違法建築物訴訟 命脅かす豊洲を止めよ 裁判官忌避申し立て

週刊『前進』04頁(3008号04面02)(2019/02/04)


違法建築物訴訟
 命脅かす豊洲を止めよ
 裁判官忌避申し立て

(写真 総括会議で発言する原告の宮原さん【右から2人目】)

 1月24日午後、豊洲市場違法建築物除却命令等義務付け請求事件裁判(本訴)の第3回口頭弁論が東京地裁民事第51部(清水知恵子裁判長)で行われた。
 清水裁判長は今回の法廷で、建築基準法違反をめぐる実体要件の審議に一切入ることなく審議終結することを狙っていた。しかも、同事件の仮の義務付け申し立ては高裁の特別抗告許可により最高裁に審議の場が移っている。その判断すら待たず棄却しようとたくらんだ。築地を活かし豊洲を止める会と支援の仲間はこの裁判所の暴挙を絶対に許さないという怒りをたぎらせ、傍聴闘争に集まった。
 開廷後、原告代理人の武内更一弁護士が意見陳述に立った。武内弁護士は仮の申し立てで地裁、高裁が出した「都知事が都知事に対して是正措置を命令する法的立場にない」との判断は、法律的な拘束力のない「勧告」の処分性を認めた2005年最高裁判例に相反することを突きつけた。そして「市場で働く何千、来場する何万人もの生命に関わる」と述べ、実体についての審議に入ることを裁判長に鋭く迫った。
 続けて原告代理人の藤田城治弁護士が、水産仲卸市場棟の床面に十字に入ったひび割れがあるなど、耐震性強度に著しく問題があることを裏付ける証拠を挙げた。
 これらの原告側の主張に対し、被告・東京都は当然、法廷で反論するべきである。にもかかわらず清水裁判長は都に反論を促すことすらせず、突如、「審議を終結し判決期日を決めたい」と口走った。棄却を狙っているのは明らかだ。
 傍聴席から怒りの声が上がる中、武内弁護士が直ちに裁判官忌避を申し立てた。清水裁判長ら3人の裁判官は青ざめた顔で法廷から逃げ去った。
 裁判所は都と日建設計の明白な違法を突きつけられ追い詰められる中、あまりにも偏った、異様な訴訟進行を行った。だが当然にも原告と支援の憤りが爆発し、裁判官忌避によって訴訟は停止に追い込まれた。
 弁護士会館で行われた総括会議で、原告代表の仲卸・宮原洋志さんは「豊洲市場が続行すればわれわれの命の危険がある。そのような危険を裁判長は知っていて続けさせることに怒り心頭だ」と憤りを表し、団結を打ち固めた。
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