知る・考える 用語解説 自治体戦略2040構想-地方自治破壊・職員半減の新「道州制」

週刊『前進』02頁(3007号02面05)(2019/01/31)


知る・考える 用語解説
 自治体戦略2040構想-地方自治破壊・職員半減の新「道州制」


 戦後地方自治制度の破壊と自治体職員の半減、住民の生活を支える自治体業務の切り捨てと私企業による全面民営化を主張する。「2040年に向けた構想」とされるが、今出されていることに意味がある。改憲と一体の、新たな装いをとった「道州制」=戦争国家への大改造プランであり、会計年度任用職員制度がその導水路となる。
 「構想」は総務省の自治体戦略2040構想研究会(座長は清家篤・慶応義塾学事顧問)が昨年示した。安倍政権はこれに沿って、今年中に法律体系の抜本的改悪をめざしている。
 明治の「廃藩置県」と戦後憲法、地方自治制度を否定し「人口減少時代に合った新しいモデル」を提唱する。その核心は「国と地方自治体は対等」とする地方自治の根本からの破壊である。地方自治制度は憲法8章「地方自治」に基づき、9条と共に、国が行う戦争に対する「歯止め」とされる。住民が国に抗して命と生活を守り戦争を拒むことができるものと位置づけられてきた。安倍や経団連、橋下徹・前大阪市長らが旗を振る道州制はこの地方自治を否定する。絶対的権限を持つ国の下に九つの道州が置かれ、市町村は住民支配と戦争遂行のための下部組織に変わる。
 道州制は、大阪・橋下が打倒されることでいったんは立ち消えとなったが、形を変えて復活した。「構想」の実行は改憲と戦争国家化、組合を破壊し、地方切り捨てと社会の最後的崩壊をもたらす。
このエントリーをはてなブックマークに追加