星野解放へ世界的渦起こそう 1・27全国集会発言から

週刊『前進』04頁(3008号02面01)(2019/02/04)


星野解放へ世界的渦起こそう
 1・27全国集会発言から

(写真 全国から720人が集まった星野文昭さん今すぐ解放全国集会【1月27日 東京・すみだリバーサイドホール】)

星野暁子さん
 侵略の歴史を連帯の歴史に変える

(写真 テグで「教育空間ワ」のイドクチェ代表から贈られた応援牌を前に発言する星野暁子さん。牌には「日韓をこえ全世界労働者民衆に対し、戦争をなくし平和を死守しようと努力されているその熱情を尊重し連帯を込めて」と刻まれている)

 「反響があると思うよ。韓国の人は意識が研ぎ澄まされているからね。星野のことも深く理解してくれると思うよ」、面会でのそんな文昭の言葉に背中を押されて、韓国のテグ(大邱)に行ってきました。
 1月20日にサード見学の後の交流会で、私が「日本が韓国に対して行ったことは決して消えるものではない。安倍政権が登場する中で、文昭のような闘いがあることを韓国の労働者民衆に知っていただくことはうれしいことですが、熱烈な歓迎を受けて複雑な思いも残ります」と言いましたら、イドクチェさんは「その回答は、私たちは韓国人、日本人ではなく、世界の労働者民衆だ」と言われました。「困難な時代に一緒に闘った日本人もいる」と言われた方もいました。真の国際連帯とは何かをつかむ、貴重な体験でした。
 19日、詩画展と集会。私の講演に対して熱心な質問と意見が次々に寄せられました。「韓国に対する日本の残虐な歴史を連帯の歴史に変えるために文昭は闘っている」と言ったことに対し、女子学生が「星野さんの闘いに対する見方が変わりました」と言ってくれました。「恋愛関係があったのですか」、そんな質問もありました。
 この応援牌(はい)、34年間星野を闘ってきて表彰されたのは初めてです。これは、星野文昭と36の救援会全部にいただいたものです。大切にし、励みにしたいと思います。
 年度内の文昭の解放、それは日韓連帯の闘いをさらに進めるものでもあります。全力で頑張りましょう!

星野再審弁護団
裁判所に新証拠の開示を求める
 主任弁護人 岩井信弁護士

(写真 星野再審弁護団が登壇し、星野さん解放を訴える岩井信主任弁護人。後列右から和久田修弁護士、藤田城治弁護士)

 角田弁護士が私たちの弁護団に入りました。非常に心強いです。四国地方更生保護委員会で私たちが交渉の対象にしている更生保護委員は一貫して出席をしません。角田先生がほえるように「〝心身の状況〟についてちゃんと調査しているのか」と問い詰めました。
 次回の申し入れを1月22日頃にしたいと伝えたところ、更生保護委員会は予定が合わないからと2月15日となりました。前回から、2カ月弱の間が空く。年度末のどさくさにまぎれて決定を出すためかと、大きな不信感を持ちました。したがって、一日一日が非常に重要な日々になります。
 昨年12月、裁判所に新証拠の開示を働きかけました。当時の警察の統括官のレポートに、名前も書いてある目撃証言が存在すると突き止めています。それが出れば必ず星野さんが無罪であることがわかります。

医療データ出せと刑務所に迫る
 和久田修弁護士

 昨年12月27日に徳島刑務所で星野さんと接見をしてきました。星野さんの健康問題は6〜7割方回復してきたということです。我々は刑務所が取った星野さんの医療データを出せ、と刑務所に強く申し入れました。医療データを弁護人にも開示しない刑務所に対して、今後も強く迫っていきたい。
 星野さんはこの間の闘いで、本当に具体的に「出る」、皆さんと本当に手をつなげる、そういった実感が出てきたと言っていました。星野さんの釈放を今年実現するために、頑張っていきましょう。

大坂さんも一緒に無実・解放へ
 藤田城治弁護士

 星野さんと共に11・14渋谷闘争を闘った大坂正明さんの弁護団でもありますので、現在の進行をご報告します。大坂さんは東京拘置所で元気でいます。一昨年の6月に起訴されてから約1年半たちました。
 公判に向けて三者協議を毎月1回のペースで進めています。一番のテーマは証拠開示です。星野再審で問題となっている民間目撃者の全証拠の開示を求めて闘っていきます。次に免訴の主張、本来時効が完成しているじゃないかということです。そして裁判員裁判から除外して、通常の裁判で審理を行えと主張しています。
 星野さんと大坂さん一体で無実、解放をかちとっていきましょう。

更生保護委との闘い
闘う魂に触れて決断
 星野再審弁護団 元参議院副議長
 角田義一さん

 年老いたホワイトタイガーであります。
 去年の夏に、群馬で星野さんを救い出す運動をしている伊藤成雄さんが私の事務所に来ました。資料を全部読ませていただいて、腹の底から「これは酷い、こんなことが許されていいのか」と私は怒ったのです。
 私は村山政権の時に法務政務次官として石川一雄さんの仮釈放について、部落解放同盟の方と相談をさせていただいた。この経験と合わせて、44年間、節を曲げず闘いぬいた星野文昭さんの闘志、魂に触れて、私は感銘を受けました。どんなことをしても奪還をするんだと、腹をくくった。
 そして、11回と12回の更生保護委員会への要請行動に参加しました。「星野君の健康状態はどうなっているんだ! 万万が一のことがあったら誰が責任を取るんだ!」と詰め寄りました。
 この闘争は政治的な闘争である面を否定できない。安倍が更生保護委員会の後ろにちらちらしている。私は、安倍は〝亡国の宰相である〟と思っている。戦争法を通し、集団的自衛権を認めた。自衛隊は専守防衛ではなくなった。その自衛隊を憲法に堂々と書き込む。これが改憲の真意です。体を張っても絶対に許さない。参議院選挙で安倍にとどめを刺しましょう。
 いま事務方にお願いをしているのは国連の人権理事会に通報することです。世界的な渦を巻き起こして、星野さんを奪還しよう!v

佐渡で星野取り組む
 佐渡市議会議員
 日本キリスト教団佐渡教会牧師
 荒井眞理さん

 新潟県の佐渡島から来ました。星野解放闘争のことは、昨年の仮釈放の署名集めの呼びかけで初めて知りました。
 佐渡では短期間で100筆を超える署名が集まりました。毎年、佐渡人権展を7月に開催します。狭山事件と石川一雄さんの闘いを紹介するコーナーもあり、地域の小中学生と高校生も座って説明を聞きます。こういう取り組みが、佐渡で人権問題の理解が進む土台をつくっています。
 亡くなられた機動隊員は佐渡出身ですが、そのことを知っていても「44年は長すぎる」と市民も署名してくれました。そこで私は、ご遺族が真相を知らないなら、星野闘争は星野さん解放だけの問題ではなく、ご遺族にとっても大事な解放だと考えました。
 更生保護委員会に請願を申し入れたところ、何度も断られました。そこで私は請願を持って11月14日の申し入れに参加させていただき、「請願は受け付けます」という回答をもらうことができました。

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