統計偽造と「働き方改革」許さない 2・10国鉄集会に大結集を 解雇撤回・JR大合理化粉砕へ
統計偽造と「働き方改革」許さない
2・10国鉄集会に大結集を
解雇撤回・JR大合理化粉砕へ
2・10国鉄集会に集まろう。JRは、改憲のための労組破壊と「働き方改革」を現実化する攻撃の最先頭に立っている。統計偽造でアベノミクスの破産を居直り、資本主義の延命のために戦争へ突進する安倍政権と対決する場が2・10集会だ。国鉄1047名解雇撤回闘争は新段階に入り、3月ダイヤ改定と19春闘をめぐる攻防が始まった。常磐線全線開通阻止の闘いも正念場だ。弾圧と総力で闘う全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部と連帯し、改憲を阻止する階級的団結をこの集会で固めよう。
1047名解雇撤回せよ 団結権守りぬく闘い
動労総連合の国鉄1047名解雇撤回闘争は新たな地平を開いている。
アメリカと中国の貿易戦争が激化する中、実体経済の急激な落ち込みが始まった。08年のリーマンショックの時のような大量解雇が、いつ起きてもおかしくない状況だ。国鉄解雇撤回闘争は、これに対する労働者の総反撃の結集軸だ。
国鉄分割・民営化に際する解雇は、国鉄労働運動つぶしを目的に強行された。これとの闘いの中で、動労千葉は組合員をJRから排除するために作られた不採用基準が不当労働行為であることを、15年6月の最高裁決定で確定させた。
この勝利の上に、動労総連合は昨年5月、JRに解雇を撤回させるため千葉県労働委員会に申し立てた。不採用基準がJR設立委員によって作られたという事実をつかんだことが、その武器となった。この事実がある以上、JRには不当労働行為による解雇を撤回する責任がある。
ところが千葉県労委は、事実調べもせずに審査を打ち切ると通告してきた。これは、労働委員会自身が労働委員会制度を解体する暴挙だ。その不当な審査指揮を行った公益委員への忌避申し立ても却下された。
これに対し動労総連合は、忌避申し立て却下決定の取り消しを求める新たな訴訟を起こし、1月22日からその裁判も始まった。
これは労働者全体の団結権をかけた攻防だ。JRは今、分割・民営化に率先協力したJR東労組さえ解体し、「労働組合のない社会」をつくる攻撃を強めている。労組つぶしの原点にある国鉄解雇を撤回させる闘いは、これとの攻防の最先端に位置している。
これが国鉄解雇の真相だ
国鉄分割・民営化の直前の1987年1月28日、JRへの採用希望者は本州と四国では定員に満たないことが判明した。国鉄職場に吹き荒れた激しい不当労働行為で、大量の「希望退職者」が出た結果だった。
国鉄は、本州や四国では希望者全員をJRに採用するといったんは表明した。分割・民営化に率先協力したカクマルはこれに猛反発し、国鉄との関係は緊張状態に陥った。2月2日の鉄道労連(現JR総連)結成大会は「分割・民営化に反対する労組の組合員は採用するな」という決議を上げ、国鉄当局を反動的に突き上げた。これを受け、杉浦喬也国鉄総裁は「皆さんの希望に沿えるようになった」と鉄道労連結成記念レセプションで発言した。動労総連合組合員らの解雇を国鉄当局は決断したのだ。
国鉄職員局次長の葛西敬之(現JR東海名誉会長)と国鉄総裁室長の井手正敬(元JR西日本社長・会長)が直ちに動き、JR設立委員長の斎藤英四郎(当時、経団連会長)を「過去に処分歴のある者は排除すべき」と説得した。斎藤もそれに応じ、不採用基準の策定を葛西らに命じた。
これによりJR採用候補者名簿から動労総連合組合員らの名前は削られた。その作業を行ったのは現JR東日本社長の深沢祐二だ。
不採用基準とそれに基づく名簿は2月12日のJR設立委員会合で正式決定された。JR設立委員の全員が、不採用基準の策定にかかわったのだ。
「変革2027」打ち砕け 全面分社化との対決
JR東日本が昨年7月に打ち出した「グループ経営ビジョン『変革2027』」は、「『鉄道を起点としたサービスの提供』から『ヒトを起点とした価値・サービスの創造』への転換」を掲げ、鉄道事業からの脱却を露骨に叫んだ。だが、JRの現実の基盤は鉄道事業にある。だからこれは、鉄道事業の全面的分社化と労働者への転籍強要・総非正規職化に必ず行き着くのだ。
将来は乗務員廃止
3月ダイヤ改定で強行される乗務員勤務制度の改悪は、JRが強行する合理化の最たるものだ。従来の乗務員の枠外で、支社課員らを短時間行路に乗務させるこの施策は、安全無視の極みだ。今回のダイヤ改定で設定された短時間行路は、育児・介護のため短時間勤務を希望する労働者を対象にしたものがほとんどだが、今後は支社課員らによる片手間乗務が大幅に拡大されるのだ。
それを見越して、JR東日本は昨年末、就業規則の改悪案を出してきた。テレワークの導入と、管理職に適用されるフレックスタイム制について、出勤が義務付けられたコアタイムをなくすことがその内容だ。乗務を終えた支社課員らに、駅などに設置された簡易オフィスでテレワークをさせることがその狙いだ。
