いとられた職場に俺たちを帰せ!
動労千葉争議団 中村仁さん
私たちは解雇撤回を闘っていますが、32年前に採用されていたら、ここには立っていないかもしれません。分割・民営化に反対してストライキを打ったから、ここに立っているんです。国鉄から差別され、闘う労働者になれたことに私は誇りを持っています。資本が凶暴になった時にこそ労働者は立ち上がる。安倍がやろうとしていることにわれわれが立たなくてどうするんだ。
2010年の政治和解で国鉄闘争は終わったと言われるが、そうではないはずです。闘いの旗を立て、そこに皆を結集させなければいけない。安倍の改憲を労働者の力で止めるんです。
JR復帰を絶対に実現させるんです。俺たちは職場を奪われたんだ。だったら帰してもらおうじゃないか。今年、来年には絶対にJRに帰ります。私は先頭で闘います。
中曽根と安倍への決着を必ずつける
動労総連合1047協議会代表 小玉忠憲さん
私は旧秋田鉄道管理局でたった一人だけJR不採用になりました。32年前の2月16日です。私の職場は電気関係の職場で、ひとつ間違うと感電死することがあります。朝の点呼は仕事の打ち合わせで重要なんです。そこで毎日毎日、管理職は「意識改革しろ」と組合脱退を迫った。私は分会の書記長として、「不当労働行為をやめろ」と毎日抗議し、皆を団結させて仕事をしていました。彼らは「管理職への暴言」として私に停職処分を発令しました。不当労働行為と闘って何が悪いんだ。
当時の総理大臣の中曽根康弘は、「労働組合をつぶし新しい憲法をつくるためにわれわれを解雇した」と堂々と言い、「新憲法を見るまでは絶対に死なない」として安倍晋三を支え続けている。戦争・改憲阻止の闘いは中曽根、安倍に決着をつける闘いです。今年こそ、そのチャンスです。
動労総連合の闘争報告
「見極め試験」強制にストを構え闘う
動労千葉執行委員/千葉運転区支部 関和幸さん
千葉運輸区で昨年10月、組合員の先輩が2人、60歳になり、翌日からエルダー運転士として働くという10月31日、区長が表裏20枚の「見極め試験」をやると言ってきました。すぐに区長に抗議に行きました。42年間勤めてきた運転士が、明日から給料半分で運転を継続する。普通だったら会社が「ご苦労様でした」と言う話ではないのか。しかし区長は、「これは運転士に必要なものだ」としか言わない。
もうこのままではストライキで闘うしかないと決断しています。乗務員へのパワハラを許さず、いつでもストライキに突入できる態勢を整えて闘おうと思っています。
とんでもない行路、若い人に残せない
動労千葉津田沼支部長 相馬正利さん
今回の乗務員勤務制度改悪とダイヤ改定で、習志野運輸区ではとんでもない行路が作られました。津田沼から中野まで3往復、翌朝また1往復、距離では約306㌔という行路です。
これは単に業務量が増えるだけではありません。昨年秋に中野電車区を中野運輸区、三鷹車両センターを三鷹運輸区にする構想が出されました。中野4往復がさらに際限なく増えていくことになる。
私は来年で定年になりますが、今回のダイヤ改定を阻止しない限り、若い連中にとんでもないことを残して辞めなければいけない。それはとても悔しいので、3月ダイヤ改定を全力で阻止する覚悟で闘います。エルダーの5年も含めあと6年、組織拡大に向けて頑張る決意です。
東労組青年も巻き込む総決起つくる
動労水戸委員長 石井真一さん
JR東日本は完全にラインを越えて外注化と強引な労働強化を進めています。そのために労働組合のない会社にしようとしています。社友会の規約には「労働組合加入者は加入資格がない」と書いてある。完全に不当労働行為です。
3月16日のダイ改はすさまじい攻撃です。朝7時半から午後11時過ぎまで乗務して次の日も乗務する。集中力がもつはずがない。
組織拡大の最大のチャンスです。昨年10月の車掌合理化に対する動労水戸のストライキ・ビラまき行動に呼応して、東労組の青年が初めて会社の施策に反対してビラまきをしました。そういう職場の総決起をつくり出したい。常磐線の全線開通も今年が勝負です。
30年間の悔しい思いをすべてひっくり返すため、組織拡大へ闘います。
非正規の団結否定した反動命令覆す
動労総連合・新潟委員長 星野文男さん
1月23日、新潟県労働委員会は八代和幸執行委員の解雇撤回の申し立てを全面棄却する超反動命令を出しました。新潟鉄道サービス(NTS)の解雇の動機は、彼が組合員だと会社が知る前に決まっていたから、解雇は不当労働行為ではないとしました。「八代君は業務に向かない」と会社が証拠もなく一方的に主張したことも全部認定した。非正規職に団結は認めないという反動命令です。
これに対し私たちは、1月24日、25日に新潟支社や新幹線車両センター前で抗議行動を展開し、2月7日に中央労働委員会に再審査の申し立てをしました。
NTSは新人の教育指導要領を作るとしていたのに、それも作らなかった。外注化による安全無視は明らかです。今後は中労委に場を移して闘います。
関生支部弾圧粉砕へ
闘う労組の建設が弾圧への回答だ!
東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会書記長 吉本伸幸さん
関西生コン支部の故高英男副委員長から「関東生コンをつくってくれ」という言葉をいただいたことがあります。その遺志を継ぎ、東京・関東に生コンの闘う労働組合をつくりたい。
2月5日、関生支部の仲間が滋賀県警により16人逮捕されました。戦前戦中の治安維持法が共謀罪として実行されているんです。
労働組合が団結し、会社に対して「ふざけるな!」と言って闘うのは当たり前です。それが「威力業務妨害」や「恐喝未遂」になったら、ストライキなんかできません。
安倍が労働組合をつぶせと言っている。われわれは絶対に許せない。東京で関生支部つぶしを絶対に許さない集会をやろうと思います。労働組合の力を見せ付けて、改憲攻撃をぶっつぶしましょう。
まとめ・団結ガンバロー
集会の決意を職場に帰り実践しよう
国鉄闘争全国運動呼びかけ人/元世田谷地区労議長 花輪不二男さん
集会参加者は620人です。1047名の皆さんが1人でも残り闘っている限り、私は支援を続けます。ここで決心したことを職域で学園で実践しましょう。
関西生コンへの弾圧は許さない。辺野古の埋め立ては許さない。沖縄県民の闘いと連帯する。「働き方改革」のごまかしには乗らない。奴隷労働には断固闘う。連合路線を粉砕し、メーデーを守り闘う労働組合を建設しよう。朝鮮の南北統一を支持し、韓国の労働者と連帯し、戦争政策に反対する。改憲・戦争の安倍内閣は打倒する。明治150年・東京オリンピックのまやかしキャンペーンに乗らない。団結ガンバロー。