闘い続け必ず築地に戻る 「豊洲市場とめろ」と総決起集会
週刊『前進』02頁(3005号02面01)(2019/01/24)
闘い続け必ず築地に戻る
「豊洲市場とめろ」と総決起集会
(写真 「闘いはこれからだ。必ず築地に戻る」と闘志をたぎらせ、参加者の活発な討論を通じて闘い続ける決意を打ち固めた【1月16日 東京・中央区】)
1月16日、築地を活かし、豊洲を止める1・16総決起集会(主催/築地を活かし豊洲を止める会)が開かれ、仲卸の仲間と東京各地の労働者が結集した。東京都の築地市場閉場・解体と豊洲移転に対し、「必ず築地に戻る」と闘いぬく仲卸とともに、東京の労働運動を必ずつくり変える決意が打ち固められた。
汚染、耐震偽装、建物の欠陥による重大事故の多発、市場で働く仲間の呼吸器系の不調、仲卸の廃業、「営業権」を行使して闘う仲卸への都の恫喝的な業務停止処分攻撃、労働組合への組合事務所使用禁止の不当労働行為など、豊洲市場の大問題は何も解決していない。また昨年12月の売り上げ大幅減に続き、初市での入荷量が昨年比で35%も減少したことが明らかになった。小池百合子都知事は何の責任も取っていない。
耐震偽装を暴露
司会を江東区の自治体労働者・岸上真寿美さんが務めた。昨年暮れに逝去された豊洲耐震偽装裁判原告の仲卸の1人である牧野和彦さん(牧和水産会長)に黙禱(もくとう)し、遺志を継いで闘うことを誓った。豊洲違法建築物除却命令等義務付け請求事件裁判について弁護団の武内更一弁護士と藤田城治弁護士から発言を受けた。同裁判は、豊洲水産仲卸売場棟1階柱脚の鉄量不足や甘い数値を使った構造計算などの耐震偽装・建築基準法令違反を暴き、都に是正命令(使用禁止・除却)を求めた行政訴訟である。裁判は本訴と仮の申し立てが闘われており、仮の申し立ては東京地裁の却下、東京高裁の棄却決定に対し特別抗告・抗告許可を申し立て、高裁が抗告許可決定を出したことで最高裁に移っている。
武内弁護士は同裁判の意義と経過を解説した上で、1月24日の本訴第3回口頭弁論で裁判所を追い詰めたいと述べた。藤田弁護士は豊洲市場の建物が弱いことを示す事実を挙げ、裁判所に突きつけると語った。
闘いはこれから
止める会代表の仲卸・宮原洋志さんが基調を提起した。宮原さんは「何代にもわたって守ってきた築地を更地にして欠陥だらけの豊洲市場へ追い立てることを認めることはできなかった」と会の結成と裁判提訴の理由を確認し、小池の「安全宣言」を弾劾。さらに「杭打ちの偽装やカビの発生などが大問題になる」「年間100~120億円もの豊洲市場の赤字、市場会計の破綻を理由にした市場の民営化、家賃の値上げで多くの仲卸がやめていく」と指摘し、「多くの仲卸の人が裁判闘争の継続をはじめ、闘いに希望を見いだそうとしています。闘い続けましょう」と訴えた。止める会事務局からの報告を行った東京労働組合交流センターの小泉義秀さんは、豊洲移転は卸売市場法改悪、漁業法改悪や水道民営化法などの攻撃と一体であり、小池は安倍の改憲・働き方改革攻撃の先兵だと弾劾、東京都の全卸売市場民営化が狙われていると指摘した。そして「東京オリンピックのための築地の解体・更地化を認めない。運動の力で必ず築地に戻り、豊洲を止める」と結んだ。
原告の仲卸の仲間が「店が狭く、売上も減って怒りを覚えている。築地に戻りたい」と述べた。討論では活発な意見が出され、「闘いはこれからだ」という機運が満ちあふれた。
最後に宮原さんが「仲卸2業者に業務停止処分をした都と裁判所の体制は、危機にある今の日本の体制だ。私たちが正義感をもって踏ん張りぬかなくてはならない」とまとめた。