職場からの通信 どこまでも自分らしく 公立小学校 広島
週刊『前進』04頁(2993号03面05)(2018/11/26)
職場からの通信
どこまでも自分らしく
公立小学校 広島
私は、40代前半で広島市内の小学校に勤務している。毎朝6時前に出勤。その日の授業準備や担当分掌の残務整理、職員会議への提案文書作成など、次々に済ませる。8時前に子どもたちが登校し次第、担当する35人分の宿題や提出物、健康状態を次々に確認する。その間にも、「先生! 廊下でけんかしよるよ!」「○○くんが運動場で倒れとる!」……次々対応に追われるなか、8時40分に朝の会。子どもたちが自主的に会を進める一方で、各担任はさまざまな「事件」の事実確認や登校していない子への対応に追われたまま1時間目が始まる。そして15時50分の下校時刻まで、授業・給食・掃除・委員会活動など、気が休まることは一秒もない。
子どもの下校後は、その日のプリントやテストの採点や暮会で、あっという間に17時の終業時刻。私は共働きで小学生の子どもが2人いるため、なるべく定時で帰り、家事をしている。
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私は、担当する子どもたちに「人との違いを大切にしながら、自分らしく生きてほしい」「主権者として、社会をつくる主人公となってほしい」と願っている。それぞれの学級担任も、1人で30人以上の子どもたちと真剣に関わるほど、膨大な時間の超過勤務(賃金支給はない)が発生する。校長・教頭は保護者からの要望対応や出張、地域対応などで疲れきっている。周辺の他校では、あちらこちらで担任が倒れ、代員が見つからず、教頭などが担任を兼務している。
さまざまな背景を抱えながら生きる子どもたちが、余裕のない教職員のもとで、安心して学校生活を送ることは無理である。いじめ・不登校・学級崩壊・超過勤務など学校が抱える問題は、現在の社会構造がそのまま学校に反映されている結果である。
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ここ数年、私は「子どもの対応第一」で、それ以外の各学年・各分掌の業務を削減し、勤務時間・休憩時間を意識した働き方をしようと職員会議などで呼びかけてきた。その結果、ずいぶんと職場の雰囲気が変わった。不必要な業務が次々と削減・縮小され、会議の効率化も進んだ。少し余裕が生まれた日には、子どもとドッジボールをしたりトランプをしたりしながら、子どもの本音や願いを把握し、学級づくりに生かせるようになった。
「自分たちの職場は自分たちでつくる」という労働者としての姿勢が実を結びつつある。そこに文科省や教育委員会の「指導」を名目とした立ち入る隙など、一切なくても学校は成り立つ!
この仕事は楽しいし、やりがいがある。だから、どこまでも自分らしく! そんな「先生」であり続けるために——。働きやすい職場を自分たちの手でつくる闘いは、まだまだ始まったばかり!
(秋山遼人)