福島の圧殺者・山下俊一 事故直後に「被曝は深刻」と表明
週刊『前進』04頁(3008号03面02)(2019/02/04)
福島の圧殺者・山下俊一
事故直後に「被曝は深刻」と表明
福島県放射線健康リスク管理アドバイザーを務める山下俊一が2011年3月11日の福島第一原発事故直後、子どもの甲状腺被曝について「深刻な可能性がある」と語っていたことが、1月28付東京新聞で明らかになった。山下は、事故後に福島県立医大副学長、福島「県民健康管理調査」検討委員会の座長に就任(13年退任)し、福島圧殺の先頭に立っている人物だ。
山下は3月18日に福島県入りし、翌日、アドバイザーに委嘱された。その翌々日の21日昼、県庁内に設置されたオフサイトセンター(OFC)に行き、「小児の甲状腺被曝は深刻なレベルに達する可能性がある」と見解を表明していた。
山下は、チェルノブイリ原発事故の被災地でIAEA(国際原子力機関)のプロジェクトに参加して調査し、小児甲状腺がんなど健康被害の多発を熟知していた。福島でも健康被害の危険性が高いと、当初から認識していたのだ。
山下には、直ちに子どもを含む住民の被曝を防ぐ対策に全力投入する責任があった。だが、許せないことに逆の対応をした。この発言の直後、県庁近くの「福島テルサ」で講演し、「放射線の影響は、実はニコニコ笑っている人には来ません」と説明。さらに県内各地で講演し「100㍉シーベルト以下は安全」とデマ宣伝してまわった。これは人民虐殺の凶悪犯罪だ。
山下は翌12年8月26日の毎日新聞インタビューで、「県民と我々が対立関係になってはいけない。日本という国が崩壊しないよう導きたい」と本音を吐いた。
山下の発言は、原発を推進し、核武装をめざしてきた自民党政府・原発推進派の意思そのものだ。自民党・安倍政権や原発推進派にとって、子どもや労働者民衆の命・健康より、資本主義の「国家」=支配階級の利益を守ることが大事なのだ。こんな「国家」などいらない。労働者民衆の団結した力で打ち倒そう。3・11反原発福島行動を、その始まりの日にしよう。