経団連・中西「再稼働やれ」 反対運動つぶせと政府に迫る
週刊『前進』04頁(3006号03面02)(2019/01/28)
経団連・中西「再稼働やれ」
反対運動つぶせと政府に迫る
1月15日、経団連の中西宏明会長は記者会見で、原発の再稼働を「どんどんやるべきだ」と言い放った。そのうえで「(原発の立地や周辺の)自治体が(再稼働に)イエスと言わない。これでは動かせない」と強調した。そして自治体の説得は「電力会社の責任では片付かない」と、状況打開のためには「公開の討論」すなわち、政界や御用学者をも総動員した世論工作が必要だと訴えた。
この中西発言は超重大であり、絶対に許すことはできない。中西は1月冒頭にも報道陣に「国民が反対するものはつくれない」と絶望感を吐露していた(1月5日付東京新聞)。ここで彼が求めているのは、原発反対、再稼働反対の声の圧殺に政府がもっと全力で動けということだ。安倍政権はいま沖縄で、県民の民意を公然と踏みにじって辺野古の浜への土砂投入を強行し、2月24日に予定されている県民投票をもつぶそうと、あらゆる卑劣な手段を使った攻撃を加えている。同様に、原発再稼働に抵抗する市町村をもすべて、政府の責任で力ずくで屈服させろと言っているのだ。
これは同時に、日帝の原発政策の総破綻に対するブルジョアジー中枢の激しい危機感と焦りの表明でもある。中西は経団連会長であると同時に、原発企業である日立製作所の会長だ。1月17日には、日立はイギリスでの原発建設を凍結すると発表した。福島原発事故後に建設費が当初の1・5倍の3兆円にまで膨らみ、採算が合わなくなった結果である。鉄道輸出と並んで安倍政権の「成長戦略」の柱であった原発輸出はことごとく挫折し、ついに「輸出ゼロ」に追い込まれた。
だが原発推進が日帝の核武装化と一体の第一級の国策である以上、どんなに破綻しようと日帝にとってそこからの「撤退」などありえない。1月18日、閣議後の記者会見で世耕弘成経済産業相は、原発輸出を進める方針に「変更はない」と宣言した。原発ビジネスに群がる大資本家どもはこれを受けて、反対運動の圧殺とともに、民間企業の力だけではもう「限界だ」(日立の社長)と国家資金の大量投入をも求めている。
この恥知らずなあがきを労働者人民の怒りの大爆発で粉砕しつくそう。