米帝がINF離脱を宣言 実戦使用狙い小型核弾頭も製造

週刊『前進』02頁(3011号02面02)(2019/02/14)


米帝がINF離脱を宣言
 実戦使用狙い小型核弾頭も製造


 アメリカとロシアの中距離核戦力(INF)全廃条約をめぐり、ポンペオ米国務長官は2月1日、離脱を正式に宣言し、ロシアに通告した。翌2日にはロシアも離脱を表明しており、条約は半年後に消え去る。
 ポンペオの宣言と前後し、1月末には米エネルギー省が小型核弾頭の製造を開始したと明らかにした。報道によれは、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に搭載する新たな小型核弾頭W76―2を製造。米国の核専門家の分析では、現在保有している核弾頭W76―1の爆発規模がTNT火薬に換算して約100㌔トンなのに対し、W76―2は5〜7㌔トンという。広島に投下された原爆は約15㌔トンとされており、W76―2の爆発規模は広島型の2分の1〜3分の1となる。
 重大なことは、小型核爆弾が「使える核兵器」と言われていることだ。米帝が小型核兵器を製造するのは実際に使用するためだ。しかも、いったん核兵器使用に踏み出せば報復の応酬となり、帝国主義を打倒しない限り、世界を巻き込んだ核戦争にまで行き着く。

核武装への動きを加速する安倍政権

 トランプの動きをにらみつつ、日帝・安倍政権も核武装の衝動を強めている。1月29日、安倍は核兵器禁止条約には参加しないと改めて国会で表明し、「わが国に対する核の脅威がある中、抑止力を維持し、国民の生命、財産を守り抜く責任がある」と言い放った。「抑止力の維持」とは、単に米帝の核を意味するだけでなく、日帝自身が核武装を目指すという意図だ。
 ポンペオが離脱宣言した直後の4日の記者会見での菅義偉官房長官の発言は、さらに露骨だ。菅は、このINF全廃条約破棄を「理解できる」と賞賛した。さらには「米国、ロシア以外の国々がミサイルを開発し、実戦配備している状況も認識する必要がある」とも語った。これは、中国や北朝鮮の核兵器を口実にし、トランプのINF離脱を絶好の機会として、日帝自身が核武装に踏み出す狙いを示すものだ。
 昨年8月6日広島、9日長崎で、安倍が被爆者たちの「核兵器廃絶」の必死の願いと訴えを踏みにじったのも、安倍が核武装を目指しているからだ。
 広島・長崎に投下された原爆は放射線と熱線、爆風で一瞬にして人々の命を奪い、街は廃虚と化した。「原爆死没者名簿」に登載されている犠牲者は、広島が31万4118人(昨年8月6日現在)、長崎が17万9226人(同8月9日現在)にもなる。さらに、今も膨大な数の被爆者、被爆2世・3世が苦しんでいる。3度目の核使用など絶対に許してはならない。
 今こそ、全世界の労働者人民が団結し、トランプ、安倍を打倒し、世界戦争・核戦争を阻止しよう。
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