仲卸2社に業務停止処分 築地・豊洲貫く団結で反撃を
週刊『前進』04頁(2995号03面01)(2018/12/03)
仲卸2社に業務停止処分
築地・豊洲貫く団結で反撃を
東京都は11月27日、築地市場の豊洲移転に反対し、営業権を行使して築地での営業を続ける仲卸業者2社に対し、仲卸業務の全部停止というとんでもない懲罰的処分を通告した。都は2業者が築地市場の所有物を撤去しなかったことを理由に東京都中央卸売条例違反と難癖をつけ、豊洲での仲卸業務を12月1日から30日間停止するとしている。また東京中央市場労働組合には15日間の豊洲の施設使用停止処分を出した。
だが、都の処分には何の正当性もない。営業権の侵害、損失補償なき立ち退き強制に対して屈服せず正当に営業権を行使していることで、豊洲での業務を停止される根拠は一切ない。無法かつでたらめな処分の狙いは一点、闘う仲卸の仲間を分断し、つぶすことだ。築地市場解体が阻まれるならば、2020年東京五輪開催に間に合わないという焦りに駆られた極悪の反動攻撃だ。
これに先立ち、東京地裁は、築地市場に所有物を残して営業を継続する仲卸に対し、土地と建物を明け渡すよう命じる仮処分決定を出し、26日午前、地裁の執行官が冷蔵庫などを撤去した。絶対に許せない。
築地闘争は都による市場閉鎖を打ち破り、営業権を絶対反対の武器に変えて闘われてきた。この闘いはついに、闘う仲間への処分をはね返し、都の権力犯罪をどこまでも追及して築地・豊洲を貫く団結をつくり出し、すべてをひっくり返す段階に入った。闘いの本格的爆発はこれからだ。
先月11日に豊洲市場が開場してから1カ月半。汚染水の噴出、建物の振動、換気の悪さによる腐臭、ターレからの転落・重傷事故などに豊洲市場の現場で怒りが広がっている。今月19日、都は7〜10月の地下水調査で環境基準値の140倍もの有毒物質ベンゼンが検出されたと発表した。ベンゼンは24カ所、シアンは21カ所、ヒ素は12カ所で基準値を超えた。こんなところでの市場の営業自体が巨大な犯罪だ。そして築地解体・豊洲移転の真の狙いは、卸売市場の民営化だ。
小池百合子都知事は市場で働く労働者の命と食の安全を守る闘いの爆発に恐怖している。反対の声を国家暴力で圧殺し既成事実を積み重ねるやり方は、安倍の辺野古基地建設と同じ暴挙だ。闘う仲卸の仲間への処分を絶対にはね返そう。小池と地裁の暴挙に、都労連をはじめ全労働者・労働組合が徹底弾劾の声を上げて共に闘おう。