「レーダー照射」は安倍のデマ 改憲・戦争狙い排外主義あおる
「レーダー照射」は安倍のデマ
改憲・戦争狙い排外主義あおる
自衛隊哨戒機が韓国艦艇を威嚇
昨年12月20日に韓国軍の艦船が海上自衛隊のP―1哨戒機に「火器管制レーダーを照射した」とされる事件に関し、1月21日、防衛省は加工済みの正体不明の機械音を公開し、「火器管制レーダーを照射した」証拠と断定する最終見解を発表した。そして韓国側との実務協議を打ち切った。
韓国国防部は同日付の声明で「日本側が根拠となる資料の提示もなく、いわば電磁波接触音だけを公開した後、事実関係を検証するための実務協議を中断した」ことに「深い遺憾」を表明した。加えて「事案の本質は人道主義的救助活動中であるわが艦艇に対する、日本の哨戒機の『低空威嚇飛行』」であるとし、再発防止と謝罪を求めた。
はっきりさせなければならないことは「火器管制レーダー照射」なるものが、安倍による悪意に満ちたねつ造であり、デマ宣伝であるということだ。安倍・防衛省は「韓国側の主張が二転三転している」とするが、それはうそだ。韓国側の主張は当初から一貫して、北朝鮮漁船の遭難救助活動中であった韓国艦艇はMW―08(三次元レーダー)を稼働させていたが、砲やミサイルの照準を合わせるためのSTIR―180(対艦対空射撃電信・イルミネーター)での照射を行う理由もないし、行っていない、というものだ。
今回防衛省が公開した機械音は、探知日時、方位角、電磁波の特性など何も確認できない。多様なレーダーが運用されていた中で追跡レーダーの電磁波受信音だと断定する根拠にはまったくならない。
問題は、この間、自衛隊機が低高度近接威嚇飛行を繰り返している事実である。P―1哨戒機が韓国艦船に高度150㍍、距離500㍍まで接近し持続的に威嚇飛行をし、遭難救助活動中の乗組員に脅威を与えた。1月24日には韓国国防部が、海自のP―3C哨戒機が東中国海で韓国海軍の駆逐艦に高度60〜70㍍、距離540㍍での威嚇飛行を実施した画像5枚を公開。18、22日にも同様の威嚇飛行が実施されたとして「強く糾弾」した。
岩屋毅防衛相は「丸腰の哨戒機が近づいて、脅威を感じるのはむしろ哨戒機」と反論したが、哨戒機が「丸腰」など大うそだ。P―1の場合、翼下に対艦ミサイルを8発搭載でき、爆弾倉には魚雷、爆雷、爆弾などを搭載できる。哨戒機の低高度威嚇飛行はそれ自体、脅威であり挑発だ。
そもそも12月20日の「事態発生」の場所について、日本側は「日本のEEZ(排他的経済水域)内の能登半島沖(大和堆)」と主張しているが、いまだ座標を公表していない。大和堆の大部分は日韓暫定水域(日本側EEZ外)に含まれ、座標も明らかにせず「日本側EEZ内」とだけ主張し続ける対応は、あまりにも不誠実である。しかもEEZ内であるか否かは、海難救助活動とは無関係である。
再度の朝鮮侵略戦争の道許すな
安倍政権がデマ宣伝までして敵意をあおり立てているのはなぜか。排外主義を鼓吹し、改憲と軍事大国化への追い風にするためだ。それだけではない。米中の対立が実際の戦争へ向かう情勢のもと、日本帝国主義が朝鮮侵略戦争に本気で参戦するためである。「ろうそく革命」後の韓国政府をも転覆の対象とし、日帝のもとに力ずくでねじ伏せることを狙っている。「徴用工」や慰安婦をめぐる戦争犯罪の全面的開き直りもそのためである。
自ら「事件」をでっち上げ、それを口実に侵略戦争にうって出ることは歴史的に日帝の常套(じょうとう)手段である。森友・加計事件やデータねつ造など、安倍は官僚を動員して平気でうそをつき、真実をねじ曲げている。それはかつての朝鮮・中国・アジア侵略戦争の道だ。うそにまみれた安倍の排外主義攻撃を打ち破り、改憲・戦争を絶対に阻もう。