中央タクシー分会長への襲撃弾劾 群馬合同労組が怒りの声明
中央タクシー分会長への襲撃弾劾
群馬合同労組が怒りの声明
群馬合同労組は、1月10日、以下の声明を発表した。2015年6月の中央タクシー分会結成から3年半。会社の組合つぶしと、2回のストライキをはじめとした職場闘争、労働委員会、裁判などを闘い、会社を追いつめてきた。去年9月には長野・新潟を含め「全中央タクシー労働組合」が結成され、勝利の地平が職場を変える段階に入った、まさにその瞬間、K分会長への襲撃である。
本人のPTSD(心的外傷後ストレス傷害)の後遺症、家族の不安と動揺など、苦しい40日を乗り越えて、ついに反撃が始まった。
この30年は、国鉄分割・民営化によって連合が登場し、労働組合の力と団結が解体され、非正規職化とブラック企業化の結果、労働者が資本によって殺され、人生を破壊されてきた30年だ。これとの闘いは、資本との壮絶な闘いになる。闘う労働組合だけが、労働者の希望となる時代だ。
群馬合同労組はK分会長と団結し、組織拡大と職場の闘いの爆発で必ず落とし前をつける。すべてのみなさんのご支援をお願いします。(群馬合同労働組合・清水彰二)
襲撃事件を許さない
2018年11月22日、出勤のために家を出た群馬合同労働組合中央タクシー分会・K分会長が何者かに後ろから木刀のようなもので襲撃された。早朝、まだ暗い5時40分頃のこと。道の狭い住宅街、犯人は物陰に隠れて、待ち伏せし、駐車場に向かったK分会長を後ろから不意に襲ったのである。金品は奪われておらず、労働組合のリーダーであるK分会長を狙った、完全に計画的な襲撃だというほかない。K分会長は、その場に倒れ、しばらく立ち上がれなかった。遠くなった意識と吐き気、恐怖と不安の中、記憶も定かでない中、自力で自宅に戻り、一日苦しんだ。幸い外傷はたいしたことがなかったが、その後むち打ちの症状と、PTSDで苦しみ続け、就業もできない状態が40日続いた。
襲撃された家は、K分会長が、2カ月前に再婚して転居したばかりの家である。奥さんはこの日は泊まりで留守だった。この時、K分会長の新しい住所を知っていた人間はごく限られている。親兄弟のほかには、会社幹部と事務職数人、組合関係者、奥さんの子供たちぐらいである。さらに成田・羽田の両空港への送迎という、担当する業務の性格上、外部の人間が3日前に決まるK分会長の出勤時間を事前に知ることは基本的にありえない。
そして、K分会長は、2018年9月30日新たに結成された「全中央タクシー労働組合」の書記長に選出され、襲撃された家はこの「全中央タクシー労働組合」の組合住所として会社に通知されたものでもあった。「全中央タクシー労働組合」結成宣言では「長時間労働を強いられ、車両の安全すらままならない。人らしい生活を取り戻し、顧客と労働者の命を守らねばならない。闘いなくして安全なし。主人公は、私たち労働者だ。団結し闘うことを決意する」と誇り高く宣言していた。群馬合同労働組合からも連帯のメッセージを送ったところだった。この襲撃事件の後、宇都宮司社長が委員長・副委員長と面談してから、大きな分断と動揺が広がっている。
分会組合員は、未払い残業代と不当労働行為に対する慰謝料支払を求めて、会社と裁判で争っている。事件直前の10月に裁判所に提出した陳述書の中で、K分会長はこのように書いていた。「掲示板サイトに...娘に危害を加えるかのような記載もされる...。このような脅迫行為は現在もあり、2018年度36協定の従業員代表に選出され、...宇都宮社長と私との間で仲立ちをしていた同僚のH氏より『ただで動くヤクザがいる』など意味不明な事をいわれ、宇都宮社長からはあなた方の行為には警察に相談している等、...仕事中呼び出して通知しています。別事業所の同僚から宇都宮社長が『群馬の36協定は脅しているから大丈夫』と言っていたということを聞き及んでいます」
2015年6月に、パワハラ、法令も無視した長時間労働、詐欺的な固定残業代制度などに怒りの声をあげて闘ってきた群馬合同労組中央タクシー分会。その闘いの歴史は、激しい会社の組合つぶしとの激突だった。そしてその闘いの勝利の地平がついに「全中央タクシー労働組合」の闘いとして、拡大し、発展しようとする矢先の襲撃事件だ。
襲撃犯人が誰であるのか? それはわからない。しかし群馬合同労組は、11・22分会長襲撃事件を絶対に許さないことを声明する。襲撃を行った人物、計画した人物、扇動した者たちを決して許さない。労働組合として、職場での団結、職場での闘いで、必ずこの襲撃事件をぶっとばす。襲撃したことを後悔させてみせる。すべての中央タクシーの労働者のみなさん、団結してともに闘おう。すべてのみなさんのご支援をお願いします。
2019年1月10日
群馬合同労働組合