こんなことをすれば労働時間管理などなくなる。輸送混乱時に、支社課員らが駅の業務や再度の乗務に就けられることは明らかだ。
さらにJRは、列車の無人運転化で乗務員という職種自体をなくすことさえたくらんでいる。
設備部門の外注化も激しく進む。昨年11月にJR東日本が打ち出した「電気部門の変革2022」は、「設備管理に関する最終的な判断」以外の全業務を外注化すると言う。JRに残る実質的な業務はなくなるということだ。
だが、電気部門では、外注化を原因とする大事故が続発している。1月22日にも、JR新潟変電所で大きな火災が発生した。
保線や車両の検査・修繕部門では、定期点検を大幅に削減する合理化が進む。JRは、乗客を乗せて走る列車が同時に線路や車両の状態をIT機器で監視するから安全だと強弁する。だが、「TBM(時間基準検査)からCBM(状態基準検査)への転換」と称してJRが行っていることは、事故の未然防止という考え方の放棄にほかならない。
駅部門では、昨年10月に強行された吉祥寺駅の外注化に続き、3月には秋葉原駅も外注化される。
これに加えJR東日本は昨年末、「新幹線業務の変革」の名で、これまで各支社の管轄下にあった新幹線関係の現業機関をすべて本社直轄にする計画を打ち出した。在来線の大幅な切り捨てに向けての布石だ。
反撃の糸口はある
だが、そこには根本的な矛盾がある。外注先の子会社・関連会社は、超低賃金と劣悪な労働条件のため人が集まらない。入った労働者もすぐ辞めていく。これでは技術継承は不可能だ。
だからJRは、関連会社でエルダー(定年退職後の再雇用)社員を低賃金で酷使し、その誇りを奪う仕打ちを繰り返しつつも、エルダーに蓄積された経験をあてにせざるを得ない。関連会社こそ、「生涯非正規」を強いられた青年層が国鉄労働運動を知る世代と接し、階級的労働運動を再生する原野になりうるのだ。反撃の糸口はここにある。
3月ダイヤ改定を阻もう 地方破壊に怒り噴出
極限的な労働強化
3月ダイヤ改定でJRは、労働者に極限的な労働強化を押し付けようとしている。JR東日本の習志野運輸区では、泊り勤務で初日に津田沼―中野間を3往復した上、翌日さらに1往復するという長時間行路が設定された。水戸支社管内では、朝7時台に出勤し、1日8~9時間も乗務した上、さらに翌日も乗務する行路が作られた。労働者を人間とも思わない殺人的なやり方に、現場労働者の怒りは噴出している。
今回のダイヤ改定で、乗務員勤務制度が改悪される。「育児・介護」を口実に短時間行路が設定されるが、要員は増やさないため、矛盾はすべて現場労働者にしわよせされる。「育児・介護」は口実で、一切の歯止めを外して長時間・強労働を強制することがJRの狙いだ。今後、支社課員らが片手間で乗務することになれば、現場の実態はさらに過酷なものになる。
特急停車駅は縮小
このダイヤ改定は、ローカル線を切り捨て、地方を破壊するものでもある。
中央線の各駅では、停車する特急「あずさ」の本数が大幅に減る(表)。沿線の山梨県や長野県では、自治体首長が反対の声を上げ、JRの支社や本社にこぞって抗議に赴く事態になった。JRは自治体には事前の説明もせず、改悪されたダイヤをいきなり公表した。この横柄なやり方にも怒りが高まっている。
中央線特急には、常磐線特急と同様の「新着座サービス」が導入される。これは、特急の全席を指定席にするが、座席上方のランプが空席であることを表示している場合は、指定を受けていない乗客も着席できるというものだ。JRは、このシステムが定着すれば車内検札は不要になるとして、いずれは常磐線と同じように特急の車掌を1人にすることを狙っている。
だが、現に常磐線では、座席をめぐる乗客同士のトラブルが多発している。だからJRは、中央線では途中駅で特急に乗車する機会を乗客から奪うことによりトラブルを抑えるという、乱暴な手段に出てきたのだ。これは鉄道会社としては異様な選択だ。
地元駅に特急が停車しなくなることは、地方にとっては重大問題だ。新自由主義による地方崩壊が激しく進む中で、これは地域に壊滅的打撃を与えかねない。
内房線・外房線沿線の住民は動労千葉と連携してローカル線切り捨て反対の運動を展開している。これに続く地方からの反乱の芽は、今や無数にあるのだ。
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関西生コン支部弾圧を打ち破り、第3の分割・民営化と闘おう!
改憲と労働基本権解体を許すな!
国鉄分割・民営化による
不当解雇から32年 2・10国鉄集会
2月10日(日)午後4時開始
市川市文化会館小ホール(千葉県市川市大和田1―1―5、JR総武線・都営新宿線「本八幡駅」徒歩10分、京成線「京成八幡駅」徒歩15分)
主催/国鉄闘争全国運動