韓国テグで詩画展と講演集会 沖縄・広島で深まった日韓連帯
韓国テグで詩画展と講演集会
沖縄・広島で深まった日韓連帯
1月19日、韓国・テグで「反戦!平和!運動家、良心囚、星野文昭釈放要求 韓日連帯決議大会」として星野文昭さんの絵と暁子さんの詩による詩画展、暁子さんの講演会が行われました。
広島連帯ユニオンは国際連帯闘争としてテグの城西(ソンソ)工団労組と2013年から交流を深めてきました。その中で昨年の8・6ヒロシマ大行動には城西工団労組、そして城西労組と関係の深い民衆行動、そしてサード(THAAD・高高度迎撃ミサイルシステム)配備に反対するソンジュ(星州)から合わせて11人の仲間が参加されました。彼らはその場で星野闘争に触れ、これはぜひテグでも取り組みを行いたいということになりました。
その後、テグからは直ちに76筆もの要望書が届き、そして今回の詩画展と暁子さんの講演という企画に結びついたのです。今回の取り組みは民衆行動代表のイドクチェさんが代表を務める「教育空間ワ」の主催です。
全教組テグ支部の集会室を会場に
会場は全教組テグ支部の集会室。会場後ろには全教組の営々たる闘いの歴史が写真で飾られています。講演会場のすぐ横が展示ブースで、文昭さんの絵と翻訳された暁子さんの詩が展示されています。
公務員労組の仲間の司会で集会が始まり、まずイドクチェ代表が「資本主義の恐慌と戦争の機運が拡大するこの時代に、日本の星野文昭さんの釈放運動をテグで開くことになったのは実に歴史の必然」「今日、星野さんの釈放運動のための歴史的な韓日国際連帯が大きな共鳴を起こし、日本での意味深い結果が浮かび上がることを心から望みます」と熱烈な歓迎のあいさつ。参加者の紹介の後、救援会作成のDVDを上映し、暁子さんが講演を行いました。
70年安保・沖縄闘争、その中での71年11・14渋谷闘争と、それに対する国家権力の弾圧の経緯、沖縄の米軍基地の実態、暁子さんと文昭さんの出会い、苦闘、絵の意味、そして再審と釈放をめぐる攻防、「なんとしても釈放をかちとり、次は2人でここに来たい」という決意が語られました。1時間の講演で参加者に星野闘争の全体像と星野夫妻の生き様が伝わったのではないかと思います。
質疑応答では「結婚するまでにどういうお付き合いをされたのですか」「韓国もベトナム戦争に参戦し多くの若者が死んでいる。星野闘争との連帯は深い意味があると思う」「日本の良心囚の現状は? 韓国の運動に要請はありますか」など活発な質問と討論が行われました。
集会の最後に主催者から「応援牌」という記念牌が授与され、会場で集めた要望書が手渡されました。テレビ局MBCも取材に訪れ、夜の地元のニュースで大々的に報道されました。いろんな意味で大成功でした。
サード配備に反対するソソンリ訪問
翌日はサード配備に反対して闘うソンジュ・ソソンリを訪問。昨年8・6ヒロシマ大行動に参加したパクチョルジュさんらが迎えてくれました。現地で先頭で闘うハルモニ(おばあさん)たちと交流。一緒にソソンリの映画を見ました。 獄中44年の星野さんの話を聞いて、一人のハルモニが日本の植民地支配の中で創氏改名に抵抗して家族が拘束されたことを語り、「暁子さんの気持ちはわかる」と話されていました。
今回の訪問を通して、みんなで「ダッカン(奪還)」という日本語を覚えて呼び合ったり、多くの方が暁子さんと非常に親密になりました。単に政治的意味だけではなく、暁子さんと文昭さんという人間と人間の関係として連帯を築いたことが画期的だったと思います。
参加して驚いたことは、マスコミの反応も含め「なぜ日本の政治犯の問題を韓国で?」という反応はまったくなく、「当然にも自分たちの問題だ」という反応なのです。戦争反対で闘い44年間も不当に拘束され非転向で闘う星野闘争そのものに、国境による分断を一瞬で超えていく力があることを韓国の地であらためて学ばされ、星野闘争は世界を獲得する闘争であることを実感しました。
(広島連帯ユニオン・宮原亮)