19年公務員決戦へ 毎年試用1カ月で団結破壊 会計年度職員の導入絶対阻止を
週刊『前進』04頁(2997号02面01)(2018/12/10)
19年公務員決戦へ
毎年試用1カ月で団結破壊
会計年度職員の導入絶対阻止を
(写真 人事委員会の史上最悪の勧告による大幅賃下げ攻撃をストで闘う団結で粉砕した東京・特区連の11・19総決起集会【大田区】)
自治体への会計年度任用職員制度導入は改憲・労働組合破壊の歴史的攻撃だ。安倍政権は全国の自治体に新制度の条例化を必死に進めさせようとしている。しかし攻撃の超反動的本質が明らかになり、現場の怒りが急速に高まっている。史上最悪の賃下げ人事委員会勧告を粉砕した東京・特別区の労働者の闘いに続き、労働組合の力で絶対に阻止しよう。絶対反対の路線を確立して闘いぬこう。
「評価」で脅す最悪の攻撃
会計年度職員制度の核心は「人事評価」と解雇の脅しによる団結破壊だ。総務省は10月18日、都道府県と主要都市の首長、地方議会議長、人事委員会委員長に対し、改悪地方公務員法・地方自治法に基づく「制度導入マニュアル」を示した。マニュアルは、20年4月の施行前に現行の非正規職を全員解雇。その上で新設の会計年度職員として①「会計年度」ごとに1年で解雇、②試験か人事評価による選考で選別採用、③最初の1カ月は「条件付き採用」(試用期間)とすることを条件に公募し、毎年全く新たな採用とすることを求めた。職員が「長期に継続して勤務できるといった誤解を招かないよう」説明すること、「再度の任用においても1カ月の条件付採用を省略することはできない」「前の任期における人事評価結果を活用する」ことも強調した。
解雇・選別・試用が毎年続く恐怖
現行の非正規職の任期は1年、半年などとされているが、ほとんどの労働者が継続雇用されてきた。経験と誇り、労働者の緊密な連携が必要であるがゆえに当然のことであり、むしろ非正規職を撤廃して全員を正規職とすべきものだ。不当解雇との闘いも多数起き、多年の継続雇用を根拠に勝利判決を得てきた。しかし今後は〈単年度で解雇、選別採用、試用期間1カ月〉で首を切れるようにするというのだ。業務は成り立たなくなる。労働者は「人事評価で毎年毎年首を切られる」重圧でがんじがらめにされる。職場を恐怖支配が覆い、服従を強いられる。労働者を分断し、組合加入の道すら閉ざすことを狙う。労働者の権利を奪い労働組合を破壊する安倍の改憲攻撃そのものだ。
すでに役所や学校で試用期間中に労働者が首を切られる事態が多発し、争議が巻き起こっている。会計年度職員制度の導入に対して全労働者の激しい反発と怒りの爆発は不可避だ。絶対反対の職場学習会が広がっている。
総非正規職化の始まりだ
マニュアルは、賃金水準は正規職の初任給を基礎とするとした。正規職でも青年労働者は低賃金にあえいでいる。会計年度職員は一生低賃金となる。さらにICT(情報通信技術)の徹底的活用、民間委託の推進による業務改革を進め、「簡素で効率的な行政体制の実現」を掲げた。常勤職員の業務は「組織の管理・運営に関する業務や財産の差し押さえ、許認可といった権力的業務」と規定した。それ以外は全て会計年度職員と委託企業に任せるということだ。制度導入で全職員の非正規職化と丸ごと民営化の留め金が外されるのだ。
地方自治破壊の「2040構想」
マニュアルに添付された首長などへの「通知」は、自治体での条例化と20年4月からの導入に向けて「貴職は遺漏のないように準備を」「必要があると認めるときは勧告をする」と脅しつけた。ここに安倍政権による攻撃の本質が示されている。国家の強権で実行を迫っているのだ。総務省は7月、「自治体戦略2040構想」研究会報告を公表。安倍は地方制度調査会での審議を進め、19年での法律体系の抜本改悪をめざしている。戦後地方自治制度の解体と自治体業務の縮小、職員の半減と「公・共・私」によるウルトラ民営化を狙う改憲攻撃だ。会計年度職員制度はその導水路となる攻撃だ。
団結の力で改憲とめよう
憲法92条は「地方自治の本旨」として「国と地方自治体は同等」と規定している。9条と共に、戦後の地方自治制度は国が行う戦争に対する「歯止め」としてあった。何より沖縄・辺野古新基地建設反対の闘い、福島と原発立地自治体を先頭とする原発絶対反対の闘いは、地方を破壊し社会を崩壊させてきた国家と資本を倒し社会の共同性を取り戻す闘いだ。安倍は改憲による自衛隊と国家緊急権の明記と一体で、国家に対する地方自治、地方の闘いを破壊し圧殺して戦争に突進しようとしているのだ。絶対に許してはならない。
現状は憲法に縛られて会計年度職員導入は自治体の条例化抜きには実現しない。当局は組合の屈服と協力を求めている。自治労本部や体制内幹部が言う「非正規職の待遇改善」「期末手当がもらえる」は「毒まんじゅう」だ。
労働組合が絶対反対で闘えば必ず阻止できる。会計年度職員絶対阻止、評価制度廃止、大幅賃上げと非正規職撤廃が闘いの基本方針である。特区連闘争が示したのは、既成執行部が敗北主義を流そうと、現場の怒りが具体的な形となって現れた時どれほどの力を発揮するかだ。ストで闘う団結が大幅賃下げ・労組破壊を打ち破った。この教訓に学び、組合有志のビラや団結署名を水路に支部・分会などあらゆる組織での討議、学習会、職場集会や決議で全体の決起を引き出し、国家の攻撃を粉砕しよう。
国鉄決戦と共に全国から火の手をあげる19年公務員決戦は、戦争のための改憲を阻み安倍を打倒する闘いだ。自治労・日教組を再生し絶対反対のストで闘いぬこう。「この国に革命を」を実現しよう